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『国のために死ぬのはすばらしい?』「私たちがされたことが明らかになった今、私たちが何をしても、世界の誰一人として私たちを批判する権利はない」ゴルダ・メイア(世界の歴史、イスラエル)

 イスラエル人で、イスラエルに対し批判的な立場をとる左派の人たちがいるが、ほとんどのイスラエル人はイスラエルのことを悪くは言わない。同じように、私の知る日本にいるイスラエル人はほとんど、例えば、ガザへの報復についても正当性を主張する。しかし、本書の著者のダニ―・ネフセタイさんは違う。

 本書によりはじめて知ったことだが、1961年のアイヒマン裁判後に、当時の外務大臣のゴルダ・メイア氏(第5代女性首相)の発言、「私たちがされたことが明らかになった今、私たちが何をしても、世界の誰一人として私たちを批判する権利はない」が、その後のイスラエル人の認識を変えたという。ゴルダ・メイア氏というとミュンヘンオリンピック事件の報復として、絶対に泣き寝入りしないと決め、「オペレーション・ラス・オブ・ゴッド」、日本語で「神の怒り作戦」の発動を決意した首相で、暗殺すべきテロリスト指導部11名(ユダヤ人犠牲者と同数)をリストアップ、モサドによる作戦の遂行を承認した首相だ。
 そして現在に至っている訳だが、イスラエルの幼少時代からの教育や軍隊経験では、もともとパレスチナ人が住んでいたことすら知らない人がいるように、すべてイスラエルの行うことは正当化されている。

 ダニ―・ネフセタイ氏は、お父さんの影響もあり正義感が強く、イスラエルの悪い部分は批判することが健全だと。同年代ということもあるが、ラビン首相暗殺のときのイスラエルの状況などの記述もあり、こういうイスラエル人が日本の秩父にいるんだと、心強く感じた。

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