『ゴッドタン』で讃えられた翌日、アンタッチャブルが『スクール革命!』でミルクボーイをやっていた件について
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『ゴッドタン』で讃えられた翌日、アンタッチャブルが『スクール革命!』でミルクボーイをやっていた件について

井上マサキ

2月29日(土)放送の『ゴッドタン』(テレ東)は「お笑いを存分に語れるバー」と題し、2019年のお笑いを出演者たちが存分に振り返った。

2019年はM-1グランプリも盛り上がったが、なんといってもトピックは「アンタッチャブルの復活」。

『全力!脱力タイムズ』(2019年11月29日放送)で10年ぶりに復活し、即興で漫才を披露したアンタッチャブル。こんな大きな出来事なのに、番組側は事前告知もCM前の煽りも全くなし。サプライズを仕掛けられた柴田と同じように、テレビの前のお笑いファンたちは全員ひっくり返ったのだった。それは芸人だって同じである。

東京03飯塚「山崎が出てきた瞬間、感動で涙出てきちゃったくらい。あの2人が並んだ絵面ってこんなに感動的なのかって」

『脱力タイムズ』でのアンタッチャブル復活は、柴田へのドッキリの形で行われたため、2人は事前のネタ合わせをしていない。それなのに、10年ぶりにセンターマイクの前に立った2人は、完全にアドリブで漫才を完成させていた。

劇団ひとり「俺、中居さんと一緒に見てたの。(中居が)『これドッキリって言いながら事前に知らせてんじゃん。こんなにできる訳ないもん』って言うから、『いや、2人はできるんですよ』って俺言ったの」
飯塚「俺らは知ってるよね!知ってるの!あの2人のすごさを!」
おぎやはぎ矢作「だって、10分の漫才の台本、2行しか書いてなかったんだから」

漫才中の所作を振り返り、何回でも見たいよねぇ~、と盛り上がるスタジオ。

そんなアンタッチャブルの漫才、実は『ゴッドタン』放送の翌日にテレビで流れていた。それも完全アドリブの漫才である。

3月1日放送『スクール革命!』(日テレ)でのことだ。

この日のゲスト講師は、10年ぶりに登場した柴田英嗣。番組レギュラーには山崎弘也がおり、アンタッチャブルの帰還にスタジオが沸く。さっそくボケてツッコむ2人のやりとりに、オードリー若林が「漫才始まっちゃうよ!」とはやし立て、ザキヤマが「始まったら止めてくれよ」と目配せする。

止めるわけがない。

「じっくり見るようなもんじゃない」

この日の企画は「動物ナンバーワン図鑑」。柴田がセレクトした動物ランキングを元にクイズを出題し、大喜利的な展開をひとしきり経て、さらに動物ネタを持つ芸人たちのネタコーナーも終えたころ。

知念侑李が「アンタッチャブルさんもお馴染みの動物ネタをやっていただけたら」と唐突に振る。「あーあれ?」ととぼけるザキヤマに、「いや!ない!ない!ない!」「ないぞ!」と否定する柴田。前に出てくるザキヤマに、柴田が嫌がりながらも横につく。

CMをまたぎ、「10年ぶりの漫才!」と煽り、アンタッチャブルの漫才が始まった……!

山崎「いやでもね、うちのお母さんが、好きな動物の名前を思い出せないんだって」

ミルクボーイである。

すぐに柴田が「なんか特徴は?」と返す。

山崎「鼻が長い動物らしいんだよね」
柴田「そら象やないかい」
山崎「だけど、鼻も長い上に、耳も大きいらしい」
柴田「いや、象やないかい!……って、全然違うよやりかたが!ミルクボーイこうじゃないのよ。『象ちゃうやないかい』だから」
山崎「とにかく大きい……」
柴田「そら象やないかい!いいかげんにしろ。ありがとうございました~」

*****

時を戻そう。『スクール革命!』前日の『ゴッドタン』、アンタッチャブルについて語る時間には続きがあるのだ。

『全力!脱力タイムズ』でコンビ復活をとげたアンタッチャブルは、続いて『THE MANZAI』(12月8日)に出演する。それもすごいよね!と飯塚が話を振るが、矢作は「ちょっと引っ張りすぎたよね」とこぼす。

矢作「出てくるまで全部こう、CMまたいでまたいで。あんな引っ張られた後に見るような漫才じゃないんだから」
(一同笑)
飯塚「くだらないからね(笑)中身はくだらないの。だって箇条書きで2個しかないんでしょ?」
矢作「そうだよ!2行で書いてあるネタじゃん」
小木「よく考えたらネタってそんな感じなんだよね、あの2人。思い出したよね」
飯塚じっくり見るもんじゃないよ!」
矢作「やっぱ脱力タイムズがピークだったと思う(笑)」

「10年ぶり」という冠がつき、脱力タイムズでの劇的な復活もあって、アンタッチャブルの漫才に対する期待値はとても高くなっている。伝説の、とか、幻の、とか、ついちゃう感じで。

でも、基本的には「2行で書いたネタ」なのだ。もちろんそれで10分の漫才ができるのはすごい。すごいけど、そりゃミルクボーイもやっちゃうのだ。静岡出身なのに「象やないかい」とエセ関西弁でツッコんでしまうのだ。

高くなりすぎたアンタッチャブルへのハードルを、『ゴッドタン』は「高いよ!」と言ってくれた。そしてアンタッチャブルは、高さを気にせずしれっとミルクボーイをやってのけた。

あの2人なら、高いハードルだって下を平気でくぐってしまうだろう。その飄々とした態度までも、10年ぶりに復活していることを嬉しく思うのだ。


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井上マサキ

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イスタンブール(トルコ)
井上マサキ
フリーランスのライター/共著『桃太郎のきびだんごは経費で落ちるのか?』『たのしい路線図』『日本の路線図』/『99人の壁』「路線図」でグランドスラム達成/『着信御礼!ケータイ大喜利』でレジェンド初段(INO)でした/MENSA会員/宮城県出身