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『ドリーム』多文化共生社会はひとりひとりが作るもの(環境研究)

 NASAに勤める黒人女性3人が、白人だけ(White man only)の世界で認められていくプロセスを描いた実話。

 まず最初に、NASAで働くユダヤ人男性が黒人女性を励ますシーンから印象的だが、一番印象に残ったのはプロジェクトの責任者が、白人専用のトイレの看板をぶち壊すシーン。(遠い別のビルまで行かないと黒人専用トイレがなかった)
 また、パンチカードでIBM7090が動くシーンでは、FORTRANパンチカードは「エラー」が印字された経験しかない私にとり、プログラミングの才能がないことを自覚した過去への懐かしさがこみ上げてくる。

 NASAの多文化共生は、政治が作ったのではなく、3人の黒人女性が切り開いたものであることが映画を通じて描かれている。特にIBM7090の計算にミスがあるのではないかと、最後に計算係の黒人女性が手作業で検算するシーンは、オフコンが中小企業に導入された当初、算盤を使える人が担当者になっていったのと似ている。つまり、コンピュータの計算はデータ入力のミスやFORTRANでいうと数値型なので宣言ミスなど、結果を100%信頼すべきではない、という姿勢からのものだろう。

 いずれにしても、多文化共生社会を作り上げるのはひとりひとりの生きたプロセスであって、与えられるものではない、というメッセージが強く印象に残る。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。