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『ブラック・クランズマン』アメリカの分断には必然性がある

 KKKの支部の潜入した白人刑事と声だけ潜入した黒人刑事の物語。ブラックパンサーの支部も描かれていることから、白人のKKKと比較して観ることができる。KKKは「America First」を合言葉に、ユダヤ人や黒人とWASPが分離した国を目指している。

 移民国であるアメリカの社会分断の構造は、プロテスタントであるがゆえに、ルーツとする国毎に教会ができ、エスニック・セグリゲーション化する定めにある。ヨーロッパのようにカトリックであれば、ローマ教皇を頂点としたヒエラルキーで束ねられるので、ひとつの地域で同じ教会に行く習慣があることから分断しにくいが、アメリカにはその構造はない。

 この映画が示している状況は、今後の日本でも十分起こりうる。なぜなら、外国人労働者の増加を抑制し、外国人参政権を認めないと明確に宣言する政党が出てきたからだ。それにより、排他的な極右団体を支持する層が集団化する可能性もある。エッジの事象として、高齢化により過疎化してしまった団地が、エスニック・セグリゲーション化し、従来の住民と対立するケースなど、すでに未来は現実化している。

 日本版KKKが起きるとしたらKKKがメイフラワー号をルーツとするように、自らをヤマト民族とか言い出すセグリゲーションは危ない。もともと我々は、縄文人が弥生人を受け入れ、混ざり合ってできた民族だということを忘れてはいけないと思う。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。