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『日本人海外赴任者制度の限界と対策』(6−2)業界・他社・自社の歴史からの対策例

 『海外赴任者制度の限界と対策』と題したシリーズ6は応用編になる。日本経済はいわゆるグローバル企業に支えているが、グローバル展開を支えている海外赴任者制度に限界がきているため、糸川さんのCreative Oranized technologyでその対策(エンタープライズリスクマネジメント)を提示したのがこのシリーズになる。直接的に参考になるのはグローバル企業に限られるが、Creative Oranized technologyの適応例としてご参考いただければ幸いである。

 グローバルビジネスとは、トヨタ自動車やパナソニックやユニクロのように、日本から輸出したり海外に工場や拠点を作り、現地の労働力を雇い生産や販売を行なうビジネスを指す。日本の大企業のほとんどがグローバル企業だといってもいいだろう。

 1970年代のスタグフレーションを解決する手段として生まれた、マネージングパワーの輸出によるグローバルビジネス展開という手段は、すでに限界に達している。(6−1)日本人の海外赴任制度は『逆転の発想』からはじまった!で、この手段を過去のイナーシャで継続し続けることは経営上の重大なリスク要因以外の何者でもないことを指摘した。

 そこでここでは、(3−2)オルタナティブを生む垂直思考(3−3)オルタナティブを生む水平思考で解説した垂直思考・垂直思考を使い解決策(オルタナティブ)を探してみる。

 垂直思考とは時間軸を過去に遡ることを指す。俗に言う歴史に学ぶという方法論だ。ここでは歴史を、1)業界・他社・自社の歴史、2)技術の歴史、3)日本の歴史、4)世界の歴史の4つの視点で、糸川さんの垂直思考を実践する。まずは、1)業界・他社・自社の歴史からオルタナティブを探してみよう。


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