ミュージカルCOLOR感想

の、灰汁を取ったやつです。一番感情のこもったとこはツイッターに置いてきた。いえ、これもツイッタの抜き書きなんですが。

ミュージカルCOLOR、「作品としてだけ見られれば」普通に面白いんですよ
・モデルが制作にがっつり食い込んでるのを広報Twitterアカが猛アピールしてる
・担当編集が「客に伝えたいメッセージ」を無加工で喋ってる
・音楽で全ての粗を薙ぎ倒すALW御大ではない(ので冷めたら終わり)
が難点なだけで……

御大は全てを押し流して感動を叩き込むパワーを持ってるけど特大の例外なので……。ALW御大じゃなかったから他の全ての粗を音楽でなぎ倒すことはできなかったけどこれは作曲家に非はないよ。

まあ、曲の中に普通トーンの会話を投げ込むので楽曲の世界に引き込む力が弱め(JtRもこれ)ってのはあった。歌唱曲とBGMの境がだらっとしてるのもミュージカルっぽくなさを(個人的に)覚えたがこれは流行り廃りの範疇だと思う。
こないだのスラムドッグ$ミリオネアでも感じたけど、ミュージカル曲つくる人じゃない人のミュージカル曲って歌詞やフレーズが頭にぜんぜん残んないので、やっぱりちゃんと手法があるんだなって思いました。なんか……いやこれは素人が失礼なこと言ってんなーと思ってほしい類の戯言なんですが……、ミュージカルのテンポに合わせて作ってはくれてるけどテンポ下げたぶん減衰するフレーズで惹きつける力についてのフォローがない(あと、「聴き込む」ができないことを想定してなさそう)、って感じ。
テンポ上げろって言ってるのではない。歌詞が聞き取れない人が増えるだけですそれ。

打ち出し方もっとなんとかならなかったんですか。

COLORの対談記事(一部)読んだんだけどさ、ドキュメンタリーミュージカルにしたかったんじゃ「なかった」ならあのツイアカ広報の打ち方大失敗だったって……。
私はそれ(実話再現をやる)を「新規客層開拓のチャレンジング」だと思ってたから(今日の客の入りを見る感じ、実際それは成功してると思う)、まあ試行錯誤としてそういうチャレンジもいるよね絶対口に合わないけどと諦め完了したのにぃ。

ドキュメンタリーミュージカルをするつもりだったなら先行抽選やる前に公式ページにしっかり明記してほしかったし、ドキュメンタリーミュージカルをやるつもりでなかったなら少なくとも広報と設営とオチ(というか原作本を板の上にそのまま持ち込むあれ)からは、プロデューサーの意向は共有されてなかったんだなと感じたかなー。

これ本来はツイッタで垂れ流して客足に響かせるより感想フォームに書くことだと思うんですけど(チャレンジングそのものは応援したいんですよね……)、カラーくん感想フォーム設けてないんすよね。場内のQRもフレームとマガジン配布だけだったと思うんだけど……あったらごめん(と思ったので一晩明けてnoteに連れてきました。)

大丈夫、客は忖度しているよ。当たり前じゃん。

役者の表現、話の内容に一切言及していないのはごくごく単純な話で、あまりにも原作者の身に起こった話としっかりリンクさせられてるせいで、全ての感想が「実在して今も生きているモデルたちがそのときとった行動や考え」への意見になりかねないからです。いくら私が突撃爆弾だって、そこに触れないくらいの危機意識は持ってる。

もちろんね、メディアミックスに当たって細部は変えられているだろうし原作から端折られている部分もあろうと思いますよ。でもそこは本質じゃないでしょ、文章を一字一句なぞることが「原作の再現」ではないってのはアニメを見りゃ嫌ってほど思い知るじゃん。私は詳しくないけど演劇だってそうじゃないの?事実に忠実であることとリアルと思わせることは別では?

ゆえに、具体的な情景描写や言葉は違っても、(原作と変えてるかどうかも知らないけど、)ここで演じられている彼らの想いや葛藤は「(実在する人物の体験記録である)原作と同じ」なんだってのがばちばちに伝わってくる作品で、それをどう感じたかなんて、ましてやそれに対する解釈なんて、怖くてとても言えないよ。だって、生きてる日本語話者の話だ。

はーい言語化終わり。自分の情動が何かとその根っこまで辿りついたので、これから先はどこの何からそう思ったかって具体のフェイズになるからね。とても怖くて言えないよ、そんなこと。

いやでも質がバチバチに良かったので1回は観て良かったと思ってるしもう一方のチケも実は確保してあります。空想の余白がない、空想を巡らす方向性に倫理がブレーキを掛けるような設計されたストーリーを私は創作として飲み下せない、そんだけの話です。

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