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vol.19生放送の情報番組

ナレーターよのひかり

ナレーターにとってヒリヒリするほどアクティヴな現場!それがッ!

「情報ワイドショー」!

すべてをかき回しては去っていく特ダネ!裏取りの緊張感!特オチの恐怖!テレビの前に陣取るのは……史上最強の視聴者「おくさま」!

取材される側にも、煙たがるもの、あえて利用するもの!

政治家、企業の謝罪、新型疫病、天変地異、スポーツ悲喜こもごも、芸能人のアピール活動!

いけしゃあしゃあとオンエア時間を見計らってのリークも連発、深慮遠謀が咲き乱れる!

作り手側も、それら思惑に乗ったり乗せられたり、視聴者を走らせたり怒られたり、とにもかくにも極まるエッジ感!

鬼に逢っては鬼を斬り、仏に逢っては仏を斬る、情報の修羅道を突っ走る世界!

そして!そんな混沌の世に、4月から舞い降りた女性ナレーターがいる!フジテレビお昼の情報ライブ帯番組「直撃LIVE グッディ!」

レギュラーナレーター「よのひかり」だ!

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よのさんは、これまでにゴールデン&深夜バラエティ。年末の大型6時間ドキュメント特番など、さまざまな現場を経験されてきたと思うのですが…そのよのさんからみて、情報の生番組はどんな現場ですか?

よの「大きい違いはやっぱり”生読み”になったことですね。普通のバラエティやドキュメントの現場では、原稿は一度スタッフが声に出して”だいたいこれぐらいの尺かな”と計りながら作られた文章を読むんです。いまの番組では、ほとんど全部を生で読んでいます。ラップタイムはだいたいぎりぎり。それらを「読みながら調整」する感じです。その上に、大きな事件や事故があった時は、現場がものすごい緊張感で包まれます」

よくあることなんでしょうか?またどういう状況だったのですか?

よの「最近で記憶に新しいのは…火山の噴火ですね。……その日は放送予定だったネタが、すべて飛びました。原稿の最終稿があがってきたのがOAの数分前。弾丸のように走り込んできたADさんから渡される原稿は、修正がたくさん入って、どこが変更になったのかわからない混乱状態だったりします。一人一人がギリギリの中で真剣に働いていますから、あちこちで指示が錯綜し、ドラマのように怒号が飛び交ってます。
よの「本番がはじまってからも、情報が飛び交っている状況で、担当ディレクターも、事実確認や指示で席を離れていて…急に差し込まれた原稿も『これ、誰が読むの??私の担当…?!』となるくらい。時にはまだ原稿のすべてができあがってない状態で読みはじめ、読んでる間に最後のページが入ってくることも…!」

そ、それは怖ろしいですね。頭が真っ白になりそうです。

よの「そうなんです。とくにナレーターは録音ブースに入ってしまうと外界との接触はなくなりますから。片耳にしているインカム(スタッフが使う相互通信式構内電話のこと)だけが頼りです。
インカムからきこえるスタッフ同士の怒号は”まさに生放送!”のライブ感なんです。」

生放送の緊迫感が伝わってきます。そんななかでのMAは、どんな心のスタンスなんですか?

よの「一番怖いのは、混乱した状態での、ひとりぼっちなんです。砂嵐の中に取り残されたみたいな感覚におちいります。怒号の中から、砂漠のオアシスのようにきこえるのがTKさん(タイムキーパー、生番組の時間管理をする重要役職)の声。この日もTKさんに従って読んだ……かどうかも忘れてしまうぐらい、私は私でてんてこ舞いでした。」
よの「しかもTKさんにも、ラップの入った原稿が渡っていないこともあったりするんです!そういうときは、一か八かで、読んでみるしかありません…。原稿と絵とを見比べながらとっさの判断で、読んでいくんです。読み手にとっての大きな試練ですね」

生放送でのやりがいは、どんなところにあるのでしょう?

よの「災害現場の状況をいちはやく整理し、世間に伝える。それが情報ライブ番組の使命でもあり誇りでもあります。でも緊迫した状況の生放送では、スタッフの手が足りないことも。ここでこそ、私たちナレーターの力量と存在意義が問われるように思っています。」
よの「スタッフたちの思い。その結晶が原稿になっているのです。”少しでもフレッシュな情報を届けたい”という熱意。番組の思いと熱意を伝える。私はリレーの最後のバトンを渡された気持ちで読んでいます。」

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最後のランナーとしての、ナレーターのプライド

次々とやってくる情報の嵐に自ら飛び込み発信していく情報番組スタッフの勇姿は、まるでハリケーンハンターであった!

そしてハンターたちの汗と涙と努力の結晶をバトンとして渡されるナレーターのエッジの決断!

彼ら彼女らの戦いが、日本のお昼を熱くしている!

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