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機械屋とメカトロニクス 1/2

こんにちは。イノカドです。

今日は、メカトロニクスについて語りたいと思います。
この話題を選んだ理由は、機械とITの関係を語る上で避けては通れない話題だからです。

1. エンジニアとは?

皆さんは、エンジニアと聞いてどんな人達を想像するでしょうか? 

普通は、システムエンジニアやWEBエンジニアなどのITエンジニア、いわゆる ”プログラマ” を想像される方が多いと思います。

全然間違ってはいないのですが、英語でのエンジニアの本来の意味は、”工学(エンジニアリング)に関する専門的な知識やスキルを持った人材” でして、正に機械工学を学んだ人間を指す言葉でした。

ですが、これだけ機械の電動化・IT化が進んだ現代では、機械工学の影は薄くなっているのも事実です。特に、日本では本来の意味合いで使われることはほとんどありません。

機械工学を学んだ人材は、機械屋(メカ屋)と呼ばれます。通常、機械屋が機械の設計を行います。

ちなみに、電気を学んだ人は電気屋(エレキ屋)、情報系の人はソフト屋・IT屋なんて呼ぼれたりします。

2. メカトロニクスとは?

さて、話は冒頭の ”メカトロニクス” に戻ります。この言葉は、機械工学(Mechanics)と電子工学(Electronics)を掛け合わせた和製英語です。意味は、機械と電子工学(そしてIT)の融合です。

どうして、機械をメカトロニクス化する必要があるのでしょうか?
少し込み入った話になりますが、これを理解するためには、機械設計者の思考を理解する必要があります。

3. 設計者が考えていること

設計者が機械を設計する時、意識するのはQCDです。QCDとは、品質(Quality)・値段(Cost)・納期(Delivery)のことです。

機械設計者には、製品の機能・品質を高めながら、値段や納期をより安く、短くすることを会社や社会から求められます。

一見、矛盾した要求に思えますよね。これを達成するためにはどうすれば良いでしょうか?

ネタバレをしますと、機械の動く部分と部品点数を徹底的に削ることがQCDを達成する鍵になります。

まず、歯車やカムなどの可動部分は、他の部品と常に接触しているので、削れてしまいます。そのため、いつかは交換しなければなりません。
これは、保守性とも関わるので、機械には可動部分が極力ないことが望ましいのです。

次に、部品点数を削るべき理由ですが、部品点数が多いと、高価格になり、さらに、故障率の増加に繋がるからです。
逆に、部品点数が少なければ価格を抑えられ、信頼性を上げられます。

ですが、機械部品を組み合わせてこれを実現するのはかなり難しいのです。例えば、機械式時計などを想像して下さい。歯車などが欠けてまともに動くでしょうか? そう、動きません。

こんな感じで、機械は非常にデリケートでして、機械の中に不要な部品は一つも無いのです。全ての部品には意味があり、置き換え不可能です。

では、どうすれば機械から歯車などの可動部品を減らせるのでしょうか?
ここで登場するのが電子工学なのです。


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