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エンタメレビュー

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本・映画・漫画・アニメ・ドラマ・音楽・その他カルチャーやコンテンツについて、批評や考えたことを書きます。
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#映画感想文

『悪は存在しない』映画評。自然と人間の関係を描く、不穏で美しい寓話

美しい映画だと感じた。自然対人間という明確な主題、シンプルなプロット、削ぎ落とされた台詞…

殺人事件を通して描かれる、青春とその終わり。『牯嶺街少年殺人事件』映画評

GWの中日、早稲田松竹でエドワード・ヤン監督の『牯嶺街少年殺人事件』を観に行った。12:30の…

恋の瞬間をリフレインしてしまう人のための映画。『ビフォア・サンライズ』

失恋するたびに思う。恋なんてただの幻想だ、と。所詮は脳のバグから生まれる感情、勘違いのよ…

『14歳の栞』映画評。ただの中2の日常なのに、なんでこんなに忘れられないんだろう

中学2年生のあるクラスの、なんてことのない日常を撮っただけの映画なのに、なんでこんなに忘…

アカデミー賞美術部門総なめの理由を解説。『哀れなるものたち』映画評

ヨルゴス・ランティモス監督の最新作『哀れなるものたち』。2024年の第96回アカデミー賞で主演…

『寝ても覚めても』のラストシーンが映画史に残る理由。川を通して愛は修復される

映画『寝ても覚めても』は本当にとんでもない映画だ。はじめて観たときは、クライマックスの展…

愛はやり直せるのか?映画『マリッジ・ストーリー』に答えがあった

「愛することは技術だ」と言い切ったエーリッヒ・フロムの『愛するということ』を読んで衝撃を受けた話を先日書いた。 この本を読んでいたら、次のようなことが思い浮かんだ。 愛が技術なら、壊れたとしても修復できるのでは? 恋は一度醒めるともう二度とは戻らない。「生理的に無理」のような状態になってしまう場合はなおさらかもしれない。だけど、愛するということが技術なのであれば、感情を技術によって乗り越えることができるのではないか? 愛の修復可能性。このことについて考えながら、今まで