夢いつも大切に
という、お話をします。
ごきげんよう!freeeでカスタマーサポートを担当している井上健です。
みんなから「いのけん」と呼んでもらっています。freee Success Advent Calendar 2023 の12月7日を担当します。
この記事でお伝えしたいことは3つです。
夢ってなに?
仕事と夢の統合
社会の進化を担う
夢ってなに?
「あなたの夢はなんですか?」
大人になってからこんな質問をされると、ちょっとドキッとします。
いまを生きるので精いっぱい!
子どもじゃないんだからさ!
意識高い系を演じないでよ!
僕はそう思っちゃいます。
でも、本当はいつまでも夢に憧れたい気持ちは心のどこかにあったり。
夢って、
小学生の純粋無垢なキラキラした思を抱いて卒業文集に好きにデザインするけれど、年を重ねて気づくと選択が狭くなり心の中にしまいがちなもの。
そんな印象があります。
僕の夢は「料理人」になることですが、今年42歳のおじさんになっても会社員をしています。よくいえば「夢の途中」。違う表現だと「安定の将来を盾にして夢を叶えられていないヤツ」です。(守ることは大事ですけどね)
なぜ料理人なの?には、3つ理由があります。
創り出すことが好き
評価のレスポンスが早い
僕が熱中できる
その想いが強くなったのは中学生のときでした。
職業体験の授業があり、僕たちのグループは「どうせならプロの話を聞きに行こう!」となり、当時テレビ番組で人気だった料理の鉄人に決めました。
職員室の隣に設置してある緑色のNTT公衆電話。電話台に備えてある黄色いタウンページをめくって、鉄人の道場六三郎さん、陳建一さん、坂井宏行さんのお店の電話番号を調べて順番に電話をしていきました。
ですが、すぐ全員に断られてしまいました。
「・・・ダメ元でもう一回ずつ連絡してみない?」
誰かがそう言って再チャレンジ。
すると最後の坂井さんから面会OKをもらうことができました。
電話を切った瞬間「すげー!」とみんなで興奮して小躍りしたことを覚えています。きっと隣の職員室にいた先生たちも驚いたんじゃないかな。
渋谷の高層ビル最上階にある「ラ・ロシェル」。お店に着くと個室に案内されて、僕を含めみんなガチガチに緊張。オレンジジュースがとても美味しくて「これが一流の味かぁ」と感動したのを覚えています。
そこに坂井さんが登場。
緊張でモジモジしていると優しい口調で、
「なんで僕に声を掛けてくれたの?」
「鉄人で誰のファンなの?」
「料理の鉄人の番組では、事前に鉄人5品目、挑戦者3品目の食材が予告されて、その中でいずれかが選ばれるんだよ」
そんな話をしてくれました。
少し緊張がほどけた僕は「坂井さんは家でもフレンチを食べるんですか?」と尋ねると「そんなこってりしたもの食べるわけないじゃん、かあちゃん(おそらく奥さん)の料理が一番だよ」と答えてくれて、みんな大笑い。
坂井さんから「この中で料理人になりたい子はいるの?」と聞かれ、僕が手を上げると「中学卒業したらうちにおいで」と誘っていただきました。
冗談半分だったと思います。それでもふとしたときに思い返します。あの時、覚悟して「本当に来ちゃいました」と修行に行っていたら、どういう人生だったのだろう、と。
「修行がつらくて逃げ出したのかな?」それとも「しがみついて一人前になれたのかな?」そんなことを考えたりします。
その時いただいたサイン入りの色紙は、いまでも部屋に飾っています。その時からいまのおじさんになっても、夢は「料理人」で変わっていないです。
夢見るサラリーマン。
かっこいいのか、かっこわるいのか、いまでもよくわかりません。
夢と仕事の統合
夢と仕事を分けなくてもいいのでは?という話です。ワークライフ「バランス」ではなく「インテグレーション」という表現が正しいかもしれません。
この考えは「ブラック企業じゃん!」と思われてしまうかも。たしかにホワイトではなさそうなので、グレーってところでしょうか。
僕にとっての「夢と仕事の統合」は、餃子(= 夢を叶える)とfreee(= 会社の成長)と人(= 社会の進化)3つのベン図の重なる部分を探し、それを広げるという考え方です。
freeeでは、グロースビジョンという3年 - 5年後になりたい姿を考えて仲間に共有するカルチャーがあります。(共有するかは自分で判断します)
僕は「餃子屋さんになる」と決めました。freeeでは「仕事と関係ないじゃん!」と怒られることはありません。それに夢を追うプロセスはチームづくりや組織の課題解決に繋がって、ちゃんと評価してくれます。
具体例では、新卒や新メンバーがJoinした時や決起会、慰労会といったチームビルディングで餃子づくりを活用しています。
同じゴールを目指したものづくりをすると、関係が近くなり雑談が生まれます。少しずつ心がほぐれると自然体になりはじめます。すると1人ひとりが大事にしている価値観がひょっこり顔をのぞかせます。
相手の価値観が分かると、仕事でも声をかけやすくなり生産的な連携や協力がしやすくなります。
餃子会のあとはアンケートをとり改善PDCAを回します。仕事も餃子もおいしくなり一石二鳥です。
おいしくなった餃子は自宅で家族に食べてもらいます。家族みんな餃子が大好き。餃子をつくるのもとても上手です。
ご近所さんやお世話になった方へのお礼に冷凍餃子をつくって配送したりしています。ここまでくると、もう一石四鳥です。w
(ちなみに販売はしていません)
こんな夢見るサラリーマンの活動をしています。
夢を叶えるのか、叶えないのか、よくわからないグレーゾーンですが、叶えようとする活動は、叶わなくても楽しんでいます。
社会の進化を担う
大切な人との絆を強くするきっかけをつくり、広げる
あなたが思い出に残っている食事は何ですか?
親がつくってくれたカレーライスですか?
お祝いで食べたお寿司ですか?
初恋の人と背伸びして入ったイタリアンですか?
薄暗い部屋で1人で泣きながら食べたカップラーメンですか?
ひょっとして昨日の食卓ですか?
僕は餃子です。
僕が子どものころ、両親がケンカをしていても、兄弟の仲がわるくても、餃子をつくる時だけは一時休戦となり会話が弾みました。思い出に残る食事は味を覚えていなくても、笑顔でいたことだけは色褪せずに覚えています。
人はいつまでも人に対して悩みがつきません。友人でも、恋人でも、家庭でも、仕事でも。仕事なら上司や同僚、部下に相談することができるかもしれませんが、プライベートを相談する相手って限られると思うんです。
大人になるにつれ、悩みの難易度が高くなるクセして、相談先は限られてくる。それに人同士の信頼構築には当事者同士のコミュニケーション回数と量が大事、なのに当事者同士でコトを前に進めるって、ムズくないですか?
第三者が入って、当事者同士の手と手を取り合ったとしても一時的な解決になってしまい、当事者同士が次の課題を解決できるとは限りません。
ちょっと僕の話。いま僕は妻と結婚15年目です。3人の子どもがいます。振り返ってみると、出会い、交際、結婚、出産、育児のタイミングで、お互いまたはどちらかの価値観が変わりやすかったと思います。
価値観が「育つ」という表現があっているかもしれません。
当時は、価値観が「育つ」なんて理解できなくて、お互いが「あなたは変わった」となげいていました。ウチの例に限ると思いますか、解決には時間を掛けて家族の陣形を変化させることで信頼を取り戻すことができました。
・・・10年くらい掛かりましたけど。w
問題が大きくなる前に、当事者同士で自然と解決できる、そんなサービスがあるといいなって思っています。
日本の離婚率は3組に1組、予備軍をあわせるともっといそうです。しっかりと対話をして、お互いに納得する結論を出すことができれば、継続しても、別れても、笑顔に近づけるものだと思っています。
ですが、お互いに冷戦状態が続くとマジで日々の生活がつまらないです。
その状態が1つでも少なくなる、または短くなる文化をつくることができたら、少子化を緩和する一助になるのではないか、そう思っています。
ちょっと話が飛躍していますかね?w
ですが、この仮説は結構マジでそう思っています。
僕は、初めての子どもができたときに妻と心の距離が大きくなりました。あんなに仲が良かったのに、何をやっても空回り。「いつか良くなってくれ!」と思う時間だけが過ぎていく日々でした。
当時を振り返り、いまの僕にできそうなのは「悩みが大きくなる前に気軽に相談ができて、人と人の信頼を深められるきっかけを増やす」ことだと思いました。そこで「餃子づくり」をツールとして利用しようと考えました。
餃子の皮からみんなでつくり餡を入れて包む。その過程でコミュニケーションが自然と生まれます。「うまくできた」「みてみて、これ良いでしょ」「うわー、へったくそー」何でもいいんです。
その「気軽に会話ができる」ことが習慣になることで「実はさ・・・」と小さな悩みを伝えるキッカケをつくる。大きな悩みになる前に大切な人に伝えて共感をすることができれば安心を生み出すことができると思っています。
まずは、おいしい餃子を提供するのが前提です。
「皮づくりってむずかしくない?」と思われる方もいるかもしれませんが、これまで30回以上の餃子づくり会を開催していますが、最初は上手くいかない方でも、2回目になると初めて参加する人に教えられるようになります。
次に、興味をもってもらった方に餃子づくりのノウハウを共有する。そこで覚えたことを家庭に持ち帰ってもらう。1からつくるのもいいですし、皮や肉餡・野菜餡だけの提供もしたいと思っています。
想像してみて下さい。圧倒的に美味しい餃子が家で食べられて、対話を通じて「表現欲求」や「共感確認欲求」を満たせる環境がそこにあれば大切な人同士を引き合わせるチカラになると思いませんか?
一方で、既に大切な人と信頼が崩れていたら顔を合わせないかも。
ですが、僕の目指す餃子は冷蔵庫に入れて1日経過して電子レンジでチンをしたら更に美味しくなるようにこだわっています。顔を合わせるとケンカするのなら、こそっとつくってみてほしいんです。
時間をずらして帰宅する相手。リビングのテーブルに目をやると「餃子をつくったから、よかったらチンして食べて下さい」のメッセージがあります。
一人でレンジでチンして、食べて美味しかったら、どう思うでしょうか。
「どうやってつくったんだろう?一生懸命つくったのかな?」と思うかもしれません。次に顔を合わせなくても「相手を思いながらつくる」「つくった相手をイメージする」その声にならない思いのコミュニケーションができ始めた時点で、カチコチの氷は溶けるきっかけになると思います。
将来「大切な人との絆を強くするきっかけをつくり、広げる」をミッションにして活動したいと考えています。1人でも多くのサポートができれば、僕は嬉しいです。
それを実現するためにfreeeで必要な知識やスキル、アイデアを磨きながら想いを育てています。
声に出せない相手の困りごとを感じ取り、何かできるコトやモノを見つけ出して、押しつけがましくないカタチで差し出す。その人のバックグラウンドは関係させずに行動を支援する。
接客の仕事をして20年、いまの僕が思う理想の利他です。
freeeのミッション「スモールビジネスを、世界の主役に。」をサポートする側から、主役になってみる。40代で事業のカタチをつくることができたら、50代は次にやりたいと思っていることにチャレンジしてみたいと思います。
おわりに
僕がfreeeを卒業するまでに
ユーザーのネガティブ体験を減らすトレンドをつくる
ユーザーの困りごとがなくなることはありません。それはサービス・プロダクト進化に伴う一種の筋肉痛だと思っています。サポートはユーザーの筋肉痛を和らげるために対処法や休息方法を提案して、次のユーザーが同じ筋肉痛にならないために課題をプロダクトマネージャー / オーナーと連携をしてプロダクトを進化させることが大事です。
しかし新機能や新規プロダクト、顧客獲得に特化した攻めの開発が、時にファンを減らすネガティブ体験を生んでしまうことがあります。
将来僕が餃子屋さんをする時にfreeeプロダクトを利用しようと決めているので、これらが発生したら困るんです。だから今のうちに組織の内側からサポート・サービス・プロダクトの改善を進めたい。社会の進化を担う責任感をもつのは僕にはハードルが高いので、利己活動の結果が利他になる、そんな関係性でfreeeと向き合おうと決めました。
姉の事業の手伝いで2014年10月から会計プロダクトの有料プランを利用して確定申告しています。僕もユーザーとして毎年プロダクトの進化を感じていますし、もっとfreeeは強くなれると信じています。
僕がfreeeを卒業するまでにネガティブ体験を減らすトレンドの仕組みをつくりたいと考えています。結果、将来僕が快適にfreeeプロダクトを利用できる状態になる。それがいま僕がfreeeで働くモチベーションとなっています。
freeeはそんな体験ができる会社です。何をやるか、どんな環境でやるかの魅力より、どんな気持ちでやるかを自分で育てられるのが好きです。freeeは今年で創業10周年です。次の10年を支えてくれるメンバーを募集しています!
いまじゃなくても大丈夫です。
お仕事を選ぶ候補の1つに入れてくれるとうれしいです。
[リファラル採用応募フォーム]
https://docs.google.com/.../1FAIpQLSft9zbXnMU.../viewform...
[採用サイト]
https://jobs.freee.co.jp/#job_list
[freeeのオフィスツアー]
https://m.youtube.com/watch?v=eWUFVCEjwMg
お読みいただきありがとうございました!
明日の記事はManami Sekiguchi (Chima ちま)さんが担当です!
どんな話なのか楽しみです!
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