【歌評】YELLOW YELLOW HAPPY / ポケットビスケッツ / 1997年 /作詞: CHIAKI/ポケットビスケッツ

──『あなた泣かせる力があれば笑わす力もあると信じているのよ
   小さな小さな魔法』──

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 さて、【歌評】とは何かというと【書評】の歌版です。著作権に違反しないように慎重に引用していきます。【歌評】では1000文字程度で歌を紹介していきます。『』内が全て引用です。
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 素晴らしい曲に巡り合えた。出会った場所はツイッター。1990年代音楽動画botなるもので初めて聞いた。聞いて、即Amazonで買った。主に引用されるとすれば、Aサビの

 『もしも生まれ変わってもまた私に生まれたい この身体とこの色で生き抜いてきたんだから』

 千秋の声で、私たち世代から見たらドラミちゃんの声で、このフレーズが力強く歌われる。『もしも生まれ変わってもまた私に生まれたい』なんとポジティブな歌詞だろうと思う。一回きりの人生を、たとえ二回あろうと三回あろうと全く同じ人生を歩みたいと力強く宣言する。自分の人生を徹底的に肯定する姿勢は、聞いていて本当に元気が湧いてくる。

 この歌詞のように、力強く生き抜いてみたいと強く思う。このバンドが生まれたのは、ウッチャンとウド鈴木、千秋が出ているバラエティ番組から誕生したという。出自がどこであれ、名曲は名曲として歌い継がれる。

 YELLOW YELLOW HAPPYの曲の黄色であるが、YELLOW YELLOW とあるように歌詞の中に二度出てくる特に二度目の歌詞は本当に考えさせられるし、サビの上にも載ってくる。心の底に本当に響いてくるのだ。

 『みんな欲しがるお金で黄色い子犬を買った
  みんな欲しがる幸せ強く強く抱きしめたい』

 資本主義でバブルがはじけたこの時代。皆がお金を欲しがっている中で、本当の幸せとは何かを問いかけてきている。お金があれば幸せか? お金はあなたに温かみをくれるだろうか。それよりも見落としがちな身近な幸せに目を向けてみよう。ほら、動物がいる。抱きしめる。孤独で冷えた身体になんと温かみを与えてくれるだろうか。家族が一人、いや、一匹いればいい。それだけで大金などいらない。そのようなことを訴えてくる歌詞のように思われる。

 よく、1990年代に青春を送った女性は子犬を飼っている傾向があるような──これは私の周囲の大人たちだが──気がする。特に、声が静かめで大人しそうな大人の女性が子犬を飼っている印象だ。この女性たちはYELLOW YELLOW HAPPYのこの歌詞に影響されて子犬を飼うようにしたのではないかと思わせるほど、的を得ている歌詞だと言える。

 文章だけだと、曲調などがわからないと思うので、YouTubeなどで検索してみることを勧める。特に、古い方の、千秋の声が勢力のある方の歌を聴いてみることをおススメする。

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