見出し画像

腐る建物を作りたいという願望

私が住む街には、次々とマンションが立っている。
頑丈で、数十年もつものだ。
めったに腐らない。

山奥に行くと、薄汚れ、蔦に覆われているような建物があったりする。
あんな建物は、自然に下手に抵抗せずに朽ちて、自然に戻ればいいのに、と思う。

そう、私は腐る建物を作りたい。
猿の惑星になったときになかなか人間が住んでいた手がかりが見つからないような。

腐る建物はきっと不便だ。床がみしみしいってきて、たまに壁が崩れ、水道なんかでなくなる。そろそろ負けるかな、と思ったら、その部分だけ取り替えなきゃいけない。

でも、住まなくなってもいいのだ。それって、自由。

これから、みんな自由になればいいと思っている。

テクノロジーがあるからさ、自分の好きなことして、好きなところに住んで暮らせるようになると思うんだ。

でも、人が住んだ場所がどんどん汚れていったら、次に住みたい人にも迷惑だし、地球は汚れるし、そしたらいいことないじゃない。

人が住んでも自然に戻り、また次の人も自分のすきなような建物を建てて住める。

そんな楽園をつくりたいな。

そのための建築を、つくりたいな。

建築の大学の授業をうけはじめたばっかりの、ぴよぴよの学生の、野望。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?