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やってみてよかった情報55「ひらがなの文字と音をつなげていこう②〜聞いて探して・並べて読もう〜」

「2択からスタート」の続きです(⌒▽⌒)

2択、3択と、「音を手がかりに文字を探す」のができるようになってきたら、
次は「音を手がかりに言葉を探す」に取り組みます。

12年ほどの通常学級担任時代、1年生を3回担任したんですが、
当時の自分の意識は、ざっくり言えば、
「46文字覚えたら、文章書けるよね」
でした(T . T)
いや、ざっくりしすぎだぞ。とか、
乱暴にも程がある。とか、
今思い出すと、ツッコミどころしかなく、
申し訳なさでいっぱいなんですが、
真面目にそう思ってました。

特に特殊音節といった一捻りのない言葉については、
「ひらがなそのまま書けばいいだけじゃん」
「なんで間違うの? 」
くらいの勢いでしたね・・・。ごめんね😭

そんな自分の意識を大きく変えてくれたのは、
知的障害特別支援学級に在籍していたAさんでした。

私は週に3時間ほど、Aさんの国語に入っていた時期があります。
Aさんは真面目な子で、とても丁寧。
形もよく見ていて、全く文字が読めない時から、
ザクザクマッチングも完璧でした。

程なく、
・46文字全て「これは?」と聞くと正確に答えることができる
・「み」と音を聞けば「み」と正しくかける
ところまで力をつけて行きました。

ところが、「言葉を読んだり書いたりする」ところで、
大ブレーキがかかります。

例えば、「み」「か」「ん」と
1文字ずつ音を聞くと正しく書けるのに、
「みかん」と言葉の塊になると1文字も書けなくなる。

「み」「か」「ん」と1文字ずつなら正しく読めて、
「みかん」と聞くとみかんの絵が正しく選べるし、
みかんの絵を見て「みかん」と答えることもできるのに、
「みかん」を塊で読めない。

そんな様子に、最初はとても戸惑いました。
「えっ、読めるはずだよね?
 書けるはずだよね?」
と、?ばかりが浮かびます。

文字と音と言葉の関係って、
言葉の音を聞き取って文字に分解しないと書けない
1つずつの文字の音を合成しないと言葉を塊で読めない

Aさんへのアプローチを試行錯誤していく中で、
やっとそこに気がつきました。
(具体的にどんなことをしたのかの情報はまた次回に)

正直、そんなこと、考えたこともなかったんです。
つまり、「もしかしてあの子もそうだったかも」と
自分が今まで関わってきた子達のことを思って、
真っ青になった記憶があります。
 (本当にそんなことばかり繰り返してる気がします・・・)

そうした反省から、
文字と音が入りにくいケースに対して
・2択からスタート
して選べる文字が増えてきたら、
・言葉を聞いて文字を選ぶ
・選んだ文字を並べて言葉にする
という活動を入れるようにしています。

書くとたいそうな感じですが、
至って単純な方法でやってます。

選択肢の数が増えても選べる文字が増えてきたら、
「⚪︎はどれ?」と言う1文字を聞かせるのでなく、
「『あし』を探して」と言うように、
言葉を聞き取って、複数の文字カードを選ばせます。

例えば上のように並べて
・「あり」「ぬの」「へや」「よる」「はむ」「みろ」「ほね」「てすと」
みたいに、言葉を聞いて、そのカードを選んでいきます。

最初は
「あり」と言った後
「あ・り」とゆっくり分解して聞かせたり、
それでも難しい時は「最初は『あ』だよ」と声をかけたりします。
「あ・り」の2枚のカードが見つかったら、
となりの机にくっつけて並べて、読ませます。
「あ・り」と読んだら
「そう、『あ・り』で『あり』だね。ありさん発見!」
と言うような声をかけて進みます。

写真は、慣れてきてからのものですので、
最初はもう少し少ない方が探しやすいと思います。

井上、いい加減なんで、
並べてみてから言葉を考えるんで、
いつも何枚か余ります(^◇^;)

そう言う時は、「ぐちゃぐちゃいくよー」と言って、
有意味な単語ではなく、無意味な音の塊を分解して探してもらいます。
この写真だと「ふ」「せ」「ま」が残るのかな。
「ふ・せ・ま」とぐちゃぐちゃ言葉で出すこともありますが、
「この子は『せ』は絶対読める字だ」と思ったら、
「ふ・ま」と「せ」を残して出題し、
最後に残った「せ」のカードを指して
「これは?」と聞いて「せ!」と答えたところで「OK!」と
終わることも多いです。
最後の文字を自信を持って読んでOKがリズムよく入ると、
気持ちいいんですよね(⌒▽⌒)
ダラダラしないのも気に入ってます。

・言葉を聞いて文字を選ぶ→言葉の塊を分解
・選んだ文字を並べて言葉にする→音を繋いで合成

の練習を、カードで手軽にする方法で、
割とよくやります(⌒▽⌒)

これがスムーズになっていくことが、
「言葉の読み書き」のスタートとして大切だと思っています(⌒▽⌒)


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