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『ル・ボン「群衆心理」』 「急性アノミー」と「群集心理」の整理がついていない(人間学)

 NHKの『100 de 名著』を観ていたら、「アメリカ連邦議会議事堂襲撃事件」は群集心理によって起こった、という解説がされていた。しかし私は、トランプがアメリカの選挙制度という連邦国家の根幹にあたるシステムの信頼性を破壊(否定)したため、トランプ派という集団が急性アノミー(無規範状態)に陥り、急性アノミーを解消するための手段である暴力の連鎖に至った、という仮説を持っていた。つまり、自分の頭の中で、「アメリカ連邦議会議事堂襲撃事件」の原因を考察した場合、「群集心理」と「急性アノミー」の整理ができていないのである。

 おそらく、「急性アノミー」に至った集団の中の一部が、それを解消するために暴徒化し、他の群衆はそれに盲目的に従った、と解釈すると理解はできるのだが、本書にあるように、単純に捉えるのではなく、ル・ボンの著作も研究した上で、結論を導き出す必要があるのだろう。
 とりあえずは宿題にしておくことにした。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。