生成AI活用の実態とは?情シスは2024年にどう取り組むか
ChatGPTに代表される生成AIは、2023年に大きな広がりを見せました。世界中で多くの人々が使い始めるようになっただけではなく、ビジネスにも活用が進められています。今回は、統計結果とともに生成AI活用の現状について見ていきましょう。
なお、このnoteは主に中堅・中小規模の企業の新任情シスや兼任情シス向けの内容です。
1.生成AIはブームではない…世界が生成AI活用に向けて動いている
2023年は生成AIに大きな注目が集まった年でした。これまでもすでにAIは活用されてきていましたが、それは主にデータ分析目的のもので「Analytical AI」と呼ばれるものでした。この点については『情報通信白書(令和5年版)』では次のように触れられています。
この「情報を生成・創造する目的で用いられる」生成AIとしては、ChatGPTに代表される「対話型AI」 、テキストを入力すると画像を生成する「プロンプト型画像生成AI(text to imageとも呼ばれる)」、ほかにも文章の要約、プログラムのソースコード作成、作曲を行う様々な生成AIが登場しています。
また上記の『情報通信白書(令和5年版)』には、「2022年9月に公表されたSEQUOIAとGPT-3の『2030年代頃までのGenerative AIの展開予想』によると、テキスト、コーディング、画像、動画・3D・ゲーム分野の順番で活用が進んでいくと予測されている」と述べられていて、今後も生成AIの活用の幅はさらに広がっていくと考えられます。
そして日本政府の取り組みとしては、2023年5月のG7広島サミットをきっかけに開始された広島AIプロセスを通じて、国際的な協力関係のもとで世界中の人々が安全・安心・信頼できるAIを利用できる枠組みの構築などルールの検討を進めています。
また、デジタル庁では生成AIに関するワークショップや検証を進めていたり、経済産業省では「AI事業者ガイドライン案」策定に取り組むなど、国を挙げて活用の準備に取り組んでいます。ほかにも、各省庁がAI活用のためのガイドラインなどの策定に取り組み、IPAは「AI活用のためのガイドライン類」としてまとめています。
「⽣成AIは⼀時的なブームではなく不可逆的な⼤きな変化である」とはIPA資料(※)にある言葉ですが、まさに現在、リアルタイムで時代の転換期になっているのかもしれません。
※IPA『⽣成AIに関する DX推進スキル標準WGメンバーへの意⾒交換結果』
2.37%の情シスが「AIの活用」に注力すべきと考えている
このような時代の大きな変化を受けて、各企業でも生成AIについて取り組み始めています。2023年末〜2024年初にかけて行った情シス向けのアンケート(※)結果から、生成AIの活用状況を見ていきましょう。
生成AIを「既に活用している」は13.6%、「活用に向けたプロジェクトが進んでいる」は10.8%となり、約2割の企業がビジネスに生成AIを既に活用あるいは活用しようとしていることがわかりました。また、「活用への期待はあるが、会社としての取り組みは模索・検討中」は34.8%、「会社の取り組みとしてはまだ特に何も動いていない」は34.6%と多くを占めましたが、生成AIの活用の幅が広がると考えられている現在、どのように変化していくのかは追って注目したいです。
また、「情シスが今後、注力すべきと考えている(注力している最中の)活動」について聞いたところ、「AIの活用」と答えた情シスは37.1%で第3位となりました。昨年度以前はAIの活用に関する順位は下位止まりだったことを考えると、多くの情シスが生成AI活用について何らかの期待している様子が伺えます。
では、具体的に生成AIをどのように活用しているのか、フリーアンサーからいくつかピックアップして整理してみました。
テキストを整理したり、マニュアルやFAQなどこれまでのチャットボットの延長性上のようなものから、プログラミングやコーディングの支援まで様々な業務にすでに利用されているようです。生成AIの活用が進むと考えられる2024年、さらに多くの活用例や便利な使い方、事例を目にする機会が増えるのではないでしょうか。
おわりに
今回は、注目を集めている生成AIの動向とアンケート結果を紹介しました。2024年、多くの企業が生成AIの活用に取り組むことが予測されます。自社での活用を検討している方は、下記の情報なども参考に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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