『ある女優の不在』 男の運命はあれ次第(イスラーム)
イランの監督ジャファル・パナヒ氏の作品『3faces』。運転手が監督で主人公が助手席で運転しながら繰り広げられるドラマは、イラン大使館で観た『そして人生は続く』(アッバス・キアロスタミ監督)の手法に似ている。
イスラームの割礼は12歳(ユダヤ人は生まれて8日目)だと知っていたが、切り取られた包皮を埋める習慣がある地域があるのは知らなかった。例えば、テヘランの宮殿に敷地に埋めると将来宮殿で働くようになる、あるいは大学の敷地に埋めると医者が技術者になる、刑務所の敷地に埋めると犯罪者になるとのこと。
「包皮は神聖なるもので、男の運命はあれ次第」
というセリフには価値観の違い(ダイバーシティー)を感じた。
日本人でユダヤ教徒になった知人も、包皮は冷蔵庫に間違えて料理に入れないようにして保存してあると言っていたが、この映画では塩漬けにして保存していた。
確かに、イエス・キリストの弟であるヤコブはペテロを押しのけてエルサレム教団のリーダーとなり、パウロと対峙したが、結局揉め事は
「ユダヤ教の一部である原始キリスト教はメンバーシップの印として割礼が必要だというヤコブと、そんなものは必要ないというグローバル思考のパウロとの対立から分裂」
した訳ですから(2000年ほど前に)、
「たかが包皮、されど包皮で、男の運命はあれ次第」
なのでしょうかね。
Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。