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建物は世代を超えて残るものだからこそ考えたい。 親から子へのバトンゾーンの話

「うちの物件もこんな風にしたいです!」

店舗をやったり、DIYしてもOKな賃貸住宅を自分自身がやるようになって、そんなご相談をいただくことが多くなった。
でも、それはありがたいことであると同時に、慎重にお話をすすめたい場面でもあるということをまずお話させていただくことが多い。

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私自身が父の持つ物件をリノベーションしはじめたのも、はじめから大きくはじめたわけではなかった。
まだ、他の会社に勤めながらのことだったし、そんなDIYや店舗に利用できるような職住近接のライフスタイルなんて、意味がわからないしうまくいくはずないと多くの人に言われた。

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だから、私自身もまずは小さく、実践することからスタートした。
取り壊して駐車場にしようか迷っている、100%空き室物件を作って入居者を募集するところからはじまって、1件ずつ入居希望者が集まり…、実践して形になることで家族からも少しずつ理解を得ながら、いまの事業が成り立っている。

そういった意味では、はじめに小さく物件をなにかに転用してみるというのは十分に選択肢としてはありうる。
どうせ更地にする物件なら、ある意味なおさら迷惑はかからない。
自分ひとりの背負える範囲でチャレンジをして、かっこいい物件を作って、入居者を募集してみるというのは有効な手段であると思う。

ただ、実際の場合にはそんなプロセスはすっ飛ばして、全部の持ち物件をなんとかしたい!という相談を受けることも多い。
もちろん気持ちは痛いほどよく分かる。
けれども、物件というのは多くの場合「家族と相続」の絡むものであるということを、ここで皆さんに伝えたい。

物件は数十年かけて育てるものだから

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私自身、大家業を営む父から事業を受け継いだこともあって、不動産運営の相談を受ける際も「事業を継承する」ことをしっかり考えながらお仕事を受けるようにしている。

というのも、不動産は常に相続とあわせて考えなければ、不幸も生み出してしまうからだ。

建築や改修にかかる金額は大きく、そのかけたお金の回収にかかる期間も長くなる不動産を用いた事業は、数十年スパンでの計画を必要とする。

せっかく気合を入れて作った物件も、兄弟間の相続関係をちゃんと決めてなかったばっかりに続かなかったり、次世代にきちんと意志を伝えていなかったばっかりに継承されていかない物件だってたくさんある。
それは、いつまでも元気でいてほしいという大前提故に、家族の間でも相続に関する話は触れられずに過ごしていた場合、事故や病気で話し合うこともできずに後々問題になる…ということだってあるのだ。

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でも、実際に相続対策について家族会議から参加させてもらい、将来に向けての納得が得られれば、その後の計画や物件開発、その後数十年と続いていく管理運営体制にまで長期的な視野が開ける。

物件をもってるから「なんかいい感じのことをやりたい」というのは、スタート時点で小さく始めることには大賛成なのだけど、はじめからフルスロットルでガンガンやっていきたい!という人には、きちんと言葉を尽くした家族会議の時間を面倒でも必ず行うようにしていく。

世代を超えてつなぐことでできること

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不動産物件は建てたり改修して終わりにはならないものだから、数十年関わっていく数世代の関係性をきちんと解決しなければならないと思う。

そのことを想うとき、ミナペルホネンの皆川明さんが、ミナペルホネンを100年続いていく会社にしていく上で、早めに事業をバトンタッチしていく様子にたとえているお話をきいたことを思い出す。
リレーでバトンを受け渡す時に、渡す側がへろへろだとリレーには勝てない。
それはもちろん受け取る側だって、相当なスピードまで加速していないといけない。

場合によっては桁違いの負債となって子孫に負担を強いる「不動産物件」は、自分だけではどうしようもなくなる規模の危険性も秘めている。
そこで出てくる問題に一緒に向き合い、たくさんの大家さんの助けになるようなよいバトンゾーンのお手伝いをすることが私のやりたい仕事だ。

また今回の記事で、ぜひご興味をもっていただいた方には、兵庫県宝塚市にあるinno.townにもお越し頂ければと思います。

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