僕が共に過ごしてきたオタク文化たち

タイトルの通り、僕が共に過ごしてきたオタク文化たちについて書いていこうと思う。なぜ突然こんなことをと思われるかもしれないが、前回書いたクソンタム、間違えたクウォンタムセオリーの記事の中に「僕が乗り損ねた流行ったコンテンツを拾っていきたい」的な記述があったと思う。
というわけで何が流行ってたっけと記憶を辿っていたら、「そういや中、高生の頃はオタク文化が天下取るくらい流行ってたな…」と思い出したのだ。多分僕がこう思うのは周りに、というか学校全体にオタクが多かったというだけで、実際天下取ってたとかそんなことは無いとは思う。世間の同年代の間ではK-POPが流行っていたはずだし、シーブリーズの売り上げは国家予算を大きく凌ぎ、男子の8割はアウトドアのパンツを履いていた。

話が逸れたが、オタク文化についてだ。ここで僕が触れるオタク文化はあくまで僕が把握しているものに限定しようと思う。「ヘタリア」とか流行ってたなとは思うが、僕は読んでも観てもないから何も言えることが無い。そもそも僕はせいぜいライト層のオタクという程度で、文字通り心臓を捧げているホンモノ(韓国ではガチオタのことをそのまま日本語の発音でホンモノと呼ぶ、と何かで読んだことがある)たちには知識量も情熱でも敵わない。ただ「テラフォーマーズ」への愛は誰にも負けない。2部からつまらなくなったとか抜かす連中、武器を持ったままで構わん。一列に並べ。


また話が逸れてしまったので元に戻すとして、まず思い浮かぶのは1つしか無い。これ以外はありえない、と言っても過言では無い。僕と同じ時代を生きた人間皆の青春の一部であり、世に出た当時一世を風靡し今なお愛される最強無敵、天下無双のコンテンツ。















そう、「エルシャダイ」だ。


「そんなことはない」「出オチかよ」「ぶっ飛ばすぞ一重」など色んな罵声が飛んでくるような気がするが、僕は至って真剣に書いている。俺はガチだ。当然発売日に買ったし、EDWINとのコラボジーンズまでしっかり買った。当時高校生の僕はジーンズ発売のタイミングは学校にいるため授業を受けている僕の代わりに母親にネット注文してもらったものだ。ちなみに同人誌も持っている。メロンブックス熊本店で買った。

ストーリーをざっと説明すると、「色々あって地上がえらいことになってしまったため大洪水を起こし地上を浄化する計画が立てられたが、それを阻止するため人間でありながら天界で働く青年イーノックが堕天使たちと戦う」というもの。まあ細かいことはWikiで調べて頂きたい。理想は実際にプレイすることだ。

ご存知無いだろうか?「そんな装備で大丈夫か?」「大丈夫だ、問題ない」という会話を。これはPVにおいて大天使ルシフェルとイーノックの間で交わされたものだが、エルシャダイがインターネットミームとなったきっかけである。


彼が大天使ルシフェル。彼の語りからPVは始まる。「話をしよう。あれは今から36万…いや、1万4千年前だったか。まあいい」
まあいいじゃないだろ。34万6千年は誤差とは言えない。しかし彼は大天使なので、我々感覚が違うのだと思われる。まあいい。

「私にとってはつい昨日の出来事だが、君たちにとっては多分、明日の出来事だ」
間違いなくコイツは薬をやっている。脳が変質してしまっているのだろう、ろくにものを考えられないらしい。それにしてもよく喋る男である。4分半のPVのうち、40秒はルシフェルがこの背景の中ひたすら喋っているだけだ。薬物中毒者の与太話を長々聞いてる暇など無いのだが。一度きりの人生なのだから、時間は大切に使わなければ。

















つまり「Quantum Theory」をやっている暇も無い。


話を戻す。

「彼には72通りの名前があるから、何て呼べばいいのか…」
多いよ。選ぶのに困るくらいなら減らせばいい。というかいくら72通りの名前があったとしても日常的に72通りの名前で呼ばれるわけないだろ。大体これ、っていうのがあるのではないか。

「確か、最初に会ったときは…イーノック」
Enoch=エノッチといじられ笑われていた部分である。人の名前をいじって笑うなど本来であれば言語道断なのだがこれに関しては、まあいい。
というかここからよく71個も名前が増えたな…と言いたいところだがどうやら本物の神話をベースにしているようで、名前が72通りとかその辺は本当らしい。しっかりしているのか、していないのか。

「そう、あいつは最初から言うことを聞かなかった。私の言う通りにしていればな…。まあ、いいやつだったよ」と不穏な言葉を残しここでタイトル。綺麗な空である。

問題のシーンだ。「そんな装備で大丈夫か?」「大丈夫だ、問題ない」
自信満々に問題ないと言い放ち、彼は

飛んだ。すげえ度胸だな。地面見えてないのに。

この顔の寄り、ちょっとおもしろいと思うのだが僕だけだろうか。

そしてヒーロー着地!頼むぜイーノック、地上を救ってくれ!!




やはり装備に問題があったようで、ボッコボコである。大見得切ってこのザマかお前。実際にPVを観てもらうと分かるが、この際イーノックは敵に一撃も与えられていない。「ホーリーランド」「喧嘩商売」あたりを読んで強くなった気になり、いざリアルで喧嘩をしてみたら何もできず一方的にボコられた経験のある人は気持ちが分かるのではないか。

そして頭部への攻撃。受けた剣は折れてしまい、絶体絶命!イーノックは死に、このまま地上は浄化されてしまうのか!?





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ポーズ画面のような表示に変わり、「神は言っている…ここで死ぬ宿命(さだめ)ではないと…」とナレーションが入る。だめだ、頭が追いつかない。
【Continue】【Title Menu】とあるが、これはPVなのでプレイヤーは一切操作していない。というか、操作できない。なのでイーノックは勝手に死にかけているだけだし、もしこの通りだったとしてもここで【Title Menu】を選びタイトルに戻る人間がいるとは到底思えないのだが…。


そしてインスタの加工後のような色味になり、時が巻き戻されていく。完全に逆再生なので、「テネット」を彷彿とさせる。やはり並大抵のゲームではない。













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なぜタイトルまで戻る必要が???????
ここで笑わなかった人はいないだろう。これはもう完全にボケである。掴みがうまいとはこういうことを言う。


「そんな装備で大丈夫か?」

「一番いいのを頼む」
最初からそう言っておけばいいものを…。まあまあ眠かろうと深夜2時頃にノリでドライブに行くような、後先をあまり考えない性格をしているのだろう。

一番いいのを装着。露出が増えたが大丈夫か?

再び飛ぶ。

さっきよりおもしろくなってる。

自信がついたのか、調子に乗ってるのか、もしくは一番いい装備とやらが本当にすごい代物なのか、飛び込みオリンピック代表ばりの動きで落下するイーノック。

再びヒーロー着地。

着替えただけなのにドヤ顔をするんじゃない。

一番いい装備、どうやら機能性は抜群のようで先程とは打って変わってディフェンス力アップ。一撃ももらわず。どんな理屈か分からんが、すごい。大したものである。

頭部への攻撃でまた剣は折れてしまうが…

さらっと回避してカンフーのような構え。お前その感じで拳法的なのを使うのかよ。パンクラチオンとかではないんだ。

ここからはイーノックが冒険する様が描かれる。まだまだおもしろポイントはあるのだが、大長編になってしまうのでPV紹介はこの辺にしておこう。エルシャダイの魅力は十分に伝わったと思う。このPVが公開されるやいなや大きな話題に。学校の一部の男子の間でもエルシャダイの話でもちきりであった。
ちなみに僕はルシフェルの1人語りを完全に暗記しており、いつでも真似することができる。披露する場は一度も無かったが。

エルシャダイが僕の中で強烈なインパクトを残しているため1発目の紹介になったが、要するにニコニコ動画が流行っていたのだ。エルシャダイも一番光が当たっていたのはニコニコ動画においてだろう。10年程か、もう少し前か、古のオタク文化と言えばいいのだろうか、今のオタク文化の礎となったものがいくつかある。


まず1つはボーカロイド。
これは今やメジャーの音楽シーンにまで大きな影響を及ぼしている。米津玄師氏はハチ名義でボカロPをやっていたし、YOASOBIのコンポーザーayase氏もボカロP、ヨルシカのギタリスト兼コンポーザーn-buna氏もボカロP。ずっと真夜中でいいのにも確かそうである。
ボーカロイドを使って音楽活動をしていた人間が時代を作っている、というのは当時の自分に言っても信じないだろうなと思う。それほどまでに扱いが違った。まあ、何年も前からカラオケの履歴がボカロばっかりだったり、音ゲーにボカロ曲が山ほど収録されていたりと根強い人気はあったのだがそれでもまだボーカロイドはオタクの領域だったと思う。しかしいつからか、気付けば完全に一般層に浸透していた。「歌ってみた」バージョンがTikTokきっかけで流行るなどしているし、普通にボカロが歌ってる曲もよく使われている。「グッバイ宣言」「愛の詩」に合わせてキラキラした女性たちが踊っているのだ。冗談だろ?と思うくらい取り巻く空気が完全に変わっている。「メルト」「magnet」あたりの曲って知ってるのだろうか。そこまでは分からない。
ただYouTubeのコメント欄はよく荒れている。
流行りのボカロ曲に「TikTokの曲だ!」などと書き込もうものならホンモノたちに袋叩きにされる。彼らの中には歌ってみたしか聴かない、さえも許さない人間もいる。本家を聴けと、ボカロを聴けと言うのだ。何においてもそうだが、古参ファンのそういうところは本当によくない。割合的には「にわか」と呼ばれる人の数が一番多くオタクは絶対数で言うと少ないはずなので、にわかファンがコンテンツを支えてくれる大事な存在なのがなぜ分からないのか。そもそも娯楽というものに異様な熱量で打ち込んでいる人間の方がおかしいのだ。程々に楽しむ、これが世間の普通なのだ。相互理解は大事だ。にわかファンに腹を立てる必要など無いし、まずにわかという言い方がどうなんだという話だ。そしてオタクは決してキモい存在などでは‰では$℃繧ェ繧ソ繧ッ縺ッ繧ュ繝「縺上↑縺。あれ、文字化けする、なんでだろう。

最近のボカロ事情に詳しくないのだが個人的には2020年を代表するボカロ曲は「henceforth」だと思う。TikTokをやっている人ならこの曲をバックに「えなこダンス」と呼ばれるものを踊っている動画を目にしたことが一度はあるだろう。



あとはまあ、「東方Project」だと思うのだが…。これについては僕にとって未だに謎だ。仲の良い友人(以降Kと表記する)が人生捧げるレベルでハマっていて、カラオケ行くたびに関連曲しか歌わないようなやつだったのでなんとなくそれで知ってるくらいである。
元々は弾幕シューティングゲームでそこから色々派生したとKから聞いている。ただKのせいで僕は音楽コンテンツだと思い込んでいた。「Bad Apple!!」「チルノのパーフェクトさんすう教室」あたりは知ってる人も多いのかもしれない。キラキラ~ダイヤモンド~みたいな歌詞、ゲームセンターなどで聴いたこと無いだろうか。太鼓の達人に東方の曲がいくつか入っていたと思うのだが。

東方Projectは完全にオタク文化だと断言していいと思う。高校卒業以降オタクが周りに少ないせいもあるだろうが、そのK以外が東方の話をしているのを聞いたことが無い。それとこれは戦争の火種になりそうなので書くのが怖いのだが、

「『100均のイヤホンで東方アレンジ聴いてそう』よりひどい悪口知らない」

のような内容のツイートを目にしたことがある。別に僕自身は東方を蔑視していないが、そういうことを言われるということはそうなのだろうと思っている。
東方に対しては「俺はハマらんかったなぁ」としか思わないのだが、Kに関しては「お前なあ」となる、あるエピソードがある。

僕とKはお互いミリタリー好きという共通点もあってか毎週遊ぶほど仲が良く、アニメイトやメロンブックスに行ったりカラオケに行ったりゲーセンに行ったりしていたのだが、Kはメロンブックスで毎週毎週5~10枚くらいのCDを買うのだ。もちろんほとんど東方Projectの。最初は貯金でも切り崩して買ってるものだと思っていたのだが、あまりにも長期に渡って爆買いを続けていたため「お前どっからそんな金出てんの?」と聞いたことがある。すると彼は「親の金庫から抜いてる」と言った。








K、お前昼休みに弁当食べながら政治批判とかするタイプじゃねーかよ!!!!政治に物申す前にまずお前が直すべきところがあるだろう!!!!

親の金庫から金を抜いてオタク・コンテンツに落とす人間を生んでしまったこの国の政治は確かに失敗してるのかもしれないな…と思いもしたのだが、これはただKがイカれているだけだ。政治は関係無いだろう。
この件以来僕は食事中に政治の話をぶっこむ人間を信用していない。そいつは親の金庫から金を抜いているからだ。皆も気をつけて頂きたい。
余談だが僕はKの妹に告白して振られている。それをKに笑われた。なぜなんだちくしょう。

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