ドラゴンズドグマ2【10年遅い】


内容について

ドラゴンズドグマ2の(おそらく)真エンディングをクリアしたので、そのレビュー不満点を書いていくだけです。

批判的内容が多分に含まれているので、苦手な方はブラウザバックお願いします。

あいさつ

どうも、初めまして。オープンワールドという単語に脳みそを焼かれた「きゅーぴっどぅ」です。よろしくお願いします。
先日、2024年3月22日に、全国の黒呪島在住の覚者様方が待ち続けていたシリーズ続編である、「Dragon's Dogma 2」(以下、ドグマ2と略)が発売されました。
かくいう私は、黒呪島のエンドコンテンツが結構楽しくて、今作もあるのかな~、10年という歳月がドラゴンズドグマ(以下、ドグマと略)の世界はどんな風に進化したんだろ~! と、非常に楽しみにしていました。
楽しみにしていたんですが・・・

無事に(おそらく)真エンディングに到達したので、一筆したためようと思った次第であります。お付き合いいただけたら幸いです。

買うべきかいなか

あいさつの次にこの見出しをおいているということは、そういうことです。
こんな場末のnoteを覗いていらっしゃるゲーマーの皆様ならば、おそらくご存知のことかと思いますが、この「Dragon's Dogma 2」は、ただいま、最適化不足などの問題でちょっぴり炎上しています。
しかし、こう思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最適化とかが片付いたら、買ってみようかな」と。
結論を申しますと、このゲームの問題は最適化不足だけではありませんゲーム体験それ自体に、大いなる問題があります
それゆえ、私個人の意見ではありますが、このゲームを買うならば、少なくとも(CAPCOMお得意の)完全版が出たタイミングではないかな、と思います。絶対に今ではありません。そして、エンドコンテンツが用意されていて値段も安いので、前作のドラゴンズドグマダークアリズンを買ったほうが良いです。もちろん、このnoteをもし読んでくださって、魅力的だな、と思うならば買ってください。ドグマ3の発売のためにも
ということで、およそ35時間ほどのプレイで見えてきた、最適化以外の問題点についてお話しようと思います。

ドグマ2とはどのようなゲームか

以下に、ドグマ2のゲーム概要を簡単に説明します。

1.オープンワールドアクションゲームである
2.自由なファストトラベルはできない
3.オンラインマルチプレイはできない
4.ポーンと呼ばれるnpcを3名まで同行可能
5.自分の作ったポーンをオンラインを通して借りられることがある
6.セーブデータは1つしか用意できない
7.マルチエンディングであり、エンディングロールの中で別のエンディングに派生することができるルートも存在する
8.10種類の職業が用意されており、それらを駆使して戦闘する

この8つが、ドグマ2の根幹となるシステムです。

時代遅れのオープンワールド

ドグマのファストトラベル

さて、前作のドラゴンズドグマ(ダークアリズン)などをプレイしていない方に向けて、ドグマのオープンワールドについて語っていきたいと思います。
ドグマでは、安全なファストトラベル、無料のファストトラベルというものは存在しません
ファストトラベルするためには、刹那の飛石というアイテムを使用する必要があり、ゲーム内通貨でも結構な値段がします。クエストクリアで貰えることもありますが、そこまで数はもらえません。
そして、これだけの値段を払ったとしても、ファストトラベルできる箇所は非常に少ないです。自分でファストトラベルのポイントを置くことも可能にはなるのですが、かなり入手頻度が渋いです。
また、この刹那の飛石の入手頻度も割と限られていて、ショップでは1回につき1つ、時間経過でしか買うことができない、という仕様もあります。

「じゃあ移動はどうすんの? 馬とかそういう騎乗動物使うの?」

いません
そう、前作までならね。

ドグマ2のファストトラベル

前作の4倍の広さになったドグマ2では、なんと牛車という便利な移動手段があります。刹那の飛石の50分の1ほどの値段で、ファストトラベルできます。
ただし、移動途中に襲撃されるリスクがあります。
そして、牛車には目視できない耐久値があり、普通に壊れます。ゾンビの爆発で、牛が燃えて死んだときには思わず舌打ちが出ました。
その上、牛車は一部の各拠点間をつなぐだけであり、移動可能な場所が少ないこと少ないこと
しかも後半のマップに至っては、ほとんどありません。(代わりに自分で操作するロープウェイがあり、正直こちらのほうが100倍は快適でした)

ドグマ2の移動方法

牛車は壊されます。壊されたら、そう、おわかりですね?
徒歩です。徒歩で目的地まで歩きます。
クエスト地点に行くまでも徒歩、クエストから帰るのも徒歩、あるいは幸運にもワープポイントの近くが帰還地点であれば、なけなしの通貨で用意したかクエスト報酬でもらえた刹那の飛石で帰れることもある。そんな移動です。
そして移動の際に、何よりもプレイヤーにとって邪魔なのは、スタミナの存在です。ダッシュなどの高速移動時のスタミナは、拠点などを除いて、0になることはありません
そしてスタミナゲージが0になると、npcの手助けで復帰できるとはいえ、しばらくバテるモーションが入り、これもいらいらします。
もちろんスタミナ回復系のアイテムは存在するのですが、そもそもこのゲームはアクションスキルなどでスタミナを消費するので、いちいちこんなところに割いていられません。まず素材となるアイテムを取りに行くために拠点外に出ますから、±0です。
プレイヤーはいちいちスタミナを視ながら、突発する戦闘にも気を配り、歩きとダッシュをないまぜにして移動します。

結果として、ゲーム時間の半分ほどは、ノロノロと歩くことになります

マップ設計

マップ設計もイマイチです。ドグマ2は確かに広くなりました。海と崖が多くなったので
特定のエンディングで海が消失しない限りは、海は落下死するだけのポイントですし、プレイヤーの崖登り能力は幼稚園児レベルです。もちろんこれも、ただの落下死するだけのポイントです。
また、ドグマシリーズ恒例だと思っているのですが、邪道な、たとえばRTAなどで好まれるようなショートカットの道を、ことごとく封鎖しています

結果として、プレイヤーに残された選択肢は、崖の狭い道をモンスターに怯えながら進み、味方が落下死したら助けに行けるかを検討し、毒づきながら時間を溶かす。そういったことしかありません。

良い点

しかし、これらはデメリットだけではありません。
確かに移動にはストレスが伴います。いちいち襲われるかもしれない、でもお金もないから牛車を使うしかない、という場面も多いです。というかほとんどです。
でも、それらのお陰で、プレイヤーはまるで本当に、治安の悪い世界の移動をしているかのような、そんな臨場感を味わうことができます。これは最近に流行りのオープンワールドゲームでは味わえない、特別な緊張感だと思います。

悪い点

まあでもですね、結局はめんどくさくなります
初めのうちは良いのですが、このゲーム、敵とのレベルシンクがないので、後半になると、ただただ雑魚を倒すだけの移動になります。そこには爽快感も緊張感もありません。蹂躙があります。
移動手段が限られているため、ゲーム内を観光したいから歩こう、クエストの続きが気になるからファストトラベル/騎乗動物を使おう、そんな選択肢は用意されていません。
そして、選択肢の少なさは、すなわちストレスです。

総評

総評として、このオープンワールドは前時代的な(2000年代の初頭ごろの)「不便なオープンワールド」を、そのまま踏襲しています。
もちろん、「不便なオープンワールド」が、単に悪いシステムではないことは理解しています。ただ、実際にはこの「不便なオープンワールド」システムは、前作のドグマでもそれなりに批判のあったところですし、現代の広いオープンワールドには向いていないし、なによりも有益なゲームプレイ体験に昇華できているタイミング/箇所が少なすぎます
そもそも、マップそれ自体が結構リニアな道なので、ステージ型にしない理由がわかりません
このオープンワールドに、話題作り以外の必要性があるのか? そんなことまで思ってしまいました。

物足りないポーン(NPC)たち

ポーンとは

ドグマシリーズ(オンラインゲーム版は除く)では、オンラインマルチプレイができない代わりに、ポーンという従者を制作し、連れて行くことができます。
自分では1人しか作れないのですが、オンラインにつなぐことによって、他者の作ったポーンを借り受けることができます。
そしてポーンは道案内もしてくれます。この道案内が重要で、クエストごとに連れて行くポーンを選ぶか選ばないかで、ゲームの進める速さが全く変わってくる、それほどの違いがあります。なにせドグマ2のマップUIは非常に不便なので。
そんな便利なポーンたちなのですが、前作では正直お話にならないぐらい性能が低かったです。敵の眼の前で棒立ち、まったく使ってほしくないスキルを連打するなど、初代ポケモンの敵npcを彷彿とさせるような性能でした。
しかし事前情報として、ポーンのAI性能を大幅に向上させた、というものがあって、今作には期待していたのですが・・・。
実際、ポーンは賢くなりました。ポーン同士の会話も、定型文とはいえ、あるにはあります。聞き飽きてくるとただ煩いだけですが。敵に対して有用な攻撃をしたり、支援行動も的確に行ってくれたり、本当に賢くなったんです。
でも、落下死します。それはもう落下死します。水に落ちる、崖から落ちる、嫌になるくらい落下死します。
私が体験したなかで一番ひどかったのは、崖に向かって飛び込むようなスキルを自分で使ってそのまま落下死、助けにも行けないから1人欠けた状況でクエストを進めなければならない、という状況がありました。
また、敵を引き連れてきます。十字キーを利用してポーンに指示をだすことができるのですが、攻撃をやめてこっちにこい、という指示では攻撃モーションを止めることができず、結構な確率で制御不能なバーサーカーが誕生します。
また、死亡したときに、その死亡をしらせる音がなるのですが、蘇生時間が終わるまで永遠になり続けます。正直煩いです。設定で弄ることはできません

そして、本作のポーンの、いえドグマ2というゲームの最大の問題点、それは「竜憑き」という病気を持っているポーンがいることです。

時限爆弾のポーン

竜憑き」とは、ポーンに特有の症状であり、これを発症したポーンは攻撃性能があがります。特徴としては、言葉が強くなったり、ポーンの目が赤くなったりします。自身の用意したポーン(メインポーン)だけでなく、オンラインで借りてきたポーン(サポートポーン)も発症します。
初期段階ではメリット(一応)なんですが、症状が進行するにつれて、プレイヤーの指示を無視したりします。
そして、最終段階に到達すると、「竜憑き」のポーンは恐ろしい爆弾となります。宿屋などのセーブポイントで寝ると禍々しいムービーが入り、「あなたの注意不足のせいで周りのみんなが死にました」というような文章が表示されたあとに目覚めると、周囲のnpcが全員死んでいます
これ、クエスト関係のnpcも死にますマジです。というか街一つの住民が死にます。しかもたちの悪いことに、宿屋などでセーブしたタイミングで発生するようになっているので、最終段階に到達してしまうと大規模突然死を防ぐことはできませんあとで記述しますが、このゲームのセーブデータのロード方法にも防げない原因があります。

一応、対策救済策も存在します。
対策としては、まめにポーンたちを観察し、兆候が出たらメインポーンならば(掴みモーションが存在するので)海や崖で落下死をさせて後で呼び出せばよいですし、サポートポーンならクビにして新しいポーンを雇えばよいです。なお、ポーンには目の隠れるような装備をつけないようにし、付けているポーンは雇ってはいけません
救済策としては、ネットで調べる限り、スフィンクスというモンスターの謎掛けをすべてクリアした報酬のアイテムを使用することで広い範囲に蘇生が使えるようになったりある一定期間が過ぎるとnpcが自動蘇生されるなど、いくつかの方法が存在するようです。
2024/03/26 22:52追記:エンディング付近で竜憑きをヴェルンワースにて発生させましたが、スヴェン、ディーサは復活しませんでした。場所が変わっている可能性もありますが、真エンディングを鑑みるに大きく場所が変わっていることはないと思われます。ネット上の情報を鑑みても、重要npcは自動では復活しない可能性が高いと思われます。
2024/03/27 11:38追記:ゲーム内時間を30日ほど経過させても遺体安置所にスヴェンやディーサなどがいることを確認しました。他のnpcは不明ですが、重要npcは蘇生制限がないと思われます。


やりすぎです。
正直、イカれていると思いました。そんなにポーンを簡単に借りられたら悔しいですか? という感想しか出てきません。

昨今主流のオンラインマルチプレイを封じるだけでなく、(まだ完全には判明してはいませんが)純粋なデメリットを提供してきます。
メイン/サブクエストでも特に竜憑きに関する目立ったクエストはありませんし、ポーンがたまに定型文の会話で「恐ろしい病があるそうです」と言及するぐらいです。また、街一つのnpcが死ぬ、という前代未聞の厄災をもたらすなど、本当にわからないんです。大いなる厄災、としか言われてませんしね。
また、メインポーンは死ぬと「顔や身体に傷がつく」という仕様が存在します。
つまり、頑張ってお気に入りのポーンを制作しても、何度か「竜憑き」を回避するために殺すと、傷がつきます。しかも現状わかっている段階では、その傷は消せません。病気の結果、傷がついても愛することができるよね? という多用性チェックなのかもしれません。糞食らえです

2024/03/06 22:51追記:バタルの火山島エリアの温泉街で傷は消せるようです。リサーチ不足、大変申し訳ございませんでした。

総評

オンラインマルチプレイはできないけど、npc雇えるよ! 特大デメリットもたまにあるけどね!
そんなポーンですが、どうでしょうか? 一緒に冒険したいですか?
私はいやです。
作中の後半に訪れる国では、ポーンは厄災の象徴と言われて忌み嫌われていますが、その気持がよくわかります。
こんなところで設定にリアリティをもたせるのは正直どうかしています
初見でこれを食らってしまうとしばらく進行ができなくなりますし、ただでさえ移動でもストレスがあるのに、こんな要素、本当にただのストレスの塊です。
そもそもなぜ不便なnpcを使用しなければならないのに、それに加えていつ発症するかもわからない病気に怯えなければならないのか。本当に意味不明です。

不便すぎるセーブデータ

どうしてこうなった?

実は、データのセーブ/ロードに関しましても、最適化不足と合わせて、炎上の火種となっています。
本作はセーブデータを1つしか用意できません。しかもゲーム内で削除することができません。PS5版ならばPS5側から削除してやるか、steam版ならばクラウド機能をオフにした状態でディレクトリ側から削除してやる必要があります。
その上、セーブデータを自由にロードできません
オートセーブがある状態では、勝手にセーブされた箇所か、宿屋か自宅でセーブした箇所に戻ります。(先ほど「竜憑き」の最終段階を防げない、と書きましたがこれが原因です)
その上、オートセーブは手動セーブを上書きします。当然、セーブデータのロードでどちらのデータを選ぶか、などはありません

そして、宿屋か自宅でセーブした箇所に戻されるというのが厄介でして、今作では宿屋に宿泊するのに結構なゲーム内通貨を必要とします。自宅も当然購入しなければなりません。つまり安全なセーブ箇所をつくるのにもお金がかかります
つまり、序盤のお金がないタイミングで宿屋をケチって、なんらかのクエストが失敗してオートセーブが入ってしまったとき、宿屋から戻るを選択すると・・・。
たとえば、1周目をノーマルエンディングでクリアするとしましょう。するとゲームは2周目から開始するのか、セーブした箇所から開始する、この2択を選べます。ここでもし、別のエンディングを見ようとして、最後に宿泊した宿屋から再開したり直前のセーブデータから再開すると、もちろんセーブデータがその段階に上書きされ、2周目から開始することができなくなります。(私の体験談です)
これらを回避するためには、オンラインにいちいちパックアップを保存し、自分が本当に戻りたい箇所を記録してやる必要があります。

総評

流石に不便すぎないか? CAPCOMほどの大手でしたら、データロードあたりはメソッドが確立されていると思うのですが・・・。
とくに、データを消す際にも、いちいちゲーム内からできないのが意味不明です。どう考えてもユーザーに対してなんらかのゲーム体験を付与するものではなく、ただの怠慢としか言いようがありません。

なぜか美しく見えないグラフィック

本作はUnreal Engine 5を使用し、非常にきれいなグラフィックとなっています。フレームレートの問題などが指摘されていますが、それでも静止している状態で見る景色はきれいなものです。
しかし、きれいなだけです。
なんというか、ただ無機質なきれいさなのです。
私はグラフィックなどを勉強したことがないので、本当に戯言になるのですが、おそらく「見せ方」が上手くないのだと思います。
ドグマ2のストーリをやっていて思ったのが、ワクワクするムービーの演出が本当になかったということです。ただムービーが流れるだけ、ただ魔物が出るだけ、というように。
他社製品の話をすることが良くないとわかってはいるのですが、それでもPS4版の「ウィッチャー3」のほうが何十倍も美しいし、ワクワクするムービーがあったように思ったことを主張させてください。あちらはもっとスペックの低いゲームエンジンを使っているのにです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
10年間待っても、まったく進化のない老舗の味を出してきた、そんなドグマ2への不満点を並べるだけで終わってしまいました。
まだまだ細かいところでの不満点はいっぱいあるのですが、そろそろnoteも重くなってきたのでここらで終わろうと思います。ただ、私としては、ドグマという作品を遊んだ、という満足感はあった、ということだけは伝えておきたいと思います。
さて、不満点だけを述べてしまったので、ここで一つ、ファンである私なりに「こうすればよかったんじゃないのかな」という提案だけ。
ドグマ2のディレクターである伊津野 英昭さんは

本気でごっこ遊びをしたい人、ファンタジー世界、異世界転生シミュレーターをやりたい人はぜひ手に取っていただきたいなと思います

https://jp.ign.com/dragons-dogma-ii/72932/feature/2-npc

とおっしゃっています。であれば、本当にそうすればよかったのだと思います。アクションゲームとしてではなく、シュミレーターの要素を第一に掲げ、それこそクラフト要素などをさらに豊富にしてしまえばよかったのだと思います。アクションゲームなのに、それ以外の要素があまりに大変である、というのが私の思う、ドグマ2の悪いところです。ですので、もうアクションはほどほどにして、いっそタクティカルRPGとして売り出してしまえばよかったのでは? という提案をします。それでもセーブデータ周りは不便すぎるとは思います。

まあ実際にタクティカルRPGとして出されたら、私は買っていませんでしたが・・・。
あと戦闘でつまっている覚者のみなさまは魔剣士をお勧めします。弾ク神衣を貼っていれば赤龍戦すら無被弾で終わります。


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