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木曜日の読書

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記事一覧

第33回日本映画批評家大賞 授賞式

2024年5月22日。東京・有楽町の東京国際フォーラム ホールCにて、『第33回日本映画批評家大賞 …

アンマchan
4日前
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斎藤美奈子著『挑発する少女小説』

映画『水深ゼロメートルから』(山下敦弘監督、2024年)は、補習と称して教師から、水を抜いたプ…

アンマchan
11日前
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何故働くのか、何故本を読むのか~島田潤一郎著『古くてあたらしい仕事』~

2024年のGWが終わった。 世間は「最大10連休」と騒ぎ立てたが、職場はカレンダーどおりだった…

アンマchan
2週間前
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歌の力は凄い!~映画『ラジオ下神白』~

震災なんて無かった方が良かった。 もちろん、そのとおりだ。 2011年の東日本大震災では自然災…

アンマchan
3週間前
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原作ものの映画を撮る~西川美和『スクリーンが待っている』~

ここ1カ月の間に、偶然にも、原作ものの映画制作についての本を立て続けに読んだ。 一冊は、『…

アンマchan
1か月前
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渡辺芳子著『夢さがし アルフィー・高見沢俊彦物語』&『THE ALFEE SUMMER EVENTS 198…

40年以上も前の出来事だ。 2024年現在、多くの人にとってアルフィー(現・THE ALFEE)は、物心つ…

アンマchan
1か月前
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中島たい子著『パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら』

『パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら』(幻冬舎文庫、2024年。以下、本書)の著者・中島たい子は『そう思って生きてきた』。 なーんで、そんなことを言われるかといえば…… 子どもの頃、夏休みには必ずフランスからいとこたちが遊びに来ていたし、フランスにも行ったことがある。その上で、"心情"的に「ごめん無理」なのである。 そんな彼女が40歳を超えて、パートナーの男性とフランスに行くことになり、まとまった期間、叔父夫婦の家にやっかいになった。 大人になった彼女は、フランス

私はどんな本を読んだらいいですか?~なだいなだ著『娘の学校』より~

なだいなだ著『娘の学校』(ちくま文庫、2023年。原著は1969年刊。以下、本書)の「指導にならな…

アンマchan
1か月前
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原作と映画の素敵な巡り会い~森下典子著『茶の湯の冒険 「日日是好日」から広がるし…

2024年が始まって間もない頃、テレビドラマ化された漫画を巡って、とても悲しい出来事があった…

アンマchan
2か月前
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これを書いているのは誰? 「わたしたち」って誰?~松浦理英子著『裏ヴァージョン』…

読み進めるうちに、嫌悪が混じった感情が生まれ、混乱した。 松浦理英子著『裏ヴァージョン』(…

アンマchan
2か月前
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石田五郎著『天文台日記』

映画『夜明けのすべて』(瀬尾まいこ原作、三宅唱共同脚本・監督、2024年)で主人公2人が勤める…

アンマchan
2か月前
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多和田葉子著『献灯使』

デストピア小説というものがある。基本的にその物語世界は、空想或いは創造で現実ではないが、…

アンマchan
2か月前

植本一子・滝口悠生著『さびしさについて』

自分が知らなかったことを知り、経験していない(できない)ことを疑似体験できるのが、読書の醍…

アンマchan
2か月前
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映画好きのための参考書~北村匡平・児玉美月著『彼女たちのまなざし 日本映画の女性作家』~

北村匡平・児玉美月著『彼女たちのまなざし 日本映画の女性作家』(フィルムアート社、2023年。以下、本書)は、こう書き出される。 映画監督だけではない、世の中の多くの職業-特に「専門職」において-、残念ながら枕詞に「女性」と付けられることが、未だ多い。 そしてさらに残念ながら、そういった職業において「女性ならではの」を求められることも、未だ多いのも事実だ。 と、未だ残念なことが多い世の中だが、ただ嘆いていても始まらない。 「女性監督」と括られてしまうなら、いっそのことそれを括