ニフェジピンの剤形の比較

こんばんは。

最近ニフェジピンの頓用の処方を見かけたので薬物動態について調べてみました。

先発品であるアダラートで比較していきます。

まずアダラートカプセルから。
インタビューフォームの薬物動態の記載は以下のようになります。

続いてL錠です。1日2回服用する徐放錠です。

最後にCR錠です。1日1回の徐放錠となります。

ではなぜ今回、薬物動態を調べることにしたのかというと、頓用で用いる際はどれがよいのか気になったからなのです。

薬物動態は専門ではないので詳しくはないし、間違った解釈をしてしまっている可能性もありますがご了承ください。そして指摘してください。

頓用で用いるならばTmax、つまり最高血中濃度到達時間が早ければ早いほど作用発現までの時間が早いと考えられます。もちろん、Tmaxの値で作用発現までの時間を推定できない薬もありますが、Ca拮抗薬に関しては推定できると僕は思っております。
では、Tmaxを比較するとカプセルは1時間、L錠は2時間、CR錠は5~7時間となっており、カプセルが頓用で用いるならば一番良さそうですね。
ただしカプセルは過度の降圧及び血圧の再上昇を起こしやすいため使用することはほとんどありません。

そうするとL錠かCR錠が残ります。

インタビューフォームのTmaxで比較するとL錠のほうがCR錠と比較して2~3時間早いため頓用で用いる場合はL錠のほうがよさそうですね。
ただ上に示したグラフを見るとL錠もCR錠もグラフの最高血中濃度になっている時間が3時間付近であるようにも見えるため、頓用でCR錠が処方されていた場合は問い合わせするべきですが、Tmaxの違いを情報提供する程度でL錠への変更を強く推奨するほどではないのかなあと個人的には思います。

ニフェジピンの頓用は産科とかで多い印象なので、僕的にはL錠でもCR錠でもどっちでもいいと思うし、むしろ妊娠20週以降かどうかを気にしたほうがよいと思っています。

妊婦に使用できる降圧薬は覚えてますか?

第一選択薬としては、経口剤としてヒドララジン(アプレゾリン)、メチルドパ(アルドメット)、ラベタロール(トランデート)、そして20週以降であれば徐放性ニフェジピン(アダラート)を用います。アダラートカプセルは「妊娠高血圧症候群の診療指針2015」にも使用しないと明記されています。

第一選択の経口剤で降圧が不十分な場合や緊急な降圧が必要な場合にはヒドララジン静注(アプレゾリン)、もしくはニカルジピン(ペルジピン)の持続静注を用います。

緊急な降圧が必要な場合に注射剤を使える病院においてはL錠もCR錠も注射剤より作用発現が遅いのでどちらでもよいのかなと思っています。

ちなみにニフェジピンは切迫早産のため、子宮平滑筋の収縮抑制の目的に処方されている場合もあるようです。この点については僕はまだ調べていないので、後日調べてみたいと思います。

それでは。