地方公務員の「残業しない仕事術」:「ポモドーロ」と「サーキット」

 公務員の仕事は、腰を据えてじっくりと取り組むものもあれば、細かい事務作業などもあり、どちらも一定の仕事量があります。例えば、予算編成の仕事で言えば、前者は議会に提出する予算案の集計や予算書の印刷などがあり、各プロジェクトの予算額の集計を全員で行い、数字のチェックや計算が間違っていないかどうかの確認など、一連のプロセスを終えるのに数日から数か月かかる作業があります。一方、後者の仕事は、メールの送信や文書の送付、問い合わせへの返答などがあります。これは1件ごとに数分で終わるものです。地方公務員の1日の仕事は、時間のかかる仕事とかからない仕事を組み合わせて行い、あらゆる仕事を期限に間に合う形で進めていきます

 そのため、公務員の仕事には持続力と集中力の両方が必要で、ルーティンワークをスピーディに進めることと、一定の期間を要する仕事を着実に進めることの両方が必要ですしかし、同じ仕事をずっと続けると、どうしても飽きが出てしまいますし、集中力を維持することは困難になります。どのタイミングに、どのような仕事を組み込むか、ということは、地方公務員(国家公務員にも民間企業の方にも当てはまると思いますが)にとって大変重要な課題です。

 そこで、私は「ポモドーロ」と「サーキット」の組み合わせを提案します。「ポモドーロ」とは「ポモドーロ・テクニック」と呼ばれているもので、一般的には25分の仕事と5分の休憩を繰り返して集中力を維持する方法です。さまざまな仕事で提唱されていて、これを実践するためのアプリも数多くあります(私はFocus-To-Doというアプリを使っています)。25分で時間を区切ることで、集中力が途切れるのを防ぐだけでなく、「あと何分で休憩だ」という締め切りを意識することで、さらに集中力を高められます。
 私もこの方法を実践していますが、25分がちょっと長いと感じることと、5分の休憩が短く、その休憩も少しもったいない、と思っています。そこで、25分の集中時間を12分と半分にしています。さらに、休憩は6分と長めにしています(アプリで設定を変えることができます)。たった12分の集中なのですが、短いので難しくありませんし、締め切りを意識する回数も増えて集中力も高く仕事ができている、と実感しています。

 ですが、休憩はさらに長い6分です。つまり、一般的な「ポモドーロ・テクニック」の倍以上休憩していることになります。「休憩時間がもったいないと言っていたじゃないか?」と思われるかもしれません。ですが、私はこの休憩時間にルーティンワークを入れているのです。メールのチェックや単純作業は、短い時間で仕事を区切ることができます。しかも、それほど集中力を必要としないので、休憩の効果も得られるのです。
 これは、スポーツの「サーキット・トレーニング」と同じではないかと思っています。「サーキット・トレーニング」とは、例えば足を鍛えた後に腕を鍛え、その後再び足を鍛える、というようにいろいろな部位を順序良く鍛えていく方法です。足を鍛えた後は足は疲れていますが、その状態でも腕を鍛える力は残っています。しかも、腕を鍛えている間に足は休めるので、鍛錬と休憩を両立させられ、時間を有効に使えるのです。仕事でも集中の必要な仕事とそこまで必要でない仕事を組み合わせることで、休憩しながら仕事ができる状態を作れるのではないか、と思います。

 もちろん、眠ければどんな仕事もできないので、その場合は無理をせず目をつぶったりしています。その場合は、12分仕事→3分休憩→3分事務→12分仕事…のようにしています。このように「ポモドーロ・テクニック」と「サーキット・トレーニング」を組み合わせることで、仕事の効率を高めるとともに、午前と午後の長時間を有効に使って仕事をすることができるのではないか、その結果、残業を防ぐことができるのではないか、と考えています

 皆さんの仕事の参考になれば幸いです。

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