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お隣さんから牛乳借りれますか?

先日のイースターの三連休に、仲のいいメキシコ人の家にお呼ばれ。

テラスで、ワイワイとホットセビーチェ(温かい煮物みたいな)なるものを初めて食べ、お腹いっぱいになった後、みんなでお茶休憩。

我が道をゆく息子が「牛乳が飲みたい」と

そこで、彼女が取り出したのはラクトース抜きの牛乳。

どうやら普通の牛乳だとお腹を壊すようで、いつもこれとのこと。

「これって、普通の牛乳じゃないけど、いいの?」と

何度も念を押すが、わかっているのか、わかっていないのか、

息子はとにかくちょーだいと、笑顔を浮かべてコップを持って立っている。

飲んだ瞬間、「これ牛乳じゃない」と言いながら、

ねー本当の牛乳ちょうだいよという顔で彼女を見ている。

どうするのかと思い見ていると、彼女のとった行動に唖然。

ベランダを通って、隣の家に行き、ガラスをトントンと叩き、

「ちょっと牛乳分けて〜」と。

いつもなのか、こういう関係なのか、笑い声や戸惑いの雰囲気が漂う訳でもなく、すぐになみなみ注がれた牛乳と一緒に戻ってきた。

息子は、特に驚くこともなく、「ようやく牛乳が」という感じで一気飲み。

僕と妻は、日本でも昔は、隣から味噌借りたり、醤油借りるって話は聞くけど、実際に生で見るのは初めてだよね?と。自分だって、したことはない。

友人のラテンな性格もあるんだろうけど、素直に、これって、いい近所関係だよなと唖然の後に、感動がやってきた。

確かに、オランダに来て、近所と挨拶したり、気軽な交流は自然と増えた。宅配便が来て留守なら、平気で近所に預けるし、息子の友達がドアをノックして、「あーそーぼー」なんて毎晩のこと。

共有の時代、シェアリングエコノミーとか、毎日ニュースを騒がしている今日この頃。

シェアが進む背景に、脱所有という価値観のシフトがありつつも、デジタルを介して、変な近隣関係やわずわらしい後腐れを排除することで、シェアは進むし、実際に、自分もそうだから色んなサービスを使う面もある。

自分だって、便利な時代だと、Uber、AirBnB、シェアカー、家電レンタルサービスなどを使っている。

でも、隣人から牛乳を借りてきた友人を目の前にした時に、当たり前のことを除外した生活に慣れきった自分がいるという事実にも直面した。

当たり前のコミュニティーとしての助け合い。

隣の人に、ちょっと牛乳借りてくる!と言えるような人に、息子にはなって欲しいなと。そして、息子になって欲しいからには、自分も自然にできないとなと。でも、牛乳は少しハードルが高いなー!

many thanks for the image : Photo by Stage 7 Photography on Unsplash, Photo by Nina Strehl on Unsplash

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