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#2-1【解説】STP(スパニングツリープロトコル)

このレクチャーではSTP(スパニングツリープロトコル)について学習します。

「なぜSTPは必要なのか?」という点を理解してほしいので、まずは以下基本構成の問題点を把握しましょう。

PC1とサーバがスイッチを経由して接続しています。この状態で通信できていれば問題ありませんが、何かしらの理由でスイッチ間で障害が発生した場合、PC1はサーバにアクセスすることができなくなってしまいます。

ネットワーク的に1つの障害でサービスを利用できなくなるのは、極めて信頼性が低い状態であり、会社であればしばらく仕事ができなくなってしまいます。

そこで障害が起きても接続できない状況を避けるために、冗長パス(迂回路)を作成することで、信頼性の高い環境を構築することがあります。

このように障害に備えて予備のリソースを用意しておくことを「冗長化」といいます。

しかし、スイッチを使用した冗長化には問題点があります。
下図のように迂回路を作成した際の構成をループ構成といい、ARPなどのブロードキャスト通信が発生した場合、その通信がぐるぐるとループしてしまうトラブル=「ブロードキャストストーム(L2のループ)」が発生します。

ループした通信は、通信を不安定にするとともにネットワーク機器の負担がまし、最悪とりかえしの付かない障害に発展する場合もあります。
これでは障害に備えるつもりが逆効果です。

そこでブロードキャストストームが発生しないようにするための技術が「STP」です。

STPは物理的にはループ構成であっても、一部のポートをブロックすることでARPなどのブロードキャスト通信をブロックします。

また正常時のルートで障害が発生した場合は、自動でブロックしているポートを開放し、迂回路を作ることで通信の信頼性を担保します。

以上が、STPの必要性と基本的な動作の解説となります。
次のレクチャーでは、「どうやってブロックされるポートを選び出すのか?」という仕組みについて深堀していきます。

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