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アートメイク歯科医という働き方

今日は私の働き方についての緩いつぶやきになります。お茶請け程度の小噺と思っていただければ幸いです。

歯科医師の働き方はいくつかあります。まずは常勤として1つのクリニックに勤めるという形態。恐らくこれが一番スタンダードな働き方ですね。

大学院に在学されている先生方は、週4日程度大学で診療をしながら週1・2で外勤されている先生が多いのではと思います。大学院に進まれて認定医・専門医を取った先生方の中には、複数クリニックで非常勤として勤務している方もいらっしゃるかもしれません。

私はと言いますと、週1・2回訪問診療を行なっていて、週3-4日はアートメイクのお仕事をしています。2つのクリニックで勤務していますが、どちらも非常勤という形での勤務です。

アートメイクの業界も大概閉鎖的だなあと感じることが多いですが、歯科の業界というのもまだまだ閉鎖的だと感じます。賞与や有給、もちろん産休・育休制度についても、業界全体として理解が追いついていないと言わざるを得ません。これは医療業界全体に言えることかもしれませんが。

歯科医師となってしばらくしてから、私には常勤という勤務形態が向いていないということに気づきました。毎日同じところに通うということに段々飽きてしまうんです。

お気づきでしょうか、そうです。

一般的な社会人にあまり適していない、一匹狼タイプの人間なんです...

診療というのはどうしても同じようなことの繰り返しの日々になりがちなので、一通りの診療ができるようになれば、自分自身で課題を見つけたり、プラスアルファの講習を受けたりしなければマンネリ化してしまうということも理由の1つだと思います。

その中で出会ったのがアートメイクで、元々大の美容好きだったということもあり、どハマりしたというわけです。

結果として今は一般診療に携わることは少なくなってしまいましたが、私は一般歯科診療に従事されている先生方を心から尊敬しています。

歯科医院は美容院やコンビニより多いと言われ、通院回数がかかることも多く、世間的にはあまり良くないイメージを持たれていることも多いのではないかと思います。これはマスコミのミスリードによるもので、そもそも歯科医院はコンビニより昔からあるので数が多いのは当たり前で、今に始まったことではありません。

回数がかかってしまうのも治療内容によっては致し方ないことで、歯周病治療や根管治療と言われるものはどんなスーパードクターが治療しようとも、ある程度時間がかかることがあります。

根管治療に至っては、保険診療だとわずか数百円しか算定できないこともあり、むしろ歯科医院としては赤字なわけで、それを理解した上でドクターは誠実に治療をしています。

患者様の立場で考えたとき、保険診療でも赤字でもちゃんとやってよ!という気持ちももちろんわかるのですが、それでクリニックの売上自体が赤字になってしまってはそもそも運営できなくなってしまうので、結果患者様にとっては不利益になってしまいます。

一般歯科診療において、保険診療だけでは十分に回らなくなっているというのが日本の歯科医業の現状です。その中で日々奮闘されている歯科医師の先生方がいるからこそ、日本の歯科医業のレベルは保たれています。

私の将来的な展望としては、アートメイクをもっと歯科の中で浸透させることはもちろんなのですが、一般の方々にまだまだ認知度が低い歯周基本治療や予防歯科について、本当の価値を広めていけるような働きかけができればと思っています。

なぜ何回も歯医者に行って、何回も歯を削り、多少の差はあれど痛い思いをして治療しないといけないのか。

その理由の根源はどこにあるのか。

日本の歯科治療の料金は果たして高額なのか。

もっと歯科の本当の価値が広まるように、頑張りたいです。そしてこの働きが、いずれ多くの臨床医の先生方の助けとなるように。

私のようにフリーランスの歯科医師として働きたいけど悩んでる、という若手の先生にとっての選択肢の1つにもなればいいなと思います。

井上 佐保里





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