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"正しいリアクション"があるという思い込み

「この場で相手にどう振る舞うのが正解か」
「何と答えたら、相手が喜んでくれるのか」

このような思考が染み付いていませんか?
コミュニケーションを取る時に、知らず知らずに基準にしてしまう考え方…

アダルトチルドレンにとって
「何が相手の求める"正解"なのか」
ということを、コミュニケーションのベースに置くことが少なくありません。

そもそも前提となる話ですが、人と人がコミュニケーションを取るということは、育った環境や年齢、性別を踏まえて、見てきたものや感じ方が違う上で、それぞれの感じ方や考え方を交換し合う機会です。

AさんとBさんがコミュニケーションを取るのであれば、二人は違った人生を生きてきているので、価値観や思考のあり方、大事にするものがAさんとBさんで違うことは当たり前のこと。
笑うタイミングや苛立つポイントが違うことも、もちろん当然のことなのです。

その上で、自分と相手の意見が違った場合は
「私の考え方とは違うな、でも、相手が言っているような考え方もあるのか」
と捉えるだけで良いのです。
もし、相手の意見があまりにも理解できないのであれば
「意見を否定するつもりはないけど、私とは合わないかもしれない」
という気持ちで様子を見たり、相手と距離を置いても何の問題もないことなのです。

しかし、アダルトチルドレンにとってのコミュニケーションとは、話す相手が怒らないように
"相手の求めるリアクション"
を演じたり
"相手が喜ぶ言葉"
を考え伝えることが少なくありません。
"相手を怒らせないこと"や、"機嫌を取る"ということが、身体に染み付いてしまっているのです。

それらは、恐らく家族や親しい人との関係を築く中で、必要不可欠なスキルであったのだと思います。
だからこそ、誰とコミュニケーションを取るにしても相手の様子や機嫌を見て、自分の行動を決めてしまう傾向にあるのだと思います。

今までの話の流れからするとそのように振る舞ってきた人は、これまでの習慣が良くないのでは…と思ってしまうかと思いますが、悪いことばかりではないと、私は思います。
あなたはきっと人のことを見る習慣がついているのだと思います。
あなたとのコミュニケーションがあったからこそ、勇気付けられた人や、自分の気持ちに確信を持ち、励まされた人もきっと居るはずです。

ぜひ、今度は自分自身にそう振る舞ってあげて欲しいなと思います。

人と違う意見を持った時、他人相手であれば
「それも○○の立場だったらそう思うのは当然だよね」
と声をかけてあげるのではないかと思います。
今度はぜひ、自分にもその言葉をかけてあげて欲しいのです。

自分の一番の味方は自分。
それを忘れずに、あなたが他人にとってきたコミュニケーションを、自分自身にもしてあげてください。
恐らく、他人とのコミュニケーションを取る上で、相手の意見や気持ちを最優先にしてきた人にとって、容易なことではないだろうと思います。

それでも、自分をまず一番に大切にする為に、「あの人はああ言ってるけど、私はこう思う」
という気持ちや
「あの意見は正しい気もする。でも、私にとってはこれが一番大切な気がする」
という、小さな違和感を少しでも感じ、自分が大切にしたい思いを感じたら、その気持ちをぜひ大切に扱って欲しいと思います。

人との違いを見つけた時に恐れなくて大丈夫です。
私は私、相手は相手。
それぞれの意見に"正解""不正解"はなく、生きてきた環境が違う人たちの二つの価値観があるだけなのです。

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