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Jリーグのマスコットって、あの動物ハブられてない?

先日、ガンバ大阪の本拠地であるパナソニックスタジアム吹田に行ってきました。8月最後の土曜日に、Jリーグ屈指のダービーマッチであるセレッソ大阪との試合を見るためです。

昨年から無観客や定員制限での試合が多かったのもあって、なんだかんだ2019年シーズン以来のパナスタ参戦です。久しぶりの生観戦に高まるテンションを抑えきれず、ついつい早めにスタジアムに到着してしまいました。いつもは試合のおよそ1時間前に現地入りするのですが、その日は3時間前に到着しました。少し落ち着け。

真夏のダンス、その後

そんなわけで、早すぎる到着で生まれた自由時間を有意義に過ごすべく、われらがガンバ大阪のマスコットであるガンバボーイのダンスパフォーマンスをじっくり堪能しました。やはり、試合を盛り上げてくれるマスコットの存在は、Jリーグをはじめとしたプロスポーツには欠かせませんね。

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ところで、この日は最高気温33℃越えの真夏日。くそ暑い中でもガンバボーイの動きは素晴らしかったです。そんな彼の頑張りに感心しているとき、ふと気づきました。あれ、そういえば今年のマスコット総選挙の結果ってどうなったんだっけ、と。

マスコット総選挙とはJリーグが開催しているイベントで、ゆるキャラグランプリのJリーグ版と考えていただければいいでしょう。毎年2月、シーズンの始まりを告げるゼロックススーパーカップで結果が発表されるのが通例です。

▼『Jリーグマスコット総選挙2021』▼


ここ最近はひいきのガンバ大阪の試合をDAZNの配信で見るくらいでして、今年の総選挙の結果をチェックし忘れていました。(時々DAZNのコマーシャルで一部マスコットの順位が流れることはありますけどね)

そういえば、ゼロックススーパーカップの対戦カードは川崎フロンターレ対ガンバ大阪だった気がしますが、試合結果を思い出そうとすると記憶にモヤがかかります……。それだけじゃなく、この日見に行ったはずの大阪ダービーも、結果や内容を思い出そうとすると頭痛がします。なんででしょうね?

話しをマスコットに戻しまして。そうそう、マスコット総選挙の結果です。早速ネットでチェックしてみました。

1位はV・ファーレン長崎のヴィヴィくんでした。
優勝は2014年以来ですが、毎年上位に名を連ねる人気のマスコットです。

▼[参考] ヴィヴィくん公式プロフィール▼

納得の結果にうなずいていると、投票結果のホームページに記載されていたヴィヴィくんの紹介文が目に留まりました。

「長崎県の県獣「九州シカ」、長崎県の県鳥「オシドリ」およびクラブのVを組み合わせたものをモチーフ。」
引用:『Jリーグマスコット総選挙2021』Webサイト

えー、ヴィヴィくんのモチーフってシカだったのか。猫科のなにかしらの動物だと思っていましたが、全く関係ないんですね。そうか猫じゃないのか。

そこでふと気づきました。
「そういえば、Jリーグのマスコットに猫っていなくない?」
果たして本当に猫はハブられているのか。調べてみることにしました。

猫はおろか猫科すら……

マスコット総選挙_J1-J3

とりあえずJ1~J3の54クラブのマスコットを調べてみました。マスコットが複数いるチームは、総選挙にエントリーされていたマスコットを記載しています。(※ソースにしたのは『マスコット総選挙2021』のホームページです。そこに掲載されていなかったアスルクラロ沼津、FC今治、テゲバジャーロ宮崎の3チームはここに記していません。当該サポーターのみなさまご容赦くださいませ。)

モチーフに関してツッコミたいチームがいくつかあるのですが、その気持ちを抑えてざっくり分類してみると、鳥類やほ乳類が人気ですね。あとは神話由来や架空の生き物ってパターンも多いです。

陸上のほ乳類で採用されているのは犬やオオカミのほか、クマやタヌキなどで、猫がモチーフのマスコットは1チームもありませんでした。ザスパクサツ群馬、レノファ山口、AC長野パルセイロの3チームはライオン(獅子)がモチーフなので猫科の範疇ではありますが、それでも54チーム中わずか3チームです。

しかもこれら3チームは比較的最近Jリーグに参戦したチームです。群馬が2005年、山口が2015年、長野が2014年にそれぞれ加盟しています。少なくとも2005年以前は、猫はおろか猫科のマスコットすらJリーグには存在しなかったことになります。

もしかして甲子園のあいつを避けてない?

猫ほどメジャーな動物もいないでしょうに、意外な結果となりました。犬は何チームかあるんですけどね。また、スポーツのマスコットって勇猛な動物と相性が良さそうに思うので、トラやライオンといった猫科の動物はモチーフに使いやすいはずです。しかし、それすら少ないのはなぜでしょうか。

もしかすると他のスポーツでも同じ傾向なのかと思い、念のためプロ野球も調べてみました。まあチーム数も少ないですし、調べる前から大体わかるのですが。

NPBマスコット

こちらにもやはり猫はいません。ただ、12チームの中にトラ(阪神タイガース)とライオン(埼玉西武ライオンズ)がいますね。ちなみに、なんで昔のマスコットまで表にしたのかというと、「もしかするとJリーグのマスコットって、プロ野球のマスコットと被るのを避けていたのでは?」という考えが浮かんだからです。

実際に「オリジナル10」と呼ばれるJリーグ発足時(1992年)に加盟していた10チームの表はこんな感じでした。

マスコット_オリ10

多くの人はトラのマスコットといえばトラッキーを、ライオンといえば西武のレオくんを思い浮かべるのではないでしょうか。で、Jリーグがいかにもスポーツのマスコットに使いやすそうなトラやライオンを避けたのは、プロ野球のマスコットたちの強烈なイメージをあらかじめ刷り込まれていたのが遠因なのかもしれないと想像しました。

ただ、ロッテと当時の横浜マリノスがカモメで被っていますし、後に近鉄バファローズとヴィッセル神戸が牛で被ることになるので、必ずしも全ての事例に当てはめられませんが…。

なんにせよ情報が不足しており、裏付けまではできませんでしたが、もしこれが理由なのだとしたら、マスコットのモチーフ選びって相当苦労するんでしょうね。後発になればなるほどトリッキーなモチーフを選ばないといけない状況になりますから。苦心しながら素晴らしいマスコットを作り出してくれるデザイナーのみなさまに敬礼。

猫はまだか

前段で話したのは、猫科のトラやライオンが避けられている理由でした。では、猫がいない理由はなんでしょうか。いろいろ考えたり調べたりしてみましたが、こちらもわかりませんでした。無念。

またしても個人的な想像で恐縮なのですが、「ペットはスポーツのマスコットに不向き」なのではという考えが浮かびました。スポーツのバチバチした真剣勝負の場では、勇ましさとか力強さみたいな要素が好まれるのでしょうから、ペットの代表格であり癒しの象徴である猫はお呼びでなかったのかもしれません。

ただそれなら、ヴィヴィくんみたいに可愛いキャラがいるのはどうなんだとか、うどんをモチーフにしたマスコットもいるじゃねえかとか、いろいろな反論が可能です。そもそも現・ベイスターズのマスコットであるスターマンってホッシーのペットですしね。考えているうちに混乱してきました。

少なくとも、Jリーグのマスコットに猫はおらず、猫科も少ないというのが今回わかったことです。またチャンスがあれば、もう少し調べてみようと思います。

余談ですが、すらっとしたヤマネコが、素早く華麗に動くさまは、いかにもゴールハンターのフォワードっぽい感じで美しいので、Jリーグのチームから猫のマスコットが生まれないかなと密かに期待しています。猫好きの戯言。

*終わり*

今月から、あるライター講座で知り合った友人たちと共同運営で「ゆるのるマガジン」を始めました。この記事は同マガジンでのお題『猫』について書いたものです。これからマガジンにいろいろな記事をアップしていきますので、よろしければご覧ください。


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