どうする⁉️遺産相続 62
これは昨年、急に始まった介護生活から何も知らなかった世界を調べまとめたものです。急に始まった状況とは…
父86歳母83歳。
2022年4月頃までは2人で小さいながらもずっと続けてきた鍵屋を細々なりにちゃんと経営ができていました。
そして客商売だからと2人はコ〇ナワクチン接種をした時から、転がり出した変化の日々が始まります。
注射を打った後も大きな変化がないと鍵の仕事に一人出かけた父。
あいにくあの日は雨が降っていました。仕事の途中、足を滑らせて転び額を石にぶつけ出血し救急搬送。結果、15貼り縫うまあまあ大きな事故となりました。
顔面は処置もよく、それなりに治っていきました。が、日が経つに連れて足が痛いからと寝込むように。
雨で足が滑ったと言ってましたが、わたしの中では正直注射の後遺症じゃないかと疑っています。まあ、確かめることもできませんが。この話は置いといて…。
そんな父には近所に住む未亡人の94歳の姉がいます。
叔母は身体も元気で一人暮らしをしていて、両親が様子見ながらどちらもそれなりの日々を過ごしていました。
が、ここから一遍済ます。
父の怪我と時を同じくして叔母が街に出て熱中症で救急搬送されたと我が家に連絡が。慌てて病院へ行くと、かなりね重体でもしかしたら…とまで言われ回復を待つ毎日となりました。
運良く体調は持ち直しましたが、どうやら脳に障害が残ったのか認知が一気に進み容子が変だと言うのです。
そんなとき不幸にも父の容態もおかしくなり入院となります。
膝が痛いと言っていたのが、見る見るうちに橋や手が腫れあがっていくのです。歩くこともままならず、食事ものどを通りにくいと。
もしかして、パーキンソン?そんな不安を持ちながらの緊急入院となったのです。
このコロナ禍の病院は面会ができることもなく、叔母と父の様子は医者や看護士とのやり取りが始まりました。
入院前の状態は2人とも高齢にも関わらず、それまで介護が必要でなかったためにケアマネがいるわけでもなく何かのお世話になっているわけでもなく、手探りで一つ一つ一番の状況を動かすために必要な手続きをしていくことになります。
父に関してはまだな何とかなりますが、問題は叔母です。
叔母の旦那さんは他界し息子二人も二十歳前に他界していました。未亡人の叔母は、嫁ぎ先の親戚とも孤立しており、長男の旦那さんには、お墓の問題、家の問題などなど、正直姪っ子のわたしがわかる範囲も超えていました。
そんな叔母の手続きを動かすことは、想像以上に労力が必要だったことと、後からわかったもっと違う方法があったことなどの反省を踏まえ、同じように困った人に役に立つならと覚えが書きのために書き残しておこうと思いここに書き記します。
【相続の流れ】
①葬儀屋に連絡
②保険証等を市役所に返却
③年金停止は年金事務所へ
④公共料金などの停止へ
⑤確定申告があるなら税務署へ
⑥相続人で財産の話し合い
⑦銀行、保険、不動産など手続き
【申告先の各役所】
・戸籍類→市役所
・年金→年金事務所
・準確定申告→税務署
・不動産の名義変更→法務局
・相続放棄→裁判所
市役所以外は、事前予約あり。
①【お葬式】
焦らず、最寄りの葬儀屋へご連絡しましょう。
お葬式の段取りから市役所へ提出する死亡届まで行ってくれるところが多いです。
生前、互助会などに加入していれば指定の葬儀屋があるかもしれません。費用が安く済むので、生前に確認しておくといいかもです。仏壇の紹介もしてもらえます。
②【市役所へ保険証の返却】
市役所に死亡してから14日以内に返却してください(会社員ならお勤め先の会社に連絡返却)。お葬式後、葬祭費申請すれば最大5万円の還付されます。
③【年金停止は年金事務所へ】
年金手続きは管轄の年金事務所へ。
「年金停止」
国民健康→14日以内
厚生年金→10日以内
※「未支給年金」
貰えた年金が戻ってくる手続き
※年金受給前なら遺族年金の手続きあり。
複雑なので、まず年金事務所に行きましょう。
どんな年金が貰えるか教えてくれます。
④【公共料金関係】
電気、ガス、水道など、亡くなった人の名義になっている場合、引き落とし先の変更が必要になります。クレジットカード、ガソリンカード、NHK、スマホ、インターネットなど解約しましょう。
年会費が掛かるものあるので注意。
⑤【準確定申告は税務署へ】
1/1~亡くなる日までに得た収入があるなら準確定申告が必要になります。例えば、年金以外で収入があった場合、確定申告の可能性あり。また、現役会社員やフリーランスや自営業なら確実に必要。
※準確定申告は亡くなった日から「4か月以内」です
⑥遺産相続関係
【遺言書の有無】
上記のことが終わったら遺言書やエンディングノートなど探してみましょう。亡くなった人の最後の想いを綴ったものです。特に遺言書は、相続人全員で話し合う遺産分割より、優先して効力が発揮されるので注意。ただし、相続人全員の合意があれば遺言内容と違った分け方も可能。
【相続財産の調査】
相続財産は何があるか把握しましょう。相続税計算や相続人たちでどう分けるか話し合うため必須です。現金預金、株(有価証券)、車、土地建物、売ったらお金になる物、生命保険などなど。注意点として、生命保険は受取人が指定されていた場合、相続財産に入りません。
【相続税】
相続税の「基礎控除:3000万円+相続人×600万円」です。相続人が3人なら「4800万円」になり、これ以上超えたら申告です。注意点として、生命保険や退職金がある場合『相続税の計算』に加算。ただし相続人1人あたり500万円が控除されます。※相続税は10ヶ月以内です。
【戸籍の集め】
年金、銀行、株、不動産、その他手続きに戸籍類が必要です。
どんな戸籍必要?
・亡くなった人の戸籍→生まれてから亡くなるまで「すべて」の戸籍類
・相続人→現在の戸籍のみ
集めるコツとして、市役所の窓口で『出生から死亡までの戸籍ください』と伝えるようにしましょう。
【遺産分割協議書】
誰がどう引き継ぐのか話し合いです。
決まったら遺産分割協議書を作成し、相続人全員で署名押印(実印)と印鑑証明書を添付して完了です。
作成のコツは
「遺産分割協議書 フォーマット」
でググって、ひな形を利用しましょう。
※相続放棄は3ヶ月以内
※認知症いる場合、注意
「相続時の注意」
・保険証の返却→14日(国保)
・国民年金の停止→14日
・厚生年金の停止→10日
・年金の時効→2~5年
・準確定申告→4ヶ月
・相続税の申告→10ヶ月
・遺留分侵害額請求→1年
・遺産分割より遺言書優先
・相続税控除→3000万+600万円×相続人数
・相続放棄→3ヶ月
【不動産名義変更の流れ】
①管轄法務局調べる
②登記簿で不動産情報調べる
③故人相続人の戸籍集める
④固定資産税評価書取る
⑤引き継ぐ人の住民票取る
⑥相続関係図作る
⑦遺産分割協議書作る
⑧登記申請書作る
⑨法務局申請完了
【相続手続きで知っておきたい10】
❶相続開始日はいつから
相続は、亡くなった時点で始まります。相続放棄3ヶ月、準確定申告4ヶ月、相続税10ヶ月など、期限がある手続きは「相続の開始があったことを知った日の翌日から」「相続の開始を知った時から」など微妙に違いがあるので注意。相続は亡くなった日から開始と知っておきましょう。
❷遺言書の種類
遺言書は、亡くなった人の最後の想いを綴った手紙。7種類あるのですが、基本的に、自分で書く「自筆証書遺言」と役場で作る「公正証書遺言」の2つが支流です。どちらも効力に違いありませんが、裁判所の検認など進め方が変わってくるので注意です。遺言書は遺産分割に優先します。
❸相続放棄と承認
財産が借金だらけだった…相続方法は、「単純承認」「相続放棄」「限定承認」の3種類。
・単純承認:全ての財産相続する
・相続放棄:全ての財産相続しない
・限定承認:引き継ぐ財産の範囲で借金を返済
相続放棄→相続発生から3ヶ月
限定承認→相続の開始を知った日から3ヶ月
❹相続順位と権利
配偶者は絶対相続人になります。
・第1順位→子(養子含む)
・第2順位→実父母
・第3順位→兄弟姉妹
亡くなった人が「未婚で子なし」なら、第2順位→父母です。さらに父母が「すでに亡くなっている」なら第3順位→兄弟姉妹になります。
❺代襲相続人とは
相続人が亡くなった人よりも先に亡くなっている場合、「代襲相続」が適用されます。例えば、第1順位→子がすでに亡くなっていた場合、その子に子ども(孫)がいれば、その子ども(孫)が第1順位の相続人になります。代襲相続人もいなければ、第2順位と第3順位に引き継がれます。
❻法定相続の割合は
・配偶者と子(第1順位)
配偶者1/2:子1/2
・配偶者と実父母(第2順位)
配偶者2/3:父母1/3
・配偶者と兄弟姉妹(第3順位)
配偶者3/4:兄弟姉妹1/4
配偶者は常に一番取り分あり。相続人たちで遺産分割(話し合い)すれば自由に分けることも可能。
❼ 遺留分
一部の相続人には、民法で「最低限相続できる割合(遺留分)」が保障されます。
・配偶者:遺産の1/2
・子:遺産の1/2
・実父母:遺産の1/3
兄弟姉妹は遺留分なし。遺留分は絶対的な取り分なので、遺産分割、遺言書でも侵害はできない。が侵害された相続人が主張しなければOK。
※遺留分(遺留分侵害請求)
侵害された相続人が遺留分を主張する場合、遺留分侵害額請求をしなければいけません。相続の開始及び遺留分を侵害があったことを知った時から「1年」で消滅するので注意です。請求場所は家庭裁判所で行います。
❽特別受益と寄与分
長男が生前親の介護をした。このケースは多々あります。その場合、財産の取り分を主張できる場合があります。
・特別受益:生前、多額の生前贈与を受けた相続人は、財産の取り分を減らすなど均等に調整される可能性あり。
・寄与分:生前、貢献をした相続人へ財産の上乗せが可能。
❾相続税
相続税の「基礎控除:3000万円+相続人×600万円」です。相続人が3人なら「4800万円」になり、これ以上超えたら申告です。注意点として、生命保険や退職金がある場合『相続税の計算』に加算。ただし相続人1人あたり500万円が控除されます。※相続税は10ヶ月以内です。
❿相続登記の義務化
相続財産のメインは不動産です。そして、土地建物など不動産の名義変更(相続登記)は今後義務化になります。義務化は「2024年4月1日」からスタートです。相続が開始してから3年以内に手続きしないとペナルティとして10万円罰金が課される可能性があるので覚えておき
日程的なことのまとめ
【7日以内に進めること】
・死亡届の提出
・火葬(埋葬)許可書の提出
どちらも同じタイミングで市役所へ提出します。死亡診断書ができ上がったら速やか行いましょう。
【14日以内に進めること】
・世帯主変更届
(3人以上の世帯の主だった場合)
・住民票の抹消届
・保険証の返還(国保)
・遺族の国民健康保険の加入
・年金の停止
(厚生年金は10日以内)
住民票の抹消届は、死亡届を出すと同時に行えることが多いです。厚生年金は年金事務所です。
【3ヶ月以内で進めること】
・金融機関に連絡
・生命保険類の手続き
・遺族、貰える年金の手続き
・遺言書の有無
・相続人、財産の調査
・遺産の話し
・相続放棄、限定承認
財産を引き継ぐか?決定する「相続放棄、限定承認」は3ヶ月以内なので注意しましょう。
【4ヶ月以内に進めること】
・所得税の準確定申告及び納税
亡くなった人が年金以外に収入があった場合、「1/1〜亡くなった日
までの所得を4ヶ月以内に申告」が必要です。確認方法は、毎年確定
申告を行っていたかの書類確認。もしそれも分からない場合、
管轄税務署で確認しましょう。
【10ヶ月以内に進めること】
・遺産分割協議の作成
・不動産の名義変更
・預貯金の解約等
・相続税の申告及び納税
相続税がある場合は、10ヶ月以内に申告納付までしなければいけません。ギリギリなりやすいので、速やかに相続手続きを進めることが大切です。
相続税が掛からないオーソドックスな相続手続きなら6ヶ月くらいで完了することができるでしょう。
相続手続きの種類は、期限があるのもあり注意です。
おさらいです↓↓
【重要な期限付き手続き】
相続放棄→3ヶ月
準確定申告→4ヶ月
相続税申告→10ヶ月
【ゼッタイ把握したいポイント】
① 預金口座
② 不動産
③ 保険
④ ローンや借金
⑤ 株券などの有価証券
解説していくと
① 預金口座
昔は口座開設がカンタンだったので、親は口座をたくさん開設している可能性が高い。本人が認知症、もしくは亡くなると、調べるのが困難に。
② 不動産
共有名義の不動産は要注意。次世代が相続すると、持ち分がどんどん細分化するおそれが。共有名義人の中にしらない人がいる場合などは、売りたいときに売れないことも。
相続税なしの最低額が、総資産5000万から3000万に引き下げ。不動産価格をみて相続前に節税対策も考えること。
③ 保険
親世代は保険会社のいうまま多くの生命保険に加入してることが多い。内容把握できていないことも。
【保険整理のポイント】
・重複する内容の保険は解約
・現状に合わない保険は解約(車に乗らないのに自動車保険に加入しているなど)
・受取人を"子"にする(亡くなった配偶者のままが多い)
④ ローンや借金
借金があったら、どれくらいの返済額が残っているのか把握しておく。負債を残して親が亡くなったとき、負の遺産を引き継ぐのはあなた。
親本人も忘れがちなのが、若いころに契約した連帯保証。連帯保証といえども借金なので、返済できなければ家を失う、破産するといったことも。
⑤ 株券などの有価証券
「株券」や「貸金庫」は見落としがちな資産。FX(外国為替)や株、投資信託などの有価証券は亡くなったあとに損を出している可能性も。
貸金庫には、証書、戸籍謄本、土地の権利書、宝石などが入っているケースが多い。存在を確認しておこう。
【払いゾンしない方法】
『家族信託』を利用。財産の所有権を「財産から利益を受ける権利」と「財産を管理運用処分できる権利」にわけ後者だけを子に渡せる。所有者の親が認知症になっても子は財産の管理運用処分ができる。
父のもの忘れがひどいのでウチもこれを検討。でも落とし穴が…
落とし穴は「家族信託」は親が認知症になると契約できない。親に判断能力があるうちに検討を!
ざざっと、もしもの時の情報を集めたものをまとめてみました。
行政への手続きは、本当に時間も労力もかかります。
そして、死亡後や認知症になってからでは動かないものがあったりと、制度を知っておいてあらかじめ準備が必要なんだと感じます。
そして、ただ生活しているつもりでも、こんなにもたくさんのものに関わって生きているんだということ。
人のものを整理しながら、自分のことを考えてしまいました。
あわせて自分の整理を始めたのは言うまでもありません。
わたしはこの体験から、
亡くなった人にもみんなそれぞれの人生があって思いがあるということ
認知症になった人にもそれぞれ人生があって歴史があるということ
残された家族にも心があるということ
そんなこんなを全身で感じました。
それから決意したのです。
「遺品整理士」の資格を取ること。
何ができるようになるかわかりません。
でも、ゴミひとつ捨てるにしても、
捨てる人にとってゴミでもそれは、故人にとっては宝物だったかもしれないこと。そして、そのものがもしかしたら疎遠になっている家族との大切なつなぐものだったりすることもあるということ。
いつか必ず人はあちらへと行く時を迎えます。
自分の人生を振り返るように、遺品整理士の学びをとおし、更に誰かの困ったに気軽に相談に乗れる人になれるよう精進します。
そして、最後の時に公開だけは残してほしくないから。
今度は、介護制度についてまとめてみます。
誰かのお役に立ちますように。
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