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『エデンの東』 不思議なオーラがあるジェームス・ディーン(世界の歴史)

 創世記にあるアダムとイブの息子「カインとアベル兄弟」(人類初の殺人)を題材にしたスタインベックの小説「エデンの東」を題材にした映画。ジェームズ・ディーンのデビュー作のようだが、彼の作品は観るのははじめて。彼は170cm前後の背丈で、欧米人としては小柄で、猫背なのに、演技からだけではなく内から湧き出る反抗心のオーラをまとっているので魅力的だ。

 創世記によると、アベルを殺したカインに対して、「いや、カインを殺すものは誰であれ、七倍の復習を受けるだろう。カインを見つけるものは誰であれ、彼を撃ち殺すことができないように、カインにしるしをつけた。カインは主を去り、エデンの東、ノドの地に住んだ」とあり、カインは死なないので、今も生きていると解釈する人もいる。(その後ノアの洪水で人類は全滅するので、それはない)

 しかし、誰が解釈したのか知らないが、カインにつけられた「しるし」は、肌が色黒になることだと解釈され、黒人を奴隷として扱っても良い、という差別の正当化に使われたこともあったようだが、ひどい話だ。

 創世記では、カインの貢物が農作物で、それを神が無視し、アベルの子羊を喜んだことから、カインの嫉妬心が沸き起こってきて、アベルを殺してしまうのだが、この映画では父親からの愛情を切望する息子の葛藤、反発、和解などを描いたものになっている。

 なぜ、旧約聖書が男兄弟の葛藤や嫉妬をアダムとイブのすぐ次に配置しているのかは分からないが、仮説として、出世における男の嫉妬はあらゆる組織で強烈で醜いものだということを、殺人という極端な失敗例で示しているのではないだろうか。

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