BASE

社会人になって簿記の勉強、要点整理のスキル磨き、ロジシン向上のために企業分析をはじめてみます。
三日坊主を直したいので、できるだけ(週に一回の発信が目標)習慣的に発信していきたいです。
一回ごとの基本的な構成としては①事業概要②財務分析③ビジネスモデル分析をフォーマットとしていく予定です。
なお、分析には間違いもあるかもしれませんがあしからず。
指摘などあればコメントにお願いいたします。
では、はじめていきます。

今回は、先日カンブリア宮殿で取り上げられて話題になったBASE株式会社を分析してみました。
BASE株式会社の展開する「BASE」は、誰でも簡単にネットショップを開設できるネットショップ作成サービスです。
メアド、パスワード、URLの3つを登録するだけで開設できるシンプルさが売りで、現在急激に出店数を伸ばしています。
では、BASEはどのようにして顧客に対して価値を届けているのでしょうか。
まずは財務的な特徴からみていきます。
なお、本分析についてはBASEの有価証券報告書第9期を参考資料としました。

BASEの財務的特徴は主に2つあることがわかりました。

①流動比率が高い

流動比率は186%と高く、短期的な安定性は高いことがうかがえます。また、流動資産の中でも現金預金の割合が高く、キャッシュ切れが起こりにくいことも分かりました。
流動比率:31433(百万)÷16823(百万)×100≒186%


②売り上げに対する販管費・販管費に占める広告宣伝費の割合が高い

売り上げに対して販管費の割合が高く、その中でも広告宣伝費に多額の金額を投資していることがわかりました。
売上高販管費率:6601(百万)÷9931(百万)×100≒66.5%
販管費のうち広告宣伝費が占める割合:2557(百万)÷3877×100≒66.3%

このように、BASEには以上の二つの財務的な特徴があることが分かりました。
では次に、このような財務的特徴が出る理由を、ビジネスモデルの視点から明らかにしたいと思います。
BASEの2点の財務的特徴は、BASEのビジネスモデルにおける以下の2つの特徴を反映していると分析しました。

  1. 取引発生に基づく手数料収入をエスクロー決済で得ていること

    • BASEの収益源は、オーナーと購入者が取引するごとに発生する手数料収入で、BASEが取引を仲介するエスクロー決済を導入しています。そしてこの特徴は、BASE、オーナー、購入者の3者すべてに対してメリットがあるのです。

    • まずオーナーは売り上げが上がるまでBASEに支払いを行う必要がないため、手軽に安心して始めることができます。購入者はエスクロー決済によって決済の信頼性が担保されているため、安心して取引できるようになっています。また、エスクロー決済では購入者がオーナーに支払った代金をBASEが一旦預かり、オーナーが随時引き出す形式となっています。そのため、自社内に現金や預かり金がたまりやすく、BASEはキャッシュ切れを起こすことなく流動比率を高く保つことができるのです。

  2. ネットワーク外部性の働くサービスであること

    • BASEは、サービスを利用するオーナーや購入者が集まれば集まるほど、そのサービス自体の価値も高まっていくという、ネットワーク外部性の働くビジネスです。

    • オーナーが増えればネットショップの種類が増加して多様な商品が買えるようになり、購入者が増えるとオーナーへの収入が増え、BASEもそれを元手にさらなるサービス改善を行うことができます。

    • 実際BASE株式会社は中核となるBASE以外のサービスを展開していますが、それらのサービスはオーナーや購入者に対して別の角度から価値提供を行い、さらなる両者の増加を狙うものです。

    • このように、BASEはオーナーや購入者の増加が価値に直結するサービスであるため、広告宣伝費を高くかけて両者の数の増加を図る財務的特徴が現れるのです。

以上の分析をまとめると、BASEはネットショップの開設・運営を支援し、エスクロー決済による手数料収入やネットワーク外部性の活用によって顧客と価値を共創するビジネスモデルであると言えるでしょう。

分析を通じて、財務とビジネスモデルは表裏一体の関係にあるということを改めて思い知りました。また、BASEは近年の「個人の力の強まり」という潮流をまさに反映させたようなビジネスなのだと分かり、時代の流れをつかむことがビジネスを立ち上げる上で重要な要素の一つなのだということを分析を通じてうかがい知ることができました。
というわけで、今回はBASEを分析してみました。また来週。


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