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【高級に見せろ!】コンビニ冷食たか見え選手権

はじめまして、Inkamiです。今回は「コンビニの冷食を撮影して、どれだけ高級に見せられるか」を競ってみたいと思います。

ルール


・今回は、セブンイレブンの冷食からそれぞれ好きなものを選んで撮影する。
・写真に写ってよいのは食事に使うもの(カトラリーなど)のみ
・食材のちょい足しは禁止。
・参加者はそれぞれ5人以上の知り合いにエントリー写真を送り、どれが一番高級に見えるか投票してもらう。

そして参加メンバーはこの3名。

ALO:昨年フルサイズデビュー、カメラ歴1年くらい。今回撮影するのは「牛皿」。
haku:3人の中で一番カメラ歴が長い。今回撮影するのは「トマトひろがるナポリタン」。
めぶり:カメラ歴1年くらい。今回撮影するのは「なすとトマトのチーズパスタ」。

ではここからはめぶり視点で実体験をつづっていこうと思います!

1日目

まず先輩に料理写真のアドバイスを求めたところ、「撮りたいイメージの写真をよく見て研究しておくといいよ~」とのこと。「パスタ おしゃれ」あたりで検索すると、背景が黒っぽくて影多めの写真がお高そうに見えますね…。曇りの日に撮りました?って感じの雰囲気。というわけで今回はアンニュイな色味の写真を撮ることに決定!

そうと決まれば買い出しです。百均でカトラリーや白と黒の画用紙を購入。画用紙は背景やレフ版に使います。お皿はもともと持っていたニトリのお皿にしました。セッティングは、黒画用紙を三枚張り合わせて三面鏡のように立てます。そして皿の下にも黒画用紙を敷きます。今回は黒背景なので湯気が撮りたい…と思い、レンジのすぐそばに設営。

さーてやってやりますか!そう息巻いてレンジにパスタを投入。すぐさま漂うニンニクの香りに食欲をそそられます。たまらん。温まったようなので取り出してお皿に盛り付け…れない。トングを使ってくるくるっと巻きたいんですが、これがまず鬼門。綺麗に巻けません。もしかしてお店の人ってパスタ巻き検定1級とか持ってる?

母親を召喚し、やっと少しマシな盛り付けになった時には湯気は消えてました。「じゃあもう一回レンチンすればいいやん!」と思い、盛り付けた状態でレンジに突っ込む。でもそう簡単にいかないのが世の中です。諸行無常。

湯気が出ない。

麺はアッツアツなのに湯気が出ない。霧吹きで水をかけてもう一回レンジに入れても全然出ない。諦めきれずパスタをつつきまわしてみたら、やっと湯気と再会できました。「そうか…外側のパスタをどかさないと湯気がでないんだ…」という下手したら小学生でも分かりそうな事でアタフタ。内側から温まるからなのか、フタになってた麺をどけたからなのか分かりませんが、今年で三十路なのにお恥ずかしい。

というわけでこの時点でパスタはパツパツに膨れ、せっかくマシな盛り付けにしたのに崩れてます。でも湯気は撮りたいのでシャッター切ってみる。

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アチャー…。

湯気はかろうじて撮れたけど美味しくなさそう、すごく。ここからはPCでこの写真を見て気づいたのですが、

・そもそもピントが合ってない
・ナスが何か分からない(ピントが合っていないのと配置の問題)
・盛り付け汚ぇ

この3つが改善されればだいぶ見映えは変わりそうです。という訳で予習をしてリベンジしちゃいましょう!

2日目

こちらの書籍でまず撮影について予習しました。

デザイナー&ディレクターが写真を上手に撮る本

こちらは仕事向けの写真の撮り方のHow toがしっかり載っていて、私みたいな写真1年生にはありがたい内容です。恥ずかしながらF値とまだ仲良くなれていなかったので、この本でそこもしっかりクリアにして挑みます。また、グレーカードなるものが付いているのもこの本のありがたいところ。これは撮影の際、色がばらけないようにホワイトバランスの調整に使います。

次に一番の鬼門、盛り付けについて学びます。これはひたすら記事や動画を漁りました。その中で一番初心者向けそうなのがこれ。

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パスタの盛り付け方(イラスト:めぶり)

ドーナツ型に麺を置いて、真ん中でトングくるくるをキメます。なるほど頭いい…!これならできそうな気がしてきたぞ!今回は盛り付けが大切だなと痛感したので、湯気は捨てました。まずは基本を抑えないとね…。

セッティングも昨日は順光だったので、若干サイド光寄りに角度を変えてます。でも今思うと逆光か半逆光の方が手元に影が落ちるし、立体感が出て良かったかもしれません。

撮影を開始!レンジから出したパスタをイメトレ通りに盛り付けます。盛り付けながら気づいたのですが、パスタは真上から見たシルエットが整っていれば綺麗に見えるみたいです。(トングの作業後に、外側のパスタがぴょんぴょん出たりしないよう、箸で巻き込むように盛りました。)いける…これはいけるぞ…!そして撮り終わったのがこれ。

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レンジ横でひっそり撮影したやつ

ええやん!

ナスも内側を見せて「ナスらしさ」を出してます。これなら何が入ってるかも一目瞭然!本来この写真はもっと暗めに撮っています。露出だけを上げるとこんな感じで色が薄く、背景も画用紙や地面との設置面が気になりますね。ここからはLight roomとPhotoshopの出番です!

レタッチも勉強中なので基本的にLight room自動補正で行きます。そこに鮮やかさをプラス、影はしっかり入れました。ISO感度高めなので、ノイズ補正は数値きもち高めに。Photoshopでは、コピースタンプツールで不要なものを消していきます。そして…

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レタッチ後

完成!

見てください、1日目と2日目のこの差を。被写体も食器も全く同じでこの違い。こんなに変わるの?写真こわ…。

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ビフォーアフター

ちなみに「真俯瞰の構図なら盛り付けなんてごまかせるのでは?」と思い、1日目と2日目で撮ってます。

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盛り付けはごまかせない…

ダメでした。

使用サイズがめちゃくちゃ小さければいいかもしれないけど、雑然としてます…。美味しそうに盛り付けられる飲食業の方々ってすごい。

そして全員の作品が出揃いました…!どれも力作です。今回は撮影して出てきた疑問点について、私たちに写真の面白さを教えてくれたプロのカメラマン、NICE LIFE PHOTOGRAPHの稲葉先生にアドバイスをいただきました!作品と一緒にご紹介します!

エントリー作品

ALO

牛皿

カメラ:SONYα7III / FE 24-105mm F4 G OSS
使用:ベージュのざら紙(家にあった)
こだわり:全体的にやや暗めに調整し、シズル感が出るよう油のテカリなどはシャープにさせることを意識しています。料理に視線が向くよう、余白は少なめでぼかし強めにしました。
:「高級料理とは」の自分なりの定義が甘く、撮影〜編集まで「美味しそうに見えるかなあ」に考えが向いていた気が...
それも大事なことなんでしょうけど、それプラス高級感の演出が出ればもっと満足できる作品に仕上がったんじゃないかと思います。あと牛皿美味しかったです。

疑問点:ダンチュー(雑誌)を参考にしたのですが、正直美味しそうに見えません。お肉の加工品・調理済みの色味は赤くすべきでしょうか。

プロからのアドバイス:お肉の加工品などを暖色系に色味を振ることはありますね。自然光かライティングかわかりませんが、どれだけそのままの色が出るのかを環境をまず整える必要があります。牛皿の写真は、茶色の食品なので撮るのはこの中では1番難しいですよね。お皿の色はいいと思いますが、溝が深いのでお皿の側面に目がいくかと思います。もう少し浅いお皿で食品の面積の方が大きくなるといいのかなと。
光の向きもどこから光が当たっているのかあまりわからないので、環境の光をコントロールしてメインの光を作り出した方が美味しそうに写るかとは思います!

haku

トマトひろがるナポリタン

使用:画用紙(キャンドウ)
カメラ:Nikon D5500
レンズ:AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
こだわり:高級感をイメージするために余白を多めにした。背景を緑にすることでナポリタンの色を強調できた。
:盛り付けをもう少しきれいにしたい。
  ピントの合わせ方が甘い
  ピントが合ってる範囲をもう少し大きくした方がいい

プロからのアドバイス:こちらの写真はパスタの色味的には1番美味しそうなのかなと思いました!広告写真としてキャッチコピーとか名前が入ったり箱になったりしたらかなりリアルになりそうですよね。あと…かなり細かく考えるとお皿の下の影が床の色に被りすぎている印象がありますね。床のブルーが明るく反射している事になります。お皿の影の色かぶりしている部分の彩度を編集で落とす、そして床全体のトーンを編集で落とすともう少し落ち着いた印象になりそうかなと思いました!彩度やコントラストが強いとインパクトは大きくなるのですが、チープな印象にもなりがちです。そのバランスを整えていく事が求められる思います。

めぶり

なすとトマトのチーズパスタ

使用:画用紙(ダイソー)
カメラ:OLYMPUS PEN E-PL10
レンズ:M.ZUKO DEGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ
こだわり:黒背景で重厚感のある雰囲気を目指しました。とにかく盛り付けにこだわりました。
:半逆光や逆光で撮れたらもっと良かったかも。レタッチもまだまだ改善の余地ありだなと思います。

疑問点:湯気を撮りたかったのですが、コツはありますか?また、今回のエントリー作品ではありませんが、真俯瞰で撮るとフォークなどのカトラリーがまっすぐに見えず苦戦しました。

プロからのアドバイス:湯気はかなり難しいですね。
まず、背景は湯気(白)がでるように黒などに落とす必要がありますね。
あとは、スチームを別で作り出して、瞬間足すとかもあります。アップのパスタは背景が近いので、ピントが背景にもしっかり来ています。視線をよりパスタに持って行かせるためには、この紺の背景もボケている方がいいと思います。そのためには、背景を離す。望遠のレンズを使う。など方法はあるかと思います。あと、左上のナスの形があまり美しくないかと思いました。盛り付けの工夫が必要ですね!
真俯瞰のパスタは盛り付けも工夫が見られていいと思いました。
光の向きも逆光で撮られていて、光の意識されています。
あとはカメラのレンズが広角気味なのでスプーンやフォークなど外側の被写体に歪みが発生しています。この歪みを無くすためには被写体からもっと離れて望遠で撮る必要があります。

そして投票結果は…

そして投票結果、私めぶりが1位になりました。ありがとうございます!選んだ理由を聞くと、お皿が高そうとのこと…皿かい。青の洞窟シリーズっぽい色だったとのこと。このお皿ニトリのだよ…ニトリは勝利の女神だったのか…。

撮ってみて思ったこと

知識の有無でこんなに出来栄えが変わるとはびっくりでした!デザイナーとしても、写真を撮った経験があると写真に対する判断基準ができ、どこを見ればよいか迷わずに済みます。また、当たり前なんですが本を読んだ後は実践した方が100倍学びに繋がりますね…。それと、プロ目線では真俯瞰の写真の方が良かったようなので、写真を見る「目」をまず肥やさなければならないなということも分かりました。これからも色々なものを撮りたいなと思いました。

#コンビニ飯 #セブンイレブン #選手権 #Inkami #写真 #レタッチ

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