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4大力学攻略法 〜熱力学編〜

こんにちは。イノカドです。

今回は、熱力学の勉強について語っていきたいと思います。

熱力学はこれまで紹介してきた機械力学・材料力学・流体力学の3つの力学とは少し毛色が違います。どう違うかと言うと、熱力学は目には見えないエネルギーを扱い、エネルギーの移り変わりが議論の中心になります。

熱力学は、エネルギーから発展して、エントロピー・エンタルピーといったより抽象的な概念にも踏み込んで行きますので、4大力学の中では一番浮いた存在に感じるかもしれません。

補足しておきますと、解析力学と統計力学を学んで初めて熱力学と質点の物理(高校物理)との関連が分かります。ですから、初学者の方がモヤモヤとした思いを抱くのは当たり前のことです。実際、私もそうでしたから。(ぶっちゃけ、私も完全には理解できてません......)

アドバイスとしては、用語が分からなくてもそう言う物だと割り切って、計算式を暗記するのが一番な気がします。

4大力学の中では、一番苦手な学問だったのであまり勉強法らしい勉強法を語れないのですが、熱力学の試験対策としては、概念を深く掘り下げて立ち入ることはせず、数式を暗記して問題演習を重ねることが一番効率的だと思います。

1. 熱力学を学ぶ理由

熱力学は奥が深く抽象的な学問です。実際そうなのですが、こう聞くと、応用を重視する機械工学でなぜ、熱力学のような抽象的な学問を学ぶのかと疑問に思われる方がいると思われます。と言うことで、熱力学を学ぶ理由を大雑把に説明します。

機械工学科で熱力学を学ぶ理由は、実用上、熱力学が非常に重要な役割を果たすからです。例えば、自動車のエンジン(内燃機関)や発電所のタービン、エアコンのコンプレッサーのような身の回りにある重要な機械を設計する際に必ず熱力学が登場します。

省エネ化が叫ばれる現代において、機械の効率化は設計者にとって最重要課題です。熱力学を用いることで、設計者は機械がどれだけ効率的に動作するのかを知ることができます。そのため、機械工学で熱力学を学ぶのです。

2. 熱力学の重要な概念

機械工学にとって重要な熱力学の概念は、カルノーサイクルです。カルノーサイクルとは、理論上の最大効率を持つ熱機関(≒ エンジン)のことです。

気をつけてもらいたいことは、カルノーサイクルはあくまでも理論上の熱機関なので、現実には存在しません。実際のエンジンやタービンなどの熱機関の熱効率はカルノーサイクルより小さいです。

カルノーサイクルは、理論上の機械の熱効率を設計者に教えてくれるため機械工学では重要な概念です。設計者は、カルノーサイクルの効率を目指して熱機関を開発してきました。エンジンやタービンの開発史は、いかにカルノーサイクルに近づけるかと言う設計者達の執念の歴史と言えるかもしれません。

ちなみに、カルノーサイクルから発展して有名なエントロピー増大則(≒ 熱力学第二法則)が導かれます。


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