見出し画像

『組み合わせとオルタナティブ』(3−2)オルタナティブを生む垂直思考


UchuBiz連載より

 『糸川英夫のイノベーション』では、糸川さんの作成した「Creative Organized Technologyのフローチャート」だけでなく、次のような「オルタナティブを発見するチャート」も紹介している。

オルタナティブを発見するチャート

 糸川さんのイノベーションのHOWであるCreative Organized Technologyは、糸川さんのライフワークの集大成として『創造性組織工学講座』がテキストブックとして出版されているので、それを読むことでキャッチアップすることができる。

 しかし、より効果的に活用するためには、オルタナティブを発想する能力が必要になる。糸川さんは、あらゆる知識を駆使して非常にユニークなオルタナティブを発想することができた。そこで私は、組織工学研究会の事務局を行うなかで、糸川さんがどうやってオルタナティブを発想しているかを1枚の簡単なチャートにしてみた。このチャートを六本木の組織工学研究会のオフィスにFAXで送ったのは1991年のことだった。

 そのことはしばらく忘れていたが、1993年に出版された『創造性組織工学講座』を読んでみたら、なんと「オルタナティブを発見するチャート」としてP205に掲載されていたのである。私には何の相談もなかったので当惑したが、唯一、私が糸川さんから認められたものとも言える。

 ここには糸川さんのオルタナティブを生み出す水平思考と垂直思考という2つの思考軸が示されているので、これを機会に天才の思考法を分析し、自らに応用できるようにしてみよう。まずは垂直思考から考察する。


ここから先は

2,200字 / 3画像

スタンダードプラン

¥500 / 月
初月無料
このメンバーシップの詳細

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。