見出し画像

感恩報謝の会 ~修身教授録と7つの習慣~

大体1カ月に1回くらい、同年代の経済人同士で「感恩報謝の会」という勉強会をやっています。
持ち回りで、自分の生きる上で大切にしていることや学んだことなどを発表し、参加メンバーでその内容に関連して意見を言い合う場です。

昨日は私が担当でした。
会社ウェブサイトにも記載していますが、私は『修身教授録』と『7つの習慣』の2冊を人生のバイブルにしています。
『修身教授録』は、修身学の要諦とされる本で、戦前の教育者を目指す学生に対する授業の記録をまとめたものです。
『7つの習慣』は、アメリカで成功について調べたコヴィーという人が、テクニックではなく人格に基づき人間関係を構築することが成功であると主張し、人格を磨くための習慣について説いているものです。
この2冊は全く文化の違う東洋と西洋で生まれながら、いずれも道徳をベースにしており、内容に親和性があります。
同じことを言っていればそれは真理に近いだろうと思い、今回の発表を機に共通点をまとめて、自分の理解を深める試みを行いました。

それぞれどんな本かは個人ブログにまとめているので、いずれまたこちらにも転載したいと思います。
この記事では、昨日発表した中で2冊の共通点を抜粋したものを残しておきたいと思います。

パラダイム・シフト

『修身教授録』には、我欲を捨て公欲に生きなさいという話があります。
家が貧乏で上級学校に行けず小学校教師にしかなれなかったとしても、中学校教師になれない境遇を恨めしく思うのではなく、その道を力強く進んで次世代に道を拓くことができれば、それこそが教師の本分と説いています。

これは7つの習慣の「パラダイム・シフト」で説明することができます。
小学校教師だの中学校教師だのは人間が作り上げた区分であって原則ではなく、教師は次世代育成に力を尽くすことこそが原則に叶います。
その区分に囚われた視野から脱却し、教師として自分の人格を磨き次世代を導くあり方に立つこと、それはまさにパラダイムシフトです。

自分が原則に基づいて仕事をしているか、常に意識しなければならないのは誰にとっても同じではないでしょうか。

受け入れることから主体性は始まる

修身教授録ではたびたび「運命として受け入れなさい」と説いています。
7つの習慣でも、どんな悲惨な結果でもそれが自分の力の及ばないものだとしても、それは自分の選択の結果だと思う所から主体性は始まるとあります。
7つの習慣は「依存」から「自立」を目指し、自立した人同士の人間関係で相乗効果を生み出す「相互依存」を目指す本ですが、受け入れなければいつまでも自立することはできません。
先ほどのパラダイムシフトからも繋がりますが、愚痴を言っていても1ミリも前には進まないので、まずは受け入れてそこから自分に何ができるか考えて実践すること、これが主体的な態度です。

「人間である」とは自覚を持つこと

「人とその他の動物との違いは理性があること」とよく言われますが、2冊ともそれでは人間の理解として不十分としています。
修身教授録では、人と禽獣の違いとして、自分の姿を鏡に映すかごとく自分を客観的に見ることであると言っています。
7つの習慣でも、感情でも気分でも思考ですらなく、そこから切り離して自分自身を考えられるのが人間であると言っています。
感情や気分や思い付きで反応するのは人間的ではありません。
考えすぎて行動できないのも問題ですが、自分の正しいあり方を常に意識して、刺激に即反応するのではなくその間のスペースを意識して生きていくことが強い心を養成します。

成功のためには原則に基づいた志を持つこと

修身教授録では、教育者たるもの後進のために一道を拓く志を持つべきと説いています。
7つの習慣では、終わりを思い描いてそこから逆算して今のあり方を見定めるべきと説いています。
これが最も大事なことで、吉田松陰が「夢なき者に成功なし」と残しているように、真の成功は志を持たなければ手に入れられない。

これは紛れもない真理だと思います。
だからどれだけ時間がかかっても、原則に基づいた志を持つこと。
これが唯一の道であり、遠回りのようで一番の近道です。
志を持つ→実践する→成功と失敗から志をアップデートする
この螺旋階段のような成長サイクルは、生涯をかけて行っていかなければなりません。

雑話

バイブルにしていると言っても、どちらとも極めているわけではありません。
頭では分かってますが、実際にはできてないことばかりです。
にも関わらずその2冊から共通点を洗い出しまとめるというのは、とてつもない労力がかかりました。
1カ月前から取りかかってますから、トータルで50時間は費やしたかもしれません。
その分だけ自分の学びになっているので有意義な時間ではありましたが、改めて1冊の本を理解し実践するのがいかに難しいかを再認識しました。
そして、1冊に心酔するのではなく、対比して読むことによる理解の深まりもまた実感することができました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?