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『デンマークの息子』日本にネオナチのような団体が生まれるだろうか(環境研究)

 デンマークというと、農業輸出国(食料自給率300%)、石油自給率(100%)、風力発電が電力供給の2割を占め、デンマーク人による単一民族国家であり、国民の教育水準が高く、高齢福祉や児童福祉も充実し、国民の所得格差が世界で最も小さい国だ。さらに、「教育指数」が世界1位、「男女平等度指数」が世界2位、「民主主義指数」が世界3位、一人当たりGDP(2015年)が52,138ドル(日本は32,478ドル)で、基本的人権、自由・平等、民主主義などの世界の普遍的価値が最も完備されている国と言われている。

 この映画は、デンマークに移民したイラク移民を父母にもつウラー・サリム監督の作品で、移民を排除したいネオナチ団体「デンマークの息子」が支持する極右政党の党首と、迫害されるムスリム移民との2025年を想定したフィクションだ。お互いが排除しようとする訳だが、党首の1回目の暗殺は同じムスリムの内部通報者により回避できた。次にはネオナチ集団が内部通報者の妻に酸をかけたり、息子を射殺されたことで、内部通報者により党首が殺害され、映画は幕を閉じる。

 デンマークは移民に対し保守的な国で、難民として受け入れを認めなかった外国人らを収容する施設を、無人島に建設することを決定し、フェリーでの行き来しか許さず、そのフェリーの名前は「ウイルス」と呼ばれている。

 単一民族で国民の教育水準が高く、というと日本を思い浮かべるが、日本で移民が増えたときに、どうなるだろう。自民党より極右政党は生まれるだろうか、ネオナチは生まれないだろうが、移民排除を訴える過激な団体は生まれるのだろうか、この映画はフィクションではあるが、仏教を日本化し、西洋を日本化(日本の西洋化でなく)してきたように、外部の文化を吸収し成長してきた日本の未来はどうなるのだろう。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。