『その幸運は偶然ではないんです!』ハプンスタンス・アプローチ/計画的偶発性理論
「自分のキャリアは自分自身で意図的に職歴を積み上げて形成するもの」というキャリア論は限界がある。「自分の興味、適性、能力、周囲の環境などを合理的に分析すれば、目指すべき最終ゴールやそこへ至るステップアップの道筋までが明確になる」はずと考えられてきた。しかし、実際にはそうしたアプローチが必ずしも有効とは限らない。
私自身も『逆さ人生』で示したように、10年ごとにまったく違う仕事に変化せざるを得なく、キャリアが思ったように進むことはなかった。本書では、自分の親、母国、人種、出生地などですら自分で選ぶことができない。キャリアも、大学での専攻分野、職業、会社、同僚、上司など、自分で同僚や上司を選ぶことができた人はほとんどいないという。
人生において、偶然の出来事との遭遇は避けられない。しかし、行動次第で望ましい結果が起こる確率を高めることができる。本書は多くの実例をベースに次のような分類でそれを解き明かす。
選択肢はいつもオープンに
今後一切のキャリアの意思決定をせず、環境が変化している今、自分の将来を決めるより、積極的に模索しながらオープンマインドでいた方がいい。目を覚ませ!夢が確実になる前に
夢が計画通りに実現しなくとも、さらに自分にとってよいチャンスを探すにはどうしたらいいかを考えよう。結果が見えなくてもやってみる
リスクを取り、例え失敗したとしても、そこから得るものは大きい。失敗を恐れて何もしなければ、幸運が訪れることはない。どんどん間違えよう
何か新しいことを学ぶということは、必ず間違えることでもある。間違える恐怖から何もしないより、間違いから学ぶことこそ成功につながる。行動を起こして自分の運をつくりだす
過去の自分を引きずったり、現在の仕事にこだわることはない。チャンスを見つけるために積極的に行動を起こすことが自分の幸運をつくり出す。まず仕事に就いてそれからスキルを学ぶ
ジョブ・ディスクリプションスキルに示されたキャリアやスキルを気にすることはない。それらを学ぶ意欲があれば応募すべきだ。変化の激しい時代には学び続けることが最も重要だ。
要するにJ.D.クランボルツが言いたかったことは、積極的に行動してチャンスをつかみ、新しい経験を最大限に活かそうとすることで、満足するキャリア、人生を見つけることができる、ということだ。
Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。