政治をするな!

今でも1年に2〜3回会うくらいの、高校の時の同級生がいる。
私を含めて4人組だ。

ここでは、私以外の3人を学生時代の得意科目からとって「世界史」「美術」「全科目」と呼ぶことにする。


前回に集まったのはGWの頃。

お決まりの流れで、ラーメンを食べてスタバでくだらない話をする。

いつもであればスタバの後はカラオケを挟むか挟まないかで、その後居酒屋に行く。



ところが、前回だけは今までと大きく異なる点があった。



「全科目」の彼女が途中で顔を出すというのだ。


その計画に対し、私だけがニュートラルで、「世界史」と「美術」が熱く『呼べ!』というテンションだったので、「全科目」がしぶしぶ彼女を呼ぶという構図だった。

「全科目」は彼女と婚約していたため、まあ確かにここで一旦どんな人か会っておきたい、みたいな気持ちも分からなくはないので、私はニュートラルだった。


もちろん、いざ来るとなれば素っ気なく振る舞うわけではない。

ちゃんと頑張って、ちゃんと空回りしていた。



そこまでは別にいい。問題は次だ。



先週、また4人で集まった時、今度は「美術」の彼女が途中で合流することになった。


今回は「美術」の彼女が兼ねてより『よく話題に出てくる同級生たちに会わせてくれ!』という要望を「美術」に伝えていたらしく、前回の流れから今回なら…という具合に、満を持して登場となったらしい。


私は内心「嘘だろ…」と思いながら、渋いリアクションをとるわけにもいかないので、今回もニュートラルな立場を決め込んだ。


そして相も変わらず、ちゃんと頑張ってちゃんと空回りした。




このとき「じゃあ次はおリンの彼女だな」という話になったことは、想像に易いだろう。


実はそのような話は前回から出ており、しっかりと彼女からはNGをもらっていたので、丁重に断った。


正直、この昔からの友達の集まりのクライマックスとして誰かの彼女を呼ぶことを定番にするのは、心底やめてほしいと思っている。


まず、彼女がNGで良かった。

いくら信用できる友人であるとはいえ「男4:女1」の席に参加することになんの抵抗もないような女性はタイプではないので、安心した。



何より最も納得がいっていないのは、古くからの友達というコミュニティにおいて、狡猾な生存戦略が見え隠れしてしまったことだ。


「美術」は彼女に対して、尾ひれをつけて私たちの紹介をしていたらしく、彼女から『なんだその友人は、一回会わせろ!』という具合で、今回の件は勃発した。

そして「美術」は、前回「全科目」の彼女を招いたことにかこつけて、今回がチャンスと言わんばかりに、彼女の疑いを晴らすために、呼ぶことにしたと、そんな感じだろう。


そして私たち側としても、信頼関係を確認することができるいい機会だ。

信用できない男に自分の彼女を紹介することなんてしないはずだから、その場所を設けるだけで信頼関係の証明にもなる。

全方向の信頼関係を強めることができる、良い一手のようにも思える。




外交みたいだな。



この関係性で、政治をするな。



理屈はわかる。わかるからこそ、なんだかガッカリしてしまった。

「気の置けない仲」というには、少し違うのかもしれない、とか勘ぐってしまった。



かなり前のことだが、ラランドのサーヤさんが「ダブルデート」のことを「ポケモンバトル」だと揶揄していた。

男は男同士で、女は女同士で「自分の恋人の方がいいだろう」とひけらかし合う様を捉えた、棘とユーモアたっぷりの表現で、共感と共にグッと来た感覚を憶えている。


それとこれとは違う話だが、とかく友情と恋愛をごっちゃにすると碌なことは起こらない、と思っておいた方が良さそうだ。

そんな学びを得たので、私は今後も、友達は友達、恋人は恋人というように、切り替えて関わっていくことにしようと思った。



ちなみに、私の彼女は時々このnoteを読みに来ている。

この記事を見つけたときに「この記事だって私に良く思われるための政治的戦略じゃないか」と疑われてしまいそうだが、間違いなく本心で書いたということだけは申し送りとして残しておくことにしよう。


おわりに

今週はおリンが担当しました。

お盆休みがやってきましたけども。
皆さんは旧友に会うというスケジュールはあるでしょうか。

変わらないこと、変わったこと…色々気づかされ、色々なことを感じる。20代後半のお盆休みの時期というのは、そういうものかなとしみじみ感じています。

災害等不安なこともありますが、穏やかに過ごせますよう。

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人間関係苦手、将来不安、でも野心はどこかにある…そんな思春期(Adolescent)の側面を持ちながら年齢だけを重ねた「おリン」と「生糸」がPodcast番組をお届けするスタジオ(Studio)、それがADOLESTUDIO、そういう感じです。

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次回は生糸が担当の予定です。お楽しみに…!



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