大きなケーキの話(モノガタリ。キンガのカケラ)
「ふん・ふん・ふ〜ん、いのししのフン、ふんだー。
お母さんいのししが〜、8匹のウリ坊(いのししのこども)を
連れていたから〜、
大きなフンと、ちっちゃなフンを、合計9回、ふんだよ〜」
今日も陽気なペコルくん、
ごきげん
げんきで
鼻歌まじりに
おさんぽっぽ
(注:ペコルくんは、きゃわゆい中年のおっさん。ヒゲづらですがw)
さて
今日も
たのしく
おさんぽして
公園の横を
歩いていたところ
公園の中に
ランドセルをしょって
つまらなそうに
下を向いて
小石を蹴ってる
元気がなさそうな女の子がいました。
それを見かけた
ペコルくん。
そーっと、、、
その場を立ち去ろうとしました(笑)
最近の
現代社会の
世知辛い
この世の中
まあ
色々と考えると
ちょっとね、
関わるの、やめとこっかなって感じだったからです。
抜き足
差し足
忍び足
そーっと
立ち去っていると
「ザッ!!!」
なんだか
こちらの背中側に向けて
小石たちが蹴っ飛ばされた、
ような、、、、
ちょっと
ワイルドな音
「う」
そろそろと
ペコルくんが
振り返ってみると
女の子が
アゴを突き出して
(正面に突き出し上に向けた)
手のひらを
下から上に掬い上げるように
2〜3回、おいでおいで風に動かしてます
ペコルくん
いちおう
周りを振り返ってみたところ、
やっぱり、
ペコルくんしかいませんでした。
「(ボクですか?!)」
ペコルくんが
無言で
人差し指で
自分を指差してみたら
女の子が
無言返しで
「(うんうん)」とうなづいてます。
その目には雷(いかづち)のような炎が、、
「う」
そそくさ
ペコルくんは
近づいていき
おおげさにいいました
「や〜〜、ちょっとーー、、
ぜんぜん気づきませんでした〜
けど〜〜
どうかされましたか?!」
「明らかに気づいとったやろ!!
ほったらかして、
そーっとどっか行こうとしよったやろ!!」
「いえいえ!
そんなそんな〜
何をおっしゃいマスカット
ちょうどね
なんか、お話きかせてもらいたいなーって
思ってたところだったんですよ〜!」
「ホンマカイヤ!」
と大きな声を出したあと
女の子は
シュンと、
また元気のない様子になりました。
「お〜、、
どうされたですか?」
「んー、、」
女の子は下を向いたまま無言です。
そこで
ペコルくんは
心の中で
「ん〜」と
さんざんためらったあと
思いきって
おさんぽ用の
たのしみにしてた
おやつの焼き芋を
パキッと割って
女の子に差し出しました。
清水の舞台から飛び降りる覚悟で
差し出しました。
「コレ〜、あげる」
女の子は焼き芋を手に取り
「じーっ」と見て
少しずつ食べて、
「まあまあかな、モンブランケーキの方が美味しいけど、、」
ペコルくんは
内心
「ちくちょー!!そうなの〜!!
なら、あげなくても良かったっぽくなーい」
と思いつつ
ペコルくんは
しばし黙ってしまいました。
ペコルくんは
自分自身が
自分の内側を舞っているコトバ
自分の中の宇宙を舞っているコトバ、
そんなコトバを上手まとめるのに
ちょっと時間がかかるタイプでした。
もしかしたら
今
女の子は、
そんな感じかもしれない、、
と
その時は
そんなふうに思ったワケではなくて
ただ
「焼き芋ってホントおいしいな〜!!」と
静かに感動しながら
自分の焼き芋を
夢中になってパクパク食べていたからでした。
それで
自然に
ちょっと
女の子を
ほったらかしにしてしまっていたのでした。
そんな風に
焼き芋を食べながら
2人ならんで座って
少し静かにしていたら
女の子が
ポツリポツリと話をし始めました
「実はね、、、
今日ね、学校でね
お友達が、困っているみたいだったからね
ワタシがね
『こうしたらいいよ!』とか『あんなふうにしたらいいよ』とか
いっぱい言ってたら
お友達がね
プイってなっちゃって
どっか行っちゃったの、、
それで、、
元気がなくなっちゃの」
話の中身は
よくは分からないけど
どうやら
女の子は
今日学校でつらいことがあって
一生懸命話をしてくれたようでした。
ペコルくんは
焼き芋を食べるのを止めて
聞き
そして
言いました。
「そうかー、そうだったんだ〜、、
それでー、
元気がなくなっちゃんだね、、
お話してくれて、、
ありがとね!」
「(うん)」
女の子は静かにうなづきました。
ペコルくんは
言いました
「でもね、でもね、きっと大丈夫だからね、心配しないでいいんだよー」
「そうなの?」
「そうだよ、ホントに大丈夫なんだ!ぜったいだよ!」
「世の中には絶対はないって先生は言ってたよ、」
「そう!そのとおり!いいこと言うね!世の中には絶対はないんだ!でも大丈夫はぜったいだから、大丈夫は大丈夫なんだよ!」
ペコルくんは、微笑みながら、そーっと、でも力強く、言いました。
「ボクはね、いろんなところをおさんぽしてね、いーっぱい大丈夫を見てきたからね、だから間違いないよ!」
「そうなの?」
「そうさ!」
ペコルくんは、
息を大きく吸い込みました。
そこには
これからも
これまでも
だから、今も
最初から大丈夫しかありません。
だから
ペコルくんの目には
大丈夫しか映ってないのでした。
「でも、嫌われちゃったかも、、」
「ん〜、そだね〜」
ほんとは、これ以上、もう何も伝えなくてもいいかなと思いつつ
だからペコルくんは、お詫びしながら聞いてみることにしました。
「ん〜、ごめんね、それなら、ボクが思ったことをちょっと言ってもいいかい?」
と女の子に尋ねたら
女の子がうなづいたので話してみることにしました。
「実はね、そういうことはね、とってもよくあることなんだ。
ボクもホントにいっぱいそんな風なことがあったんだ、
大きくなっても、今も、そんなことをよくしちゃうんだ!
それにね、
『あー、よくないな〜、失敗したな〜』なんて思ったり、
分かってても、また同じ失敗をやっちゃったりするんだ!
しかも、他の大人の人も、みんな、よくやっちゃったりすることなんだよ!」
「え?!そうなの?!」
「そうさ!そうさ!」
「先生とか大人の人はしないかと思ってた」
「ボクもね、小さい時は、そう思ってたよ!
でもね、全然、そんなこと、なかったんだよ!」
「そうなんだ〜」
「そうだよ」
「よかった〜」
「それにね、キミはね、とってもステキなことをしたんだよ。
お友達さんを思って、いろいろとアドバイスをしてあげたんだから。
お友達さんを思ってしてあげた、それがとっても大切で、それはステキなことなんだよ」
「んー、でも〜」
女の子は、まだモヤモヤしてる様子
そこでペコルくんは言いました
「ごめんね、ボクは、こう思うんだよ。たとえばね、、、そう」
ペコルくんは両手をいっぱいに広げました。
「こーんなくらいのね、モンブランケーキ。
こーんなくらい、おっきーな、おっきーなモンブランケーキがあるとするだろ?
それはね、とーっても、とーっても、美味しいケーキだよ。
キミの思いこそ、こんなケーキさ
キミの思いが、美味しくつくるのさ
だから、とってもとっても美味しいケーキさ
キミのお話は、そんな美味しいケーキだったとするだろ
でもさ
お友達さんは
普段だったら、ぜったい、そんな美味しいケーキ食べたいはずだよ
でも、
たまたま、その時
キミのケーキが大きすぎて口に入るサイズだったかもしれない
もしかしたら、ケーキが食べたい気分ではなかったのかもしれない
でもね、
キミは、大きくて美味しいケーキをつくって
お友達に食べさせてあげようとした、
それが大切なのさ
キミがまず友達を思い
自分のつくれる美味しいケーキをつくる
それが一番大切なことだからね
そすると
もしかしたら
たまたま
ケーキが大きすぎた、のかもしれない
パッとみて
大きすぎて
ケーキって分からなかっただけかもしれない
となると
それは
ただキミの思いが大きすぎただけ
相手の口の何倍も、、
ただそれだけかもしれない
そうなると
味の問題でもないさ
そんなだったら
「これ、ケーキなんだけど〜」って言って
ちょっとずつ食べやすく切って渡してあげたら
お友達さんは食べてくれたかもしれない
もしかしたら
「今、ケーキたべれそう?」って
聞いてみたら
ケーキが食べれたか分かったかもしれない
どんなに美味しいケーキでも
お腹いっぱいだったりしたら
美味しく食べれないかもしれない、しね
だからね
いいんだよ!
キミがしてあげたことは
「お友達さんを思って大きな美味しいモンブランケーキをつくってあげて、たべさせてあげようとした」ってことで、
それが、もっとも大切なことなんだから
そういうのはね
きっとちゃんと届くものだからね
いつかお友達さんは
お腹がすいてモンブランケーキを食べたくなった時に
キミのモンブランケーキを食べるさ
そして、ちゃんとわかるようになってるのさ、全部のことを、ね
ほらね、
だからね、
やっぱり、大丈夫なんだよ!」
女の子は
キョトンと
わかったような分からないような顔をして
でも
なんだか元気になってきた様子
「なんか〜、、よくわかんないけど!!!」
と笑いました
「だね〜!!なんか、話してて、ボクも何話してんだか、よく分からなくなっちゃったよ〜!!
そう、たぶんね
それはね、
今はね
わかんなくても
ぜんぜんいいんだ
そんなの
ほっておけばいいんだ
そのうち
ちゃんと
自然にわかるようになってくる時が
きっとかならず
くるんだから。
そう
ほっとけばいいんだ
心配しなくていい
大丈夫なんだよ
ところで〜、、
んーーと、
モ、、モンブリンケーキ??
モンブリンケーキって何?
それ、美味しいの??」
「モンブラン!ケーキだよ!え?知らないの?」
「エヘヘ、モ、、モンブラン?? ケーキ?? 見たことないんだ〜」
アタマをカキカキしながら、
ペコルくんはこたえました。
「う〜ん、お芋でできてね〜、あ!おじさんのサンダルの裏みたいな黄色い色してるんだよ、じゃあねー!」
女の子は、元気に走って帰っていきました。
「え?!!」
ペコルくんは、びっくりしながら
自分のサンダルの裏を眺めながら
つぶやきました。
「お芋でできるけど?? そりゃー、美味しいだろうけど、、 いのししさんのフンみたいな?? どんなもの?、、それって、、美味しいの??」
ペコルくんは
首を傾げながら
またおさんぽを続けていきました
fin
【おまけ、お詫び】
前回「ジャーナリング瞑想手帳術」の具体例を書くと予告していたにも関わらず、
なぜか物語を書いてしまいました。
すいません、
また別の機会に書きます。
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