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#6 NBA選手になりたくて習字を始めた。


お久しぶりです。井上諒汰です。
シーズン前の2022年9月21日に佐賀大附属小で『夢を叶えるために』というテーマでお話をさせていただく機会がありました。6年生の約100名に45分ほどお話しする時間を頂きました。その内容と今シーズン『B1昇格』という夢を叶えたい僕の、前半戦が終わった今の心境を書きたいと思います。


Q.井上選手の子供時代を教えてください。周りから見てどんな子供でしたか?

まず性格は明るいお調子者でした。人を喜ばせるのが好きでカメラを向けられると変顔をしたりふざけた動きをしたりひょうきんな子でした。その一方で人見知り的な部分もあり、地域の子供会の集まりや違う学校の子と交流する場面では明るい部分は出せず、とても苦手だった思い出があります。全ての部分が今の自分と何ら変わっていない気がします。笑

まるで成長していない!

Q.子供の頃の夢は何でしたか?

幼稚園生だった僕の人生最初の夢はごみ収集車のおじさん でした。理由はごみを次々と収集車に投げ込み、次の場所へ走り、またごみを投げ込んでは車に乗り込む姿がかっこよかったからです。その次の夢はGTレーサー(車のレーサー)です。理由は日曜夕方に『激走!GT』というテレビ番組がやっておりそれを何の気なしに見ているとどんどんのめり込んでしまい、いつの日か将来の夢になりました。その頃は自転車に乗るといつも車のエンジン音とギアの変わる音を口で言っていました。笑(ブーーン、ブ、ブーーーーン)
この当時夢というテーマで書いた作文には、GTレーサーとして優勝しトロフィーを獲得したりテレビで活躍したりして有名になって両親に恩返ししたいと書いてありました。夢はこの後変わりますが、根底にある原動力はこの頃も今も同じです。

Q.プロバスケットボール選手を目指したきっかけは?

小学1年生になりミニバスを始めてからです。野球がしたかった時期もありましたが、高学年になるにつれバスケットボールの虜になりました。兄が録画したNBAの試合やマイケルジョーダンのビデオを見漁りました。そして外に出てその真似をしながら日が暮れるまで練習しました。ミニバスもなく雨で外のバスケもできない日はPlayStationのNBALIVEというゲームで自分を作ってめちゃくちゃ点を取ってバスケができないストレスをぶつけるほどバスケ漬けの毎日で、気づけば将来の夢はプロバスケットボール選手でした。

レブロン憧れの坊主とジョーダンを意識したノールックパスを出す生意気な諒汰

Q.プロバスケットボール選手になるために心掛けたことは?

プロバスケットボール選手になる、その中でもNBA選手になりたかった僕は夢を叶えた後のことをイメージして行動していたように感じます。NBA選手になるとアメリカに行くことになるから英語を喋れるようになろうと、小学5年生から英会話を始めました。(終わった後のおやつが楽しみでした。1番好きだったのはたべっ子どうぶつ)また、習字でサイン書いたら外国人が喜ぶと思って習字も習い始めました。(どーゆー発想やねん!笑)もちろん毎日NBA選手と対戦するイメージやビデオで観たNBA選手の真似をしながら毎日練習しました。
結局自分は日本でプロバスケットボール選手になりましたが、英語も習字も無駄だったかと言うとそうではありません。今のチームにはアメリカ人、キューバ人、カナダ人の仲間がいます。その仲間とコミュニケーションを取る方法は英語です。
習字はどうかと言うと、僕の職業に必要不可欠ではありませんが、ファンの方へメッセージを書く時など必ず字が綺麗だと褒めていただき、自分の魅力の一つになっていると感じます。流石にサインは習字で書いていませんが。笑

少し話が逸れてしまいましたが、まとめると
自分がなりたいものに必要なものを考えて今できることに挑戦する。ということを無意識のうちに心掛けていたのかなと思います。

family

Q.最後に、これから夢を叶えようとしている子供達へメッセージはありますか?

今なりたいもの、夢がある子たちへは自分がなりたいものがどんなものかをより明確にイメージして欲しいです。僕は夢を叶えた人として今日呼ばれましたが、少し違和感を感じました。何故なら僕はまだ夢を叶えていないからです。『プロバスケットボール選手になりたい。』という夢が叶っているように見えますが、その本当の意味はB1の選手として毎試合活躍し、TVなどメディアにもたくさん出演してここにいるみんなが当然のように名前を知っているほど有名な選手になるということです。ただプロバスケットボール選手という職業に就きたかったのではなくて、プロバスケットボール選手という職業に就き、あの頃僕が熱中したNBA選手のように子供に夢を与え、影響力を持った人になることが本当の意味での夢なんだと思います。
例えば、『YouTuberになりたい。』と思っている人がいるとしたら、それはどんな内容をやる人で(ゲーム実況?美容系?テレビのような企画をやる人?)何万人の登録者がいるのか、1人でやるのかグループなのか、YouTuberとして成功した先でどんなことがしたいのか(デカい家?高級車?自分のブランドを作る?アイドルと結婚?)そうなった自分を常にイメージして欲しいです。そうすることで今すべきことがわかり、夢との距離がグッと近づくと思います。

今はまだなりたいものや夢がない子たちへは大丈夫だよと伝えたいです。今やっていて楽しいこと好きなことを全力で楽しんでください。僕は小さい頃からお母さんが大好きでした。ずっとくっついていたくてお母さんが料理している時もずーっとそばにくっついて見ていました。それがいつしかお手伝いするようになり、料理が好きになっていきました。今僕が密かに抱いている、プロバスケットボール選手を辞めた後の夢はカフェをすることです。これは極端な例かも知れませんが、ただ好きなことをその時々で楽しんでいればきっとやりたいことが見つかると思います。

最後にもう一つ伝えたいことがあります。それは一呼吸置いてプラスだと思う方を選んでいく事です。これは難しい選択ではなく、日常にある小さな選択の時ですトイレのサンダルが散乱している時に直すか、そのままにするか。家族がご飯を作ってくれた時に『ありがとう、美味しい』というのか、黙って食べるのか、美味しいのに『いらねぇ、まずい』というのか。どれが1番良さそうかきっとわかるはずです。みんなは思春期に入って、反抗期が来たり大人になるに連れてそれをするのがとても難しくなると思います。それは仕方がない事だし自然な事だと思いますが、頭の片隅に置いていてほしいです。

感謝すること、素直な心を持つこと、夢を叶えたイメージをすること。これが今僕の思う夢を叶えるコツであり、皆さんに大切にして欲しいことです。

皆さんの将来が幸せなものであることを願っています。ご清聴ありがとうございました。

最初は楽器だらけのステージ上で話す予定でした笑
歌いたくなりそうだったので変えていただきました😂



2022-23season前半戦を終えた今

僕の今シーズンの目標は『B1昇格』である。その本当の意味は、自分にとってキャリア最高の成績でチームに貢献して『B1昇格』を達成すること。満員のSAGAアリーナでファンの皆さんとその喜びを分かち合うこと。そしてB1昇格を決めた後も、B1で闘う戦力としてチームに必要とされること。

チームは現在30試合を終えて24勝6敗で西地区首位。15連勝というチーム記録も作った。しかし連勝記録や今の順位は目標を達成しなければ何の意味も持たない。後半戦も一つひとつの試合で覚悟持って勝利をもぎ取ること。チームの勝利に貢献するために自分自身を成長させること。
ファンやスポンサーの方々への感謝を込めて後半戦も頑張るのみ。

長くなりましたが読んでいただきありがとうございました。

さ、今夜もSAGAアリーナでスリー決めまくってB1昇格するイメージして寝ます。おやすみなさい。

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