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あの頃、わたしは速かった。

久しぶりに京王線に乗った日。
食事のタイミングが微妙になっちゃったこともあり…少し前から湧いていた「やっすいカレー食べたい欲」を満たしてしまった。

「カレーショップC&C」ていうのは、京王グループの飲食店で、京王線新宿駅の改札前に本店があるんですよ。

わたしは学生時代、秋葉原店でアルバイトしてまして。いま思えば、秋葉原店はココイチの真向かいという喧嘩上等な場所に出店してたもんだけど、まさかの今もご健在なんですね。

サクッと食べて帰ればいいのに、新宿本店は立ち食いなもので、わざわざ永田町のエキナカまで行ってしまった(ダイエット中なのに!)。

C&Cのカレーは、通勤の合間の立ち食い蕎麦的な、提供するのも食べるのも電光石火の、ファストフードどころかモーメントフード。ものの30秒で出てきましたよ。辛口の温野菜カレー、コロッケトッピング。

一口食べたらさ。
秒で、いや瞬で、口の中が15年前に戻った。
3年半、まかないで週3は食べ続けた味です。もはや、実家のカレーより馴染みがある(確か学生当時、まかない食べ過ぎたせいで家ではカレーを食べなかった)!

味だけじゃない。秋葉原で過ごした、油っぽく黄色い記憶。

毎日夕方に来て「肉多めね!」とオーダーしてくる常連、交換が面倒な福神漬と辣韮のケース、1杯150ccのレードル。

バイトから正社員になった素行不良の店長、やたら声のいいミュージカル志望のバイトリーダー、定時ちょうどにタイムカードを押すことに命かけてる留学生。

すぐに汚れるタイルの床、何でもきれいにしてくれる洗浄機、たばこ臭い休憩室。ピーク時にやってきてはKY呼ばわりされる納入業者のおっちゃん(今考えれば向こうも仕事だ)。

近くのコンビニでバイトしてる親友が仕事終わりにやって来て、そのままうちに泊まりにきたこと。どういうわけか、その子とうちの店の先輩が付き合ったこと。その先輩が最終的にお店の金を持ち逃げしたこと(!)。

改装前の秋葉原駅で、トッピング券を配りまくったこと。これ以上ないってくらいダサすぎる制服。それが気に入らないって辞めた同い年の女の子。帰宅しても髪に残るカレー臭。あの頃わたしは、カツカレーを15秒で提供していた。

そんなこんなが一気に思い出されて、なんだか泣きそうになってしまった。

エモい!エモすぎるよ!!!

相変わらずチープな、でもわたしにとっては間違いなく青春の味。よくテレビでやってる「芸人の下積み飯」ってこんな感じかな。

しょっちゅう食べたいとは思わないけど、たまに食べると脳の刺激に良いのかも。たまにね。

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