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『れいわ一揆』「今の日本=日本立場主義人民共和国」はわかりやすい(環境研究)

 2019年の選挙で政党になった「れいわ新選組」で立候補した東大教授 安富歩さ氏の選挙活動を中心にしたドキュメンタリー。もちろん監督は原一男氏だが、4時間の大作だ。安富歩氏は「選挙はメディアだ」という考えがあり、原監督に映画になるなら立候補すると自ら売り込んだもの。

 安冨歩氏の考えは、すべての動物は子孫を守るために生存しいているが、日本のこの社会システムは、「子供を守る」という人間としての生存原理と衝突している。システムに順応する子供をたくさん育てても仕方ない。そういう子供からは未来を切り拓く人材は生まれてこない。したがって、大人の役割は、社会のシステムに「裂け目」を作ることで、人が人として人間らしく生きることを可能にすることだ、と。

 れいわ新鮮組の他の候補の活動も撮影されているが、主人公は安富歩さんだ。彼の発言で、もっともわかりやすかったのは、日本国を以下のように表現していることだ。

「今の日本=日本立場主義人民共和国」

 したがって、自分の立場を守ってくれる政党に投票することになってしまう。立場にハマってしまうと思考を停止し、立場を守ることしか考えなくなっているのが、現在の日本だと主張する。そういう意味で、れいわ新選組が政党となったことは、システムに「裂け目」を作ったことになるのだろう。
 この映画は、ドキュメンタリーだからこその感動もあり、なかなか面白かった。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。