FF3女子旅【4】乙女の水浴び
ゴブリンを退けた４人の前に、洞窟の奥から風が吹いてきました。どこかに通じてる証拠です！
「あっちに避難しましょお！」
エルルちゃんの一声で、４人は奥へ進みます。探検に出かける前、獣避けにと作っておいた「腐ったタマネギ爆弾」でしたが。想定以上にヤバいものになってしまったので、これは封印と考えを巡らしながら。
ですが、洞窟の先は行き止まり。
「おかしいですの。風はどこから？」
「あの岩、ちょっと変じゃない？」
ユッフィー姫が首をかしげる横を抜けて、マリス船長が不自然に突き出た岩を押したり引いたりして動かすと。地響きがして道が開けました。
「はて、地震でできた洞窟になぜこんな仕掛けが？」
アリサ様も不思議に思いますが、とりあえず先へ進みます。
階段を登って上の階に出ると、今度はT字路。右側には神秘的に揺らめく水面が見えます。
「やった〜、ニオイが落とせるっ！」
「これ、ひとりで走るでない！」
この作品は、株式会社トミーウォーカーのＰＢＷ『エンドブレイカー！』用のイラストとして、
イーノが作成を依頼したものです。 イラストの使用権はイーノに、著作権は遊佐まるぼろに、
全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。 黒いビキニに、ホットパンツ。もともと、すぐにでも水に飛び込める格好だったマリスがドボンと。泉に飛び込んで、水浴びを始めました。
安全かどうかも分からぬのにと、アリサは警告しましたが。こうなったらもう止められません。
「ユッフィー姫もおいでよ！」
「きゃっ！？ 冷たいですの」
マリスがキャッキャとはしゃぎながら、ほこりまみれのユッフィーに泉の水を飛ばしてきます。
「おぬしら、またゴブリンが出てきたらどうするつもりじゃ」
ひとりだけ冒険の緊張感を保つアリサがT字路の反対側を警戒しながら、ゆるんだ空気を引き締めようとしますが。無駄な抵抗でした。
『ケルベロスブレイド』（C）イーノ/moric/トミーウォーカー
「気持ちいいですの！」
泉の水を浴びて、服と身体についた土ぼこりを落としたユッフィー姫も服をポイポイ脱いで、マリスと一緒に水遊びを始めました。なんとも無防備。女子旅の特権、サービスシーンです！
「いいですねぇ！ エルルちゃんはぁ、お食事の準備しますねぇ」
エルルは、ユッフィーが脱いだ服を洗って干したり。乾かすために火打石と火打金を使って焚き火を起こした後、上流から泉の水を汲んできて、お茶の葉を入れて煮沸したり。あとは、バスケットから人数分のサンドウィッチを出すだけ。のんびりしてますが、意外としっかり者です。
余談ですが、アメリカ独立戦争のきっかけボストン茶会事件が起きた理由の一つに「現代とは紅茶の重要度が違った」説があります。お茶の葉に含まれるカテキンを「飲料水の殺菌目的で」利用していたと。嗜好品ではなく、生活必需品だったんですね。そりゃ重税に怒ります。
「む、茶の湯か…風流じゃな」
ウラナイ村の外に、記憶を失って倒れていたアリサ。紅茶の香りに、わずかに記憶を刺激されたようです。
「みなさぁん！ ティータイムにしましょお♪」
別世界の少年たちなら、もうとっくに先へ進んだ頃でしょうか。女子４人パーティはゆっくり、のんびりです。
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