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『生命と非生命のあいだ 地球で「奇跡」は起きたのか』生命はスペクトラムとして存在している(世界の歴史)

 生命は簡単にできるものであり、宇宙には生命が満ち溢れているという考える生物学者と、生命の誕生は困難で地球以外に生命はほとんどいないと考える生命学者がいるという。

 フラスコ内で原始の海を再現した有名なミラーの実験は、地球上での生命の誕生を示唆したが、メタンやアンモニアを含む大気はありえないと否定されることに。

 しかし、惑星探査が進むことで、地球外に有機物が存在することがわかってきた。特にはやぶさ2によるリュウグウからのサンプルには種々のアミノ酸が含まれていたことは大きいい。小惑星からの隕石だけでなく、宇宙塵がアミノ酸の運び屋として機能したという。生命が誕生した40億くらい年前で、隕石が運び込んだ有機物は1年あたり数トン、宇宙塵が運び込んだ有機物は数十万トンにも及ぶと推定された。

 原始地球の大気はメタンやアンモニアではなく、二酸化炭素や窒素の可能性が高いことがわかってきた。アミノ酸は隕石や宇宙塵で輸入することでできたとすると、生命の起源は地球だけで起きたことではないということになる。

 生命と非生命を0と1で捉えるのではなく、スペクトラムとして連続的に存在しているという筆者の主張は共感できる。次の問題は、知的生命体が生まれる時間の経過と宇宙の歴史から他の宇宙での知的生命体の存在ということになるのだろうか。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。