BLACKPINKリサと立ち食いルークチン(タイのニュース記事)

2021年9月15日のThai PBSの記事

なぜ「立ち食いルークチン(注1)」なのか。「リサ」が忘れえぬブリーラム独特のストリートフード

なぜ「立ち食いルークチン」なのか。BLACKPINKの「リサ」がいまだその味を忘れえず、タイに帰ってまた食べたくなるほど思いを寄せるブリーラム独自のストリートフードを知ろう。

「前は売れなくて店を閉めてたけど、今は、売るのが追いつかず、品切れで揚げるものがなくなって店を閉めてる」

タイミングばっちりとはまさにこのことである。BLACKPINKの「リサ」ことラリサー・マノバーンが、シングル「LALISA」リリース後のインタビューで、「故郷のブリーラムに帰ったらしたいことの一つが、ブリーラム駅の立ち食いルークチンを食べること」と語ったことで、来たる9月17~23日に開催される立ち食いルークチン世界一決定祭が一躍大きな注目を浴びることとなった。

「立ち食いルークチン」の名前の由来
思い立ったが吉日で、タイPBSオンラインは、「立ち食いルークチン」のことをもっと知るべく、立ち食いルークチンの雰囲気そしてその味とともに育ちはや40年以上のブリーラム県観光業協議会会長「ボディン・ルアンスックシーウォン」に直接連絡を取った。

揚げルークチン、駅のルークチン。今日のように「立ち食いルークチン」と呼ばれるようになる前のブリーラム県民が慣れ親しんだ呼び名である。

しかし、ブリーラムの観光が知られるようになると、食の独自性を確立してブリーラムの観光のさらなる人気拡大につなげようとブリーラムの業界団体がタッグを組んだ。

店ごとの秘伝のルークチンと、ブリーラムならどこの市にもある、店頭で特製のタレにつけて立ち食いし、後から「串を数えてお金を払う」という独特のストリートフードが、ブリーラムの食の独自性としてピックアップされ、これが、2017年に初めて開催され、コロナのため昨年いったん中止となるまでは毎年開催されていた「立ち食いルークチン世界一決定祭」の出発点となった。

コロナの状況下にあって、また、感染症や衛生に関する客の不安のさなか、もともとタレは同じ鍋に入れていたのが、タレを容器ごとに分けるようになり、その後、販売は持ち帰りのみにするといったように、立ち食いルークチンの店は臨機応変な対応を続けている。

一晩で2,000オーダー分の立ち食いルークチンが売れる
収入は万から千、百へと徐々に減っていき、ブリーラム駅に12軒あった店は、経費がまかなえなくなり、ぽつぽつと店をたたむところも出始め、1年経つ頃には残り7、8店が販売するのみとなった。ところが「リサ」旋風が一夜にして光明をもたらし、命がつながった立ち食いルークチンの店にふたたび活気が戻った。

「前は売れなくて店を閉めてたけど、今は、売るのが追いつかず、品切れで揚げるものがなくなって店を閉めてる。たった一晩で2,000のオーダーが入るなんて、こんなことはこれまで一度もなかった。コロナの前より売れ行きがいいぐらい」

ニューノーマルな立ち食いルークチン祭
ブリーラム県観光業協議会の会長はさらに、商いに活気を取り戻し、この難局の時に大きな収入をもたらしてくれたことに対して、お店の人たちに代わりリサに心からの感謝の言葉を述べた。ブリーラム駅内の店の販売が上向き始める中、今年の「立ち食いルークチン世界一決定祭」は戦略を改めざるを得ないだろう。

第一に目指すところは、ニューノーマルなイベントの開催であり、オンラインでの販売促進の取り組みに力を入れ、市街地の店だけではなく、全てのエリアの郊外の立ち食いルークチン店も含めて販売が上向くことに期待を込める。そこで、7日間の売り上げをテコ入れするため、時間限定でのルークチン10本1バーツ特売プロモーションなど数多くの様々なプロモーションを実施する。

ボディン氏は、ブリーラム駅の敷地で開催されるイベント内では、人の距離を保つとともに、ブリーラム県保健所の協力により厳格なスクリーニング検査を行うと明言する。また、コロナの状況下における安全のため、イベントではルークチンの立ち食いは行わず、持ち帰りおよびデリバリーを中心とする。

一方、毎年恒例の大食いなどの目玉イベントは引き続き中止とし、来年、感染症の状況が好転すれば、おいしさと幸せに満ち満ちた雰囲気が戻り、ふたたび活気が出ると期待を寄せる。

*1 魚や肉のすり身を団子状にしたもの

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