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《世紀の一戦》50年と40年

THE FIGHT OF THE CENTURY, 1971

 1971年、ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンでモハメド・アリとジョー・フレージャーが闘った《THE FIGHT OF THE CENTURY》―――

 ともにオリンピック金メダリスト(アリは60年のローマ、フレージャーは64年の東京)で、このときは無敗同士。徴兵拒否でライセンスを剝奪されたアリが、3年半ものブランクから復帰して3戦目…タイトルを奪還すべくフレージャーに挑む、おそらくすべてのボクシングファンが注目した世界ヘビー級タイトルマッチだ。

 試合が行われた3月8日が近づくと、これまでもSNS上で記事や写真が出ていたが、今年は「50年」という節目を迎えていることで特に、いつも以上にアリが、フレージャーが、世紀の一戦が……と様々なボクシングメディアが発信。たいして読めもしないのに買ってしまったが、老舗のボクシング専門誌RING Magazineも、こういう表紙で最新4月号を刊行している。

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 この当時15回戦制だった試合はフルラウンド闘う大熱戦で、フレージャーが3-0の判定勝ちをおさめた。

 最終15ラウンド、フレージャーの左フックでアリがダウンを喫したときにはショック死した人が出た、なんて話も飛び交ったという、様々な反響を及ぼした、まさに《世紀の一戦》だった。

 敗れはしたもののアリのトップ戦線復帰で、ジョージ・フォアマンたちもからめて対決し合った70年代――

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 結果的に、この"リーグ戦"においてフレージャーはアリとの初戦に勝利したのみで、"勝ち点"で順位付けすると下位になってしまうが、十分なインパクトを残している。

THE SHOWDOWN, 1981

 このとき2歳だった自分が試合の内容を見たり聞いたり読んだりしたのは、もちろんずっとあと。

 衛星中継なんて言い方はいつの頃からかしなくなったけど、リアルタイムで見た、《アリvs.フレージャー》に匹敵するビッグマッチをあげるとしたら…10年後の1981年、9月16日にラスベガスで行われた世界ウェルター級タイトルマッチ《シュガー・レイ・レナードvs.トーマス・ハーンズ》だ。

 WBAとWBCの2団体しかなかく「統一戦」というフレーズが新鮮で貴重でもあった頃の、チャンピオン同士による《THE SHOWDOWN》――アリvs.フレージャー同様、期待に違わぬ名勝負となった試合は、WBCチャンピオンのレナードが14ラウンドKOで勝利した。

 この一戦以外にも好ファイトが繰り広げられた、シーザースパレスの屋外特設リングでは、ライバル関係を築く「石の拳」ロベルト・デュランや、マービン・ハグラーらも闘っている。

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 当時見たスペシャル感を漂わせるラスベガスの写真や映像は、海外旅行はおろか飛行機すら乗ったこともなかった中学生に十分すぎる刺激を与えてくれたか、なんてことも思い出せる。

 9月が近づき、この試合の「40周年記念」で盛り上がり、もし特集される号が出たらやはり、買ってしまうだろうな。たいして読めなくても…



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