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『善と悪の経済学』歴史を俯瞰しながら理解できる名著(世界の歴史)

 チェコの経済学者のセドラチェック氏の意見を一言で表すと、社会主義に資本主義をビルトインすることは難しいけど、資本主義が社会主義を取り入れ資本主義は進化することはできる、というものですが、中国は資本主義を取り入れて成功し、逆に資本主義のアメリカは社会主義を取り入れることが難しいというのが現実だと思います。

 資本主義の象徴であるアメリカが、国が税金をとり福祉に配布するのではなく(税金は外交と軍事などに使うべし)、財団などが寄付を集めて社会に必要なことを提供するビル・ゲイツ的なやり方から、今回の選挙でも明らかになったように社会主義的な要素を民主党の左派(象徴がAOC)が、従来のプロテスタント的資本主義にビルトインして行くやり方に徐々に変化しているのが現在のアメリカなのだと思います。さらに、資本主義に社会主義的な要素をすでにビルトインしている日本は完全に債務超過状態なので、このツケはZ世代以降に大きな問題になり、社会主義をビルトインした資本主義の行き着く先の悪い見本になりそうです。

 セドラチェックさんはチェコの人なので、共産主義国であったチェコが資本主義に変化する中で考えたことなのでしょうし、彼の奥さんが社会学者であることからも理想の社会構造を模索しているのだと思いますが、新しい資本主義の形が「公益資本主義」「ステークホルダー資本主義」として表出しており、「個人(ミレニアル、Z世代)」→「会社(ESG経営)」→「社会主義要素をビルトインした資本主義の社会システム」という順番で変化していくのではないか、と私は予測しています。

 そして、日本はその最先端(エッジ)で失敗した例として世界に貢献できる可能性が高いのではないでしょうか。(その限度を示すことで資本主義に貢献できる)

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。