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携帯電話って2台も必要? 〜業務用の携帯電話をBYODにした情シスの話〜

情シスのみなさま、いつもお仕事お疲れさまです。

ソフトクリエイトの情シス長尾です。本日は、弊社が業務用の携帯電話をBYODにした話をお伝えさせてください!

突然ですが、なんで、携帯電話を2台も持たなければならないのだろう…そんなことを考えたことはありませんか?

自分の携帯電話と、会社から支給された業務用の携帯電話の2台を持ち歩いていると、そんなことを思うかもしれません。荷物もかさばりますし、万が一、会社から貸与された携帯をなくしてしまったら大変なことになります。自分の携帯電話を仕事にも使いたい…そう思ったことはありませんか?
私たちソフトクリエイトでも、そんな疑問を持つ人が少なからずいました。そこで2020年3月に「【朗報】BYOD受付を開始します!」とチャットで全社告知を行い、業務用の携帯電話をBYODにするプロジェクトをスタートしました。このnoteでは、BYODを実現するために何を行ったのか、どのような結果になったかについて共有したいと思います。

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いかにもかさばる携帯電話「2台持ち」からBYODへ…


BYODのために何を行ったか 


BYODを実現するため、私たちは次の5つのことに取り組みました。BYODといっても、私たちが行ったのは個人の携帯電話を業務利用することです。各種アプリケーションを利用しなければ実現できないため、スマートフォン利用を前提にしています。

1.業務用の電話番号を端末に追加した
2.電話帳サービスで業務上の連絡先を一元管理した
3.セキュリティ対策を行った
4.補助金を社員に給付した
5.マニュアルを作って配布した

1.業務用の電話番号を端末に追加した
まず、1についてですが、BYODで自分の携帯電話を仕事に使うといっても、自分の電話番号を使うのかどうかという問題があります。これは、新たな電話番号を会社が提供することにしました。専用のアプリを用いることで、050で始まる電話番号が使えるようになります。これで、友人や家族などのプライベートな通話と、会社や取引先からの通話の履歴もすっきり分けられるようになりました。また、社内の通話はすべてTeamsで行うことにしました。

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発着信に使うアプリの利用方法などを紹介しています。(自社作成のマニュアル「BYODガイド」より引用)


2.電話帳サービスで業務上の連絡先を一元管理した
プライベートの連絡先と仕事の連絡先、これらが一つの電話帳に混在することは、誤発信等のリスクを考えると好ましくありません。そこで、これらの対策として、個人用の携帯電話にクラウド型の電話帳サービスを利用できるアプリをインストールしてもらうことにしました。個人の携帯電話の中に、別の連絡帳を入れるイメージです。クラウド型なので常に最新の状態で社内でも共有しやすい状態です。また、アプリをアンインストールすることで、連絡先情報をすべて削除できる点も安心感があります。

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「社内電話帳」のイメージです。(自社作成のマニュアル「BYODガイド」より引用)


3.セキュリティ対策を行った
会社にとってセキュリティ対策は重要課題です。私用の携帯電話を仕事に使う上でのセキュリティ上のリスクは大きく、「私用・業務の連絡先が混在することによる情報漏えい」と、「盗難・紛失による情報漏えい」という二つがあると考えました。

まず、個人・業務用の連絡先が混在するリスクへの対策は、電話番号・連絡帳を別に設けることにしました。

盗難や紛失リスクへの対策はどうするのか…。盗難・紛失した場合、まずは中の情報を見られないようにするためにも、ID・パスワードが第一関門となります。このとき例えば4桁の数字のみのパスワードだと総当りで突破されてしまうかもしれません。そこで、二要素認証を用いることにしました。パスワードに加えて、生体認証(指紋や顔認証)を用いた認証を取り入れることで、セキュリティの強度は増します。また個人の携帯電話なので、紛失などに備えて自身でリモートロックやリモートワイプなどを行っている場合もあるかもしれませんね。

ちなみに、MDM(モバイルデバイス管理)も注目されていますが、導入しませんでした。MDMで取得したすべてのログ管理が必要か?また、その管理のための情シスの負担はどうか?と考えると、必ずしも個人携帯電話を管理する必要がないのではないかということがその理由として挙げられます。また、もう1つの理由としては社員を「子供扱い」せず、会社任せにしないで自分でもセキュリティ対策を積極的に考えて欲しいから、ということも挙げられます。しかし、これはソフトクリエイトがITに関連する企業で、自分の経験が役立つ場合もあるからで、企業によっては考え方が異なるかもしれませんね。


4.補助金を社員に給付した
BYODを利用する社員に4,000円をBYOD手当金として支給することにしています。4,000円という金額の根拠は、端末貸与にかかる調達や事務手続きなどのコストと、社員が動いてくれそうな金額が折り合う数字…だと思っています。月々4,000円でも、1年間なら48,000円、2年間なら96,000円です。最新の携帯電話を購入できそうな、魅力的な金額になるのではないでしょうか。これは各社によって意見が分かれるかもしれませんが、自分の会社でも「BYODをやってみたいけれど、社員が利用してくれるか不安がある」という方は参考にしてください。

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「社内電話帳」のイメージです。(自社作成のマニュアル「BYODガイド」より引用)


5.マニュアルを作って配布した
すでにここまで何点か掲載していますが、社内向けにマニュアルを作成して配布しています。マニュアルの内容は、「BYODとは何か?」という基本的なBYODの仕組みやメリット、デメリットから、申請方法、アプリの使い方などを説明しています。具体的にやるべきことや、どんなメリットがあるのかがわかるように書くことが大切ですね。

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BYODはどんな結果になったか 


BYODの取り組みをスタートした結果、半年で全社員の25%が利用するようになりました。営業のように携帯電話を頻繁に使う部署ではBYODを利用しやすいようです。そうでない部署ではBYOD利用で利用するためのモチベーションはあまり高くならないのかもしれません。また、「BYODを利用しない」社員にチャットで直接話を聞いてみたところ、以下のような理由が出てきました。

・私用、業務用で分けて使いたい 

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未導入1_社員のコメント

未導入5_社員のコメント

・私用携帯にアプリケーションを増やしたくない、会社情報を入れたくない

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・設定や手続きが面倒

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・携帯電話の電池の持ちが悪くなっていて業務に堪えられない
・会社支給の携帯は「ギガ(通信料)」が収まらないくらい利用しているので

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BYODについては、実施しやすい職種や人それぞれの考え方、携帯電話の使い方がありますので、利用率100%になることはないと考えられます。しかし、BYODを開始してから、社内ではほとんど携帯電話を新規購入していないので、一定の効果は出ていると感じています。

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返却された携帯電話。裏面に管理番号のシールが貼ってあります。

さいごに


今回のnoteでは、携帯電話のBYODの取り組み事例を具体的についてお話ししました。次回のnoteでは、業務用携帯電話をBYODにした際の社員の反応を中心にご紹介したいと思います。

業務用携帯電話をBYODにした際の社員からの反応




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