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こちら合成害獣救助隊 ライナーノーツ

「こちら合成害獣救助隊」のセクション1は例の逆噴射小説大賞に応募した作品だ。ありがたい事に二次審査を通過している。今も逆噴射先生はまだ立っている256篇のパルプと正面から殴り合い、1vs1の決闘の形になるまで全員ブチ倒しているのだろう。願わくばうちの子達も一太刀浴びせてから倒れて欲しいと思う。

ここまで書いて来た逆噴射投稿作品の続編は、大なり小なり人や化け物や神話存在が死ぬ話だった。パルプの定義は人それぞれだが、逆噴射先生のインストラクションである「開幕で1人殺せ(大きなアクションを起こして物語をドライブさせろ)」に忠実に従った結果だ。メキシコの荒野に降り立ったニュービーパルプスリンガーのおれにはまずGUNを撃つことを第一に置いたのだ。

そして第4作だが、これは救助隊の話だ。抹殺されてしかるべき存在を助けようとする者達の話だ。つまりおいそれと何かを殺して話をドライブさせるわけにはいかない。なので実のところだいぶ苦労した。作者より頭の良いやつは小説に出てこれないのだ。しかし主人公のアーマード猫キメラ「レイ」はそうすると決めてしまったので、おれもそれに付き合うしかない。

という事で非常に強力な戦闘能力を持っていながら、だいぶ痛めつけられる展開になってしまった。だが彼女はタフなベイブだ。時々自信を無くしてションボリしてしまうけれども、とにかく護ると決めたら護る、そんな娘だ。ただしサイバネが発達した世界なので、常人なら死んでるような攻撃もわりと躊躇なく行う油断ならないところもある。カワイイからといってナメた態度はとらない事だ。脳殻さえ無事ならセーフというのは攻殻機動隊SACで見たから問題無いはずだ。

彼女は以前書いたカッパ侍のような完成された戦士ではない。傷付き、痛めつけられ、理解を得られず、ぐらぐらと信念を崩されそうになりながら、それでも護るべきもののために社会の下から身体を張れる、そんな娘だ。いつかキメラを全て保護出来た時、彼女はどうなっているのか。また折を見て描いてみたい。

ちなみに「レイ」という名前は、子供の頃実家で飼っていた雌猫から拝借した。白黒の模様が綺麗な子だった。虹の橋を渡って久しいあの子の名前が、このヒロインには一番しっくり来る。

そしてうちの今の猫も保護猫だ。この小説の世界は現実世界より動物福祉が発達しているが、それでもシェルターには犬猫がいっぱいいる。殺処分ゼロというのはギリギリの現場で成り立っている。なのでどうか読者諸氏がどうぶつと暮らしたいと思った時は、近くのシェルターや保護施設、保健所を訪ねてほしい。生体販売を否定するつもりはないけど、最終的には幸せな家庭の力が必要なのだ。これは本当に切な願いだ。どうぶつとの暮らしは、いいものだよ。

さてしばし休んだらまた次に取り掛かるとしよう。次は何にしよう。オスモウかな…。ほいたら、バイぜ…。

ええもん読んだわ!と思ったらぜひ。ありがたく日々の糧にします。