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『国家が破産する日』貿易依存でウォンが弱いことは致命的だ(世界の歴史)

 昨日観た1987年の民主化運動の10年後、1997年の韓国の通貨危機からIMF支援までの物語。現在の韓国は、学歴至上主義、大企業主義、公務員主義というイメージがあるが、この映画によると、IMFによる韓国救済がそれを加速させた可能性もある。

 韓国ウォンの通貨危機からトップ企業100社のうち20社が破綻する事態に陥った韓国は、自力解決でなくIMFの支援を要請する政治的な決断を行った。しかし、IMFは支援のプリネゴシエーション(交渉の前提条件)として、総合金融会社11社の営業停止を要求。韓国の総合金融会社とはノンバンクのことで、手形を扱っている金融機関のようだが、ほとんどの中小企業はここで資金調達を行っていたため、多くの企業が倒産してしまった。IMFにより、韓国は大企業優先の政策となり、現在に至っているが、IMF(=アメリカ)に無理やり市場開放され、外圧で構造改革の痛みを味わったということになる。(日米半導体交渉で漁夫の利を得たのは皮肉だが)

 そうやって考えるとギリシアとかイタリアはしたたかだ。ギリシアは国家が破綻しそうになったため、EUの要求する構造改革は行ったが、EUを道連れにする勢いから支援も引きずり出し延命。イタリアは国家が破綻しているのではないかというほどの状態にも関わらず、従業員15名以上の企業の税金を高くしてあるため、それ以下の中小零細企業が活き活きと活躍している。

 韓国は2006年にもリーマンショックの影響で通貨危機があったが、ウォンは弱い通貨で、なおかつ、IMF要求した規制緩和の影響もあり、すぐに資本が逃げ出してしまう。国のあり方には国民性が現れる。

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