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い:浦島太郎になったオタクの話

あいうえお回顧録 い インターネット

もう今、私は軽く40歳を過ぎて久しいのですが、高校の頃からずっと学業や仕事、今となっては主婦との二足の草鞋を履きながら同人作家(二次創作作家)をしています。
お恥ずかしながら、どう足掻いても趣味の域を出ないレベル。

我ながらびっくりだけど、高校を卒業したあと一時的に離れていた7年間を除くと亀ペースではあるものの、ずっと何かしらを書き続けて来た事になるんです。
私は絵は本当にダメダメで、文字しか書けません。そんな私が高校生の頃はまだワープロが主流で、しかも一家に一台が当たり前の時代でもなかった。
幸い私は親が使用しているワープロを原稿作成に使わせてもらっていたけれど、ワープロが無い作家は手書きで原稿を作っていたのだとか。
そうなんです。当時はまだ、今となっては都市伝説のような手書き小説本が辛うじて存在していたらしいのです(私の年齢でも実際に見た事は有りません)
そんな時代に一度足を洗い、再び7年後に戻ってみると、同人作家の世界(と言うよりオタクの世界)は大きく様変わりしていました。
かつてマニアの人しか持てなかった高額なパソコンが比較的安価になって、一般の人が当たり前に使いこなし、調べ物に趣味に仕事にとフル活用する時代になっていました。
1番大きな違いは高校時代の同人誌の奥付には当たり前のように住所が載っていたものだけど、舞い戻った後の同人誌の奥付には住所の代わりにwebページのURLとメールアドレスなる物が載っている。
ふむ。昔のように本を作るには何は無くともパソコンが必要らしい。

パソコンを買ってメールアドレスを取り、webページを作り、小説を挙げて作家としての認知度を高め、いざ本を作って参加告知をしながらイベントに出ると言う流れが一般的のよう。

えーっと、ちょっと待ってね。
頭が追い付かない。

当時、私の勤め先ではイントラネットのパソコンは日々使用していたものの、インターネットのパソコンはかなり限られた人しか使っていませんでした。
そうなのです。私はネット時代に完全に乗り遅れたオタクになっていたのです。
それでも真面目な?会社員だった私は迷わず初めての愛機を手に入れました。
ううん、正確には私が用事があって出かけている休日の朝に、父が近所の家電量販店に限定台数の該当パソコンを手に入れるために並んでくれました。ありがとうお父さん。
そんなわけで最初の愛機は私の好みは関係なく父の好み(と言うか、そもそも何を基準に選べば良いのか何も分からなくて丸投げした)とある大手メーカーのノートパソコンになりました。
初期設定も今ほど簡単ではなく、ウンウン唸りながら初めて自分のノートパソコンのモニターでネットの世界に繋いだ時は軽く感動しました。もちろんオタクなのでオタクらしい内容のネットサーフィン。
仕事から帰ってはネットサーフィンに興じる日々を数日続けたのち、私はとうとう執筆活動の再始動に向けてエンジンを掛けます。
でもネットサーフィンだけしていても始まりません。だって私はwebページを作って同人活動をするためにパソコンを手に入れたのだから。
しかも私は無謀な事に、ホームページビルダーを使わずにhtmlを使ってwebページを作る事だけは決めていたのです。だってソフトが高いって聞いていたから。
もちろんhtmlの事なんてサッパリで、手元には「かんたんホームページ作成!!」と言うタイトルの、本屋さんで1番簡単そうに見えた参考書が有るだけ。けれど実際、この本は本当にとても簡単で見やすくて、この本の技術とシャレオツな画像を色々なフリーサイトから頂いて、割と体裁の整ったホームページを作る事が出来ていたのです(私個人の見解です)

やがて時代は更に移り、webページからpixivへ創作物の発表の場は移り、奥付にはURLに代わってpixivIDが記載されるようになりました。
私も時代の流れに乗ってpixivに移り、サイトは倉庫となりました。
何年かして、お世話になっていたホームページのサーバーのサービス自体が終了を迎えました。
10年ぐらいかな。ありがとうジオシティーズ。楽しかった。

発表の場はpixivに変えたけれど、今も懐かしく自分のwebサイトのTOPページを思い出せます。
あーでもないこーでもないと文字のサイズや画像に頭を悩ませ、フリーサイトを周って好みの画像を探し周り、その悩む手間さえ楽しめたっけ。
今はもうそんな手間を掛けたくても、pixivは初めから設定されているので悩む程の余地は有りません。表紙イラストぐらいでしょうか。

けれど、管理人さんのセンスが光ったwebデザイン。
管理人さんとのやり取りが楽しかった掲示板。
キリ番ゲットしたら申告してね!の文字。
古き良き時代の懐かしい思い出。

私と初めてのインターネット。

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